お盆休みですが、皆様お元気でしょうか。随分ご無沙汰しております。いやもうほんとに、めちゃくちゃ忙しかったもので。全然楽しい理由で忙しかったわけではない事を、先にお断りしておきます(笑)。読んで頂いても楽しくないと思います。すみません。とりあえずご報告ということで。
忙しかった理由は3つありまして。1つは息子が大学の期末試験で、過去一追試を沢山くらったからです。1教科だけでも資料が大量にあるので、それを全部見直して整理し息子に勉強し直させなくてはならず。息子は資料の整理が全く苦手で、与えられたものを覚えていく能力しかないんですよ。落としてもいい教科を含めると5教科ほど追試をくらったので、5教科分の膨大な資料を全部読んで整理し直す作業を、この夏ずっとやっていました。
有難い事に、なんとか合格でき、留年は免れました。やれやれ。疲れました。
どうしてこんなに追試をくらったかというと、息子が勉強に集中できなかったからです。その理由が、忙しかった理由の2つ目にもなるのですが。
定期試験期間に入る直前、息子が突然「もう勉強したくない」と言い出しまして。まあ、そういう日も来るだろうと予想はしていました。今息子がやっている勉強は、息子が好きな分野もありますが、興味のない分野も含んでいます。特に今年の教科は、興味のない分野ばかりなので、興味のない分野の事を覚えるのは、息子には苦痛なのです。興味のある分野ですと、特に勉強しなくても講義を受けただけで覚えていくのでラクなのですが、興味のない分野はどれだけ頑張ってもなかなか覚えられないようで、しんどそうでした。
なので、息子が根を上げてもそれは仕方ない、と私は思いました。それで「無理して大学に通い続けなくてもいい。辞めてもいいよ」と言ったのですが、息子は、辞めたくない、と。勉強はもうしたくないけれど、大学は通い続けちゃんと卒業したいと言うのです。それは無理だとどれだけ説明しても、受け取ってくれません。
息子の中で、何がどうなっているのか分かりませんが、「勉強しなくても大学に通い続け卒業できる」という考えが固定してしまって、それ以外の選択肢を拒否します。そして私から、「勉強しなくても大学に通い続け卒業できる」言質をとろうとしてきました。私がそう言わない限り話が終わらず、でも私は嘘は言えないのでそれを肯定できないでいると、久々に息子がキレ散らかし暴れまくりました。
あああ、、、涙。
普段ならまだいいのですが、期末試験前でしたので、なんとか落ち着いて勉強してもらわないといけません。でも、とても落ち着いて勉強するなんていう状況ではありませんでした。
今これを書いていても、私は一体どうやってあのカオス状況を抜け出したのか、思い出せません。とにかく耐えて耐えて、耐え抜いて、粘り抜いて、キレる息子に合わせて(なだめる、無視する等は余計にキレるので、合わせるしかない)、なんとかしたんだと思います。
とにかく、ストレスマックス状態で、精神状態ギリギリで、息子は今回の期末試験を受けまして、これまでになく5教科もの追試をくらってしまったわけです。でも逆に言えば、あの状態で7教科合格した事のほうが奇跡でした。
追試の勉強に入ってもらうためには、私は何とかせねばなりません。1人で考え抜きましたが良い方法が思いつかず、息子の担当医に相談する事にしました。この医師は良い人ではありますが、基本診察は3分なのです。あまり話を聞いてくれるタイプではありませんし、こちらの質問にも的確に答えてくれる人ではありません。上っ面の正論だけを言う人なんです。ただ、良い人ではあるので、通い続けているんですが。
クリニックに急いで連絡を取ったところ、夏休みで混雑しているにも関わらず、翌日朝いち9時の予約を入れる事が出来ました。
当日時間通り診察室に呼ばれ、息子の現状を話し、どうしたらいいか医師に相談しました。ダラダラ話しては迷惑がかかると思い、簡潔にまとめたものをスマホのメモに書いておき、当日はそれを読みました。1~2分で読めたと思います。あと1分で先生が答えをくれたら、通常の診察時間内に収まる計算でしたが、これが難航しました。
先生の答えを要約すると「息子さんは通常でもストレスがたまっているので、試験等のストレスが上乗せされると耐えられなくなる。通常からストレス量を減らすしかない。息子さんのストレスを減らすには、周囲の人間が彼の特性を理解しストレスをためさせないように気を付けるしかない」とまあ、こんな正論。
いや、そんなこた~分かってますって。3歳から病院に通い息子の特性に慎重に気を配り、合わせて合わせてやってきました。家では勿論学校でも、息子の特性を説明し出来る限りの配慮を受けながらやっています。正直、これ以上の配慮を、大学側に求めるのは無理です。先生方は十分過ぎるぐらいやってくれています。勿論家でも、私達親は、腫物に触るような慎重さで、息子に対応しています。これでストレスがたまると言われても、もうどうしようもありません。私としては、大学は止めて、障害者就労の道に変更してもよいと思っているし、そう息子にも伝えたのですが、それも嫌だと言われて途方にくれています。どうしたらいいのか。
みたいな事を、歯に衣着せず直球で医師に言いました。そうしたら医師は、「私の話を否定されるのでしたら、もう診れません」と仰いました。
「否定はしてません。質問しているだけです」と私は言いました。事実だから。すると医師は、またしても前述した正論を私に言ってきました。それはさっきも聞いたよ、と内心思い、もうこの人には何を言っても無駄だなと諦めました。新しい病院を探すしかないな、と。それで、「分かりました。有難うございました」と言って、席を立ちました。
すると驚いた事に、医師が「いや、まだ話は終わっていません。座って下さい」と言うんです。この時点で診察時間は15分は過ぎていたと思います。私は、言われるがままに席に戻りました。
それから医師が何かを話してくれたのですが、その内容は覚えていません。ただその話の全体から、私は「ああ、そうか」と納得した事があったので、聞き返しました。
「つまり、息子は実は本当には何も分かっていない、という事ですね。下手に言葉が使える為に理解しているように反応する事が出来るだけで、言葉が彼の頭にちゃんと染み込んでいるわけではないのですね。例えば、私が大丈夫と言い、息子が分かったと言っても、私が思う大丈夫感を、息子は感じているわけではないのですね。息子の脳みそは粘土のようなもので、粘土にどれだけ言葉を差し込んでも、染み込んでいかないのと同じ事なんですね」と。
これに対し、医師は「その通りだ」と答えました。言葉が使えているから、言葉通りに理解してもらっていると思ってはいけないのだ、と。言葉で説明した、息子も分かったと言った、だから通じたはず、というのは間違いなのだ、と。実際は、何も分かっていないのだ、と。
普通に人間は、言葉で世界を理解し整理し生きている。言葉で物事を理解し言葉を拠り所として思考し、言葉で整合性をとっている。でも、息子は実はそれが出来ていない。息子は言葉を拠り所には出来ていない。だから生きるという事が、息子にはそれだけで強烈なストレスになっている。言葉という安全弁がないから。拠り所がないから。だから時に、整合性のないナンセンスな事に固執するが、整合性が無いという事を彼は理解できていない。何故ならば、彼の脳と言葉は、本当の意味ではリンクしていないから。特に彼の脳が強くこだわりを作っている部分を、言葉で切り崩そうとしても、絶対に無理だという事。
私が、以上のような事を医師に確認したところ、医師は「そうです」と言いました。私が「今、この会話を息子が聞いていたとしても、一切理解できないという事ですね」と私が言うと、医師は、頷きました。
私は深く納得しました。今まで、ずっと言葉で理解させようと説明をしてきましたが、息子に対して言葉は無意味なんだということ。私が言葉を使っているので、息子も言葉を使ってくれているだけ、表面上こちらに合わせてくれているだけで、息子にとって言葉は何の意味も成していないのだと言う事。息子の頭は粘土なのだということ。ああ、だからか。何もかもが腑に落ちました。
医師に御礼を言って診察室を出た時には、30分を超えていて、待合室には今まで見た事もない数の患者さんが待っておられました。申し訳なさに縮み上がりながら、急いで会計を済ませ、クリニックを出ました。
それから私は息子に対応する時の方向性を、練り直しました。そして息子を落ち着け、追試を何とか受けさせることが出来ました。今のところ、息子は落ち着いています。どういう方向性に切り替えたのか、また書ける時がきたら、書きます。
もう息子について悩む事はない、と高をくくっていた矢先に、頭をガツンと殴られたような事態が発生し、久しぶりに底の底まで落ちましたが、なんとか浮上しました。有り難いです。今後どうなるかは分かりませんが、なんとか頑張るしかありません。やっていきます。
長くなりましたが、ご無沙汰の理由3つめは、とうとう実家の母がコロナに感染した為です。食べるものなど届けたり、話し相手をしたりと大変ではありましたが、無事に完治しました。良かったです。
ではでは、今日はこのへんで。酷暑過ぎますので、皆様どうぞ外出の際にはお気をつけください。私はこのお盆休み、台風も来るようですし、とにかく暑過ぎるので、家で本を読んで過ごす予定です。ではまた~