書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

高校の行事ほぼ終了

 今日は、発達障害の息子の、学校行事について書きます。

 普段と違う事が苦手な特性を持つ息子にとって、学校行事は大きなネックでした。

 中学時代は、なんとか全行事参加していましたが、見るからに大変そうでした。幸い、担任の先生が理解のある良い方で、どの行事でも息子を的確にフォローして下さり、なんとか参加できた、という感じです。

 高校になると様々なことに自由度が増し、学校行事も「参加できる人は参加して」という雰囲気だったので、1年2年は半分ほどしか参加しませんでした。それでも別に何か言われることもなく、本人もクラスで居心地が悪くなる事もありませんでした。

 ところが3年になり、息子は大きく変わったのです。高校生活もあと1年、という事を本人が意識しだし、「卒業したらみんなと毎日会えなくなるのが寂しい」と言うようになりました。それに比例するかのように、学校行事は休まず参加するように。

 特に2学期は、校外学習や体育祭や文化祭など、行事ごとが目白押しなのですが、今のところ全行事参加。そして、中学の頃のように、しんどそうでもなく、むしろ、楽しく参加できています。

 例えば文化祭だと、事前準備の居残りも、当日終了後の後片付けも全部参加しました。当日は終日、模擬店や各クラスの催しや講堂でのパフォーマンスを楽しみ(帰宅後聞きました)、昼食も模擬店で色々食べたと。また、色んな友達に声をかけられたり、お菓子を貰ったり、飲み物を貰ったり、先生方とも沢山話したそうで、文化祭から帰って来た日は、目がキラキラと輝いていて、本当に楽しい一日を過ごしたのだと感じました。

 息子が、学校行事を楽しむ日がくるとは、思いもよりませんでした。何がどう変わったのでしょうか。これも成長の一部なのでしょうか。答えは私にも全く分かりませんが、とにかく、参加するのがあれほど苦手だった行事ごとが、息子の中では今では楽しくて仕方ないものに変わっています。

 発達障害でかかっている担当医からは、「大学になると行事ごとはなくなるから、大変なのは高校までだから」と慰めて(?)もらい、大学になるのを楽しみにしていた息子です。

 それが今では、「高校を卒業するのが寂しい」と言っています。

 発達遅滞を持つ息子にとって、高校生活を楽しめるぐらいまで精神的に成長したのが、今、なのかもしれません。

 そう思うと、もう少しゆっくりと学校生活を送らせてやりたかった、という気持ちも湧いてきます。というのも、私は、息子の小学校入学時に、教育委員会に「発達遅滞があるので、入学を先延ばしに出来ないか」と相談したのです。教育委員会の答えは「前例がないから駄目です」との事。前例がない、というのは、合理的な理由になるのだろうか、と疑問を感じましたが、それ以上ごねても結果は変わらず、息子は年齢ままに入学せざるを得なかったのです。

 でも、あの時、せめて1年、入学を延期できていたら、今息子は高校2年です。であれば、高校生活はあと1年残っています。精神発達にふさわしい時期に、高校生活を送らせてあげられたのに、と残念に思います。

 とはいえ。

 何もかも自分達の都合よくいくわけもありませんから、やるべき事はやり、駄目ならあきらめて別の策を探し、なんとかやっていくだけのことです。教育委員会教育委員会で、個々の子供の都合には合わせられない理由があるのでしょう。一人ひとりが個別対応を求めてきたら、応じきれない、というようなことなのでしょう。

 特に最近は、医療技術の進歩により、未熟児で生まれてもなんとか育つ子供が増えました。本来5月生まれのはずが、早産で3月に生まれた、というような子も多いです。そういう場合、本来の誕生日なら下の学年ですが、実際の誕生日でしか対応してもらえないので、一つ上の学年での小学校入学になります。ただでさえ未熟児で発達が遅く身体も小さいのに、更に一つ上の学年に入らねばならないという無理が、その子にはかかってきますが、それでも、入学延期はしてもらえません(知人の子がそうでした)。小さい体に、背中より大きなランドセルを背負って、かわいそうでした。

 その子も今は高校で、頑張っています。やっぱり体は小さいです。いろいろ考えてしまいますね。入学延期については、こちらの記事が詳しく書いて下さっています。お子様についてお考えの方の一助になれば↓。

早生まれだから小学校の学年を一年遅らせることはできるか - いつか朝日が昇るまで

 まあしかし。

 とりあえず、高校生最後の年になって、やっと学校行事を楽しめるまでに、息子が成長してくれた事を、素直に喜びたいと思います。息子も頑張った。

f:id:oinor-i:20190925174454j:plain