書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

書き忘れていた神棚の不思議事件

 我が家には、神棚があります。神棚を載せている台は、夫のお手製で、薄いべニア板をコの字型に組み合わせて釘を打ち付けたものです。

 台の上には神棚(氏神様のお札入り)とロウソク、伊勢神宮のお札、北野天満宮のお札、榊の入った細長い花瓶が2つ、お水とお塩、を置いています。

 台の下には、縁起物をまとめて置いています。

 

 少し前の話なのですが、息子が連日、謝恩会の事を言い続けている時期がありました。私はうんざりしつつも、必死で楽しそうに聞く演技を続けていましたが、ある日、とうとう、うんざりした顏をしてしまいました。

 途端に息子がキレ、「お母さん、ちゃんと聞いている?適当に聞いてない?ちゃんと考えてる?いい加減に考えてない?」と大声で言ってきました。

 「あ、ごめん。ちゃんと聞いてるよ」と答えたものの、私のその答え方に誠意がなかったのでしょう、息子は更にキレ、目の色が変わりました。ああ、ヤバいなと思った時、息子は神棚の台を、何度も叩きました。

 本当は、息子は私を叩きたかったのですが、私に暴力をふるってはいけない、という約束をしているので、私は叩けません。息子にとって、私の次に信頼しているのは、神様なので、神棚(の台)を叩いたのでしょう。

 当時の息子は(今は違います)、自分の思い通りに相手を動かすには、暴力をふるって怖がらせればいい、と思い込んでいました。叩けば、相手が怖がって、自分の言う事を聞いてくれると思い込んでいたのです。

 で、神様を叩けば、神様が自分を怖がって、自分の望む通りに何でもやってくれると思い、神棚(の台)を叩いたのでした。

 かなり強く、何度も叩いたので、台の下に飾っていた縁起物がいくつか、落ちました。

 数分後、息子は自力で、「叩いても何も変わらない」と言い、「叩いちゃいけなかった」と言い、「神様怒ってるね」と私に聞いてきました。私は「神様には体がないのだからは、あなたが何をしようが、何も困らないよ。でも、神棚を叩かれるのは不愉快に思われるだろうね」とだけ言いました。

 息子は一人で反省しており、落ちてしまった縁起物を拾って「これ、ここに置いたらいいの?」と私に尋ね、「神様、怒ってるよね」と繰り返し私に聞いていました。

 

 「相手を自分の意のままに動かしたい時、相手に暴力をふるう」事について、その後、息子は一人で深く考えており、私に「僕がやった事は、プーチンさんがやっている事と同じやね」と言ってきました。他国を自国に都合よく動かしたいが故に、他国にミサイルを撃ち込む。他国はこわがって、自国の言う事を聞いてくれるだろう。プーチンはそう思ってミサイルを撃っているのだと、息子は気付き、そして、ミサイルを撃っても撃ってもウクライナが降参しない現実を見て、この考え方は間違っていると気づいたようです。

 

 今後も息子は、また、何かでパニックになれば、暴力をふるうかもしれませんが、その頻度や程度は徐々に下がっており、ゼロになる日も近い気がしています。ゼロにするには、私が正論を言い聞かせるのではなく、息子自身がそれは意味がないという事に、腹の底から気が付かないといけないと私は思っています。

 

 さて。

 息子に叩かれまくった、神棚の台ですが、夫が簡易に作った頼りないべニア板製にも関わらず、壊れる事なく無事でした。一番驚いたのは、この台の上に載っている神棚は勿論、ロウソク、お札、榊の細長い花瓶、塩や水が、全く動いていない事でした。

 あれだけ激しく台が動いたのに、位置がずれる事もなく、ロウソクが倒れる事もなく、花瓶の水がこぼれる事も、三角錐状に盛っている塩が崩れる事も、ありませんでした。

 台の下に置いていた縁起物のいくつかが、勢いで下に落ちるぐらい、台が揺れたのに、台の上の神棚一式は、全く何事もなかったように、定位置で鎮座していました。

 これには驚きましたし、さすが神棚だな、と思いました。

 この現象をどう受け取ったらいいのか分かりませんが、私の勝手な解釈として、神様は息子の問題行動について長い目で見守って下さっているのだろうと思います。もし、神様が息子のことを心底嫌い、見捨てるおつもりなら、台が揺らされたら普通にお札やロウソクや花瓶は、物理現象として、倒れるでしょう。

 それらを倒さなかった、という事は、まだ見守って下さっている、という事だと、私は勝手に解釈し、有難く手を合わせ、そして私も息子を見捨てず見限らず、頑張って支えていこうと思ったのでした。