書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

「神様のおふだ」桜井識子著②

 桜井識子さんの「神様のおふだ」のレビューを書きます。少し前に、コロナの部分だけ抜き出して書いたのですが、今回は、この本のメインである「おふだ」についての部分を書きます。

 おふだは、神社だけでなくお寺でももらえますが、この本では、神社のおふだについて特化して書かれています。

 人が神社に参拝に行く時、いろんな目的があるとは思うのですが、大きく分けるなら二パターンに分けられると思います。

 一つ目は、何か神様に叶えてもらいたいお願いごと(願掛け)をする目的。

 二つ目は、ただ神社の空間に行き、神様にご挨拶したり、その神社特有の気持ちのいい波動に浸りたいという目的。

 で。ざっくり言うなら、一つ目の目的の場合は、本殿か拝殿で、神様に祈念し、二つ目の目的の場合は、勿論参拝するだけでもいいのですが、おふだを頂いて家に飾るとより効果的である、そういう事のようです。

 

 なんか分かりにくい書き方をしてしまったかもしれません。

 要するに、神社で頂くおふだには、もれなくその神社のご祭神の波動が入っており、それを家に飾ると、その家にじわじわとおふだの波動が広がるのだそうです。おふだの有効期間は一年間。一年経てば、おふだから出る波動は消えるそうです。でも、神社に参拝しただけでは、頂いた波動は数日で消えてしまいますが、おふだを買って家に飾ると、その神社の波動を、一年間浴び続ける事ができるわけです。

 おふだの波動には、浴びたらすぐに何かが変わるという即効性はありませんが、浴び続けると少しづつ変化があるとのこと。確かに、うちの息子も、前回の記事に書いたように、北野天満宮のおふだを頂いた半年後に成績がぐんと上がり、3年後の大学受験で第一希望ではなかったものの、行きたい大学学部に合格し、今も楽しく勉強しています。

 

 おふだと、「願掛け」との違いは、おふだにはすでに神様の波動が入っているという事です。おふだを買った人はもれなく、一年間その波動を頂く事ができます。一方神様に願掛けかけしても、必ずしも100%叶えてもらえる、というわけではありません。でもおふだの場合は、買えば必ず一年間神社の波動を浴びられる。自分がどんな状態であろうと、波動をもらえない、という事はないのです。必ず貰える。何故ならば、神社においてあるおふだには、すでに最初からご祭神の波動がしっかり入っているからです。入っているものもあるし、はいっていないものもある、という事はなく、全てにもれなく入っている。

 もう一つ、願掛けとおふだの違いを言うなら。

 願掛けは、自分の願いをピンポイントでお願いするべきもので、例えば「家族全員が健康でいられますように」というような漠然としたお願いではなく、「〇月〇日どこどこ病院で手術を受けますが、どうかうまくいきますように」とか「コロナが流行っていますが、どうか感染しませんように」といった、具体的なお願いをすべきだそうです。漠然としたお願いが絶対に駄目だというわけではありませんが、漠然としたお願いよりも、ピンポイントの具体的なお願いのほうが、叶えてもらいやすいからです。

 では、「家族全員が健康でいられますように」系の漠然としたお願いがしたい場合はどうしたらいいのか?と言えば、そこでおふだが登場するわけです。

 「家族全員が健康でいられますように」という願いなら、健康に特化した神社のお札を貰ってくればいいわけです。子供が勉強好きになって欲しい場合は、天満宮系のおふだを貰ってくればいい。そうすると、一年間、じわじわとその波動を受け続ける事ができるわけです。

 おふだの場合は、神様に願掛けするのと違い、スパッと短期間でバッチリ叶えてもらえるという事はありません。じわじわと長期に渡って効いてくる、という感じだそうです。

 でも、神様への祈念は、叶えてもらえない場合があるの対し、おふだの波動は、100%誰でも確実に頂ける。そこが大きな違いだと思います。

 

 この本には、様々な神社のおふだの効用について、神社を系列ごとに分けて、説明されています。例えば、「周囲とうまくやっていきたい」なら「住吉系の神社」。「突然襲ってくる災難を防ぎたい」なら「秋葉系の神社」。「健康になりたい」なら「宗像系の神社」などなど。

 この本に載っていない神社も勿論沢山ありますが、基本的におふだの波動は、その神社のご祭神の波動と同じだと考えれば良いようです。

 おふだの飾り方は、神棚に入れてお祀りする場合と、神棚に入れないで飾っておく場合があります。神棚に入れたおふだは、その神社に繋がる入り口になりますので、手をあわせれば神社の神様に自分の声が届きます。一方、神棚に入れないおふだは、今まで書いてきたように、その神社の波動を出し続けてくれその家の人間を少しづつよい状態にしてくれる、という効果があると同時に、場合によってはその神社の眷属が、おふだを目印に時々見回りに来て下さる場合もあるそうです。

 おふだの飾り方については、本の中に詳しく書いてありました。さして難しい事ではありませんが、知らないと効果が薄れるようなので、ご存じない方は、ご一読されたらいいかなあと思います。 

 

 ちなみに、おふだとお守りの違いは、おふだは①家に置いておき、②常に波動を出しているもの、です。一方、お守りは、①外に出る時に持ち歩くもの、②波動は出ません。

 なので、お守りを家に飾っても意味がないのです。

 ならば、お守りを持ち歩く事にどんな意味があるかというと、お守りは神様や眷属に対する目印になるのです。家はおふだで守られていても、外に出ている時はおふだの波動は届きません。つまり、外では様々な危険がある、という事です。でもお守りを持っている人には、その神社の神様や眷属にとっては「自分ところの神社の目印がついてる人」、という事になり、外でも守って頂けるわけです。

 特に、外で危険を感じたり、困った事態になった時は、お守りを握って「○○神社の神様助けて下さい」と念じれば、すぐに助けに来てもらえる、そういう便利なものがお守りなのです。お守りは見えない世界での通信機の役割をするそうです。だから、お守りはキーホルダーにつけておくと、外出時に必ず持つので万全だと思います。お守りの効果が続くのは、半年だそうです。

 

 また、おふだと縁起物との違いは。

 両方とも家に飾るものですが、縁起物は「運を上げる」効果があります。一方、お札には「良い波動をもらえ、日々の生活がすこしづつ良い状態になっていく」という効果があります。

 「運を上げる」という事と、「良い状態になる」という事は、ちょっと違うのです。

 例えば、うちは、住吉大社の縁起物を飾った年に夫が役員に昇進しました。これは幸運です。一方で、何回も書いて恐縮ですが、北野天満宮のおふだを飾った年から、息子が勉強に本腰を入れて取り組むようになりました。これは、息子が勉学に対して良い状態になった、という事です。

 うちは、縁起物も少しだけ飾っています。うちの縁起物については、この過去記事に書きました↓。 

oinor-i.hatenablog.com

  

 けっこう長々と書いてしまいましたが、それでもこの本に書かれている事の、ほんのほんの一部です

 私がこの本で、一番読んでよかったなと思ったのは、最後の最後に書かれていた「おわりに」の部分でした。どうやって生きていったらいいのか、について、とても短く、でもしっかり強く書かれていました。

 おふだ、とか、お守り、とか、縁起物、願掛け、とかまるで現世利益のみを求めて神社仏閣に参拝しているように思われがちですが、私はそうは思っていません。

 まず、現世利益のみを願ったところで、叶えてはもらえませんし。おふだの効用も、波動を頂けるだけで、実際に動いて頑張るのは自分です。お守りも、困った時に助けて頂けるだけであって、頑張って動いていくのは自分です。縁起物の効果も、自助努力で頑張った上についてくるもので、何も動かないでいて棚ぼたで降ってくるものではありません。

 神社の神様は、一生懸命生きている人を応援して下さるのであって、何もしていない人を応援する事は、神様だってできないのです。

 生きるという事は大変なことなので、おふだやお守りによって神様の応援を得る事は、とても心強いことだと思います。この本はその指南書の役割をしてくれると思います。

    私は発達障害児を育てる中で、先行きが不安になったり、子供の扱いに苦慮して苦しんだり、やるべき事の多さやハードルの高さに逃げたくなる事があったのですが、最近はそういう事が減りました。桜井さんの本を読むと、より神仏を身近に感じられます。

 

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