書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

発達障害児(小学生)へのアプローチ・算数

 前回の記事に頂いたコメントへの返信の続きになります。もし宜しければ、先に前回の記事のコメント欄をご一読下さると有難いです。

 コメント下さった方は、時々コメント下さる方で、とても熱心に子育てをされておられます。熱心だからこそ、悩まれる事も多いのだろうと思います。私にできる限りで、お答えしたいといつも思っています。

 今回のお尋ねは、「小2のお子様に、どうやって算数や抽象的概念を教えていけばいいのか」というものでした。

 まず、算数について、ですが。

 言葉に遅れのある発達障害児は、算数は、計算式は難なくできても、文章題ができない子が多いです。問題文の理解が困難なのです。なので、私の場合は、問題文の説明は、ずっと私がしてやっていました。

 算数の文章題をとく時に必要な作業は、以下の3つです。

①どういう事を聞かれているのか、を理解する。

②答えを出すには、どういう計算式を作ればいいかを考える。

③作った計算式で計算し、答えを出す。

 

 息子が小学校の低学年の間は、私は、①と②を一緒に考えてやり、③だけ息子一人にやらせていました。

 小学校高学年になると、息子は自力で②ができるようになってきました。

 中学校になってやっと、息子は①から③まで、全て自力で出来るようになりました。

 小学校の間は、テストの時には①や②を、私に代わって「通訳」してくれる人はいないので、点数は散々でしたが、中学になってからは、一気に数学が得意になり、大学は理数系に進みました。

 なので、最初から①から③まで全て子供一人にさせるのは無理でも、子供一人で出来るところはさせてやり、できない所は親がフォローしてやる、という方法で、どんどん問題を解かせていくのが良いと私は思います。

 ①から③まで全て一人で出来るようになるまで、先には進めない、という状況だったとしたら、うちの息子など、高学年になっても延々、一桁の足し算引き算の世界にいたと思います。

 発達障害児の場合は、出来る事と出来ない事の差が大きいので、一から十まで完璧にできるまで先には進ませない、という教育方法だと、かわいそうだと感じます。

 出来ない部分は親がフォローしてやりつつ、出来る事はどんどん伸ばしていくのが、効率のよい教育方法だと私は思います。出来ない事も、発達が追い付けばできるようになります。それまで、出来る事を足踏みさせていては、だんだん勉強に対して興味も楽しさも感じなくなり、勉強が嫌いになってしまうと思います。

 

 話は変わりますが。

 算数を教える際、おはじき等を利用する方法も有効とは思いますが、私はもっぱら、紙に〇を書いて教えていました。理由はコメント欄のお返事のところに書きましたが、要するに、見て分かりやすいという事です。〇は、全てが一度に見れて、一目瞭然なのです。

 確かに、発達障害や教育の専門家の方は、「算数は計算ができる事が大事なのではなく、それが実生活に使える事が大切だから、紙上ではなく、おはじきなどの物を使って教えてやったほうがいい」というご意見を私もよく言われました。

 でも、実際に小学生の発達障害児が、簡単な足し算引き算以上の計算を、日常ですることはありません。例えば二桁以上の掛け算割り算を、小学生が日常でする事はまずないです。で、簡単な足し算引き算のレベルなら、別におはじきを使おうが、〇で書こうが、計算ができる子なら、どちらでも早い段階で理解しますし、日常でも使えるようになります。少なくとも息子はそうでした。

 

 息子が小学生だった時の、算数の教え方については、以上です。

 次回は引き続き、コメントのお返事の続きで「抽象的概念について、どう教えるか」を書きたいと思います。