書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

発達障害者特有のしつこい絡み

  発達障害者が身内にいて、しんどい思いをする最大要因は、「長くしつこい絡み」だろうと思います。同じ事、同じ要求(非現実的で非合理的で絶対に叶わない要求)を、延々繰り返し繰り返し、誰か(たいてい母親)に訴え続けるというものです。

 全ての発達障害者がこの悪癖を持っているとは思いませんが、私が知る限り、かなり多いように思います。

 私のブログでも、ずいぶん前に書いた「発達障害児のしつこい絡みを解決する方法」みたいな内容の記事が、今でも常に閲覧上位に来ます。それだけ、発達障害児の絡みに苦しんでいる方が多いのだろうと思います。

 

oinor-i.hatenablog.com

 

 上記の記事にも書きましたが、私の息子は、以前はいったん私に絡みだすと、5時間も6時間もぶっ続けで絡み続けていました。全く同じ事を、延々繰り返し、私に言い続け問い続け、私から、息子自身が欲しい答えを得るまで、絡み続けるのです。でも、息子の要求はとても叶えられないものなので、私から望む答えを得る事は出来ませんから、絡みは永遠に終わらないわけです。

 本人は、自分のストレスを一人で抱えるのが苦しいので、私に絡む事で、精神的に私におぶさり、自分のストレスの重さを私に肩代わりさせます。なので、私に絡み続けている時間はずっと、息子自身はとてもラクで快適なのです。でも、話が終わってしまうと、また自分のストレスを自分一人で背負わなければならなくなるので、絶対に話を終わらせません。同じ事を何度も何度も繰り返し、永遠に絡み続けようとします。

 これは、感覚的には、薬物中毒と同じだろうと思います。誰かに絡む事=薬物接種、なのです。

 ただ、薬物中毒者は、薬物を止められないと、結局自分が弱り苦しむになるので、いわば自己完結です。その点、発達障害者の絡みはタチが悪い。絡みを止められなくても、本人には何の害もないからです。弱り苦しむのは、からまれた相手です。本人ではありません。

 他人に絡む事は、発達障害者にとってストレス回避であり、快感であり、自分には何ら害を与えません。だからこそ中毒になり、やめないのです。

 上記の記事に書きましように、息子の場合は、様々なアプローチを通して、何とか長時間の絡みを止めさせる事ができました。それでも、今でも、息子にストレスがかかっている時は、20分ほど私に絡んでくることがあります。今では30分をこえる事はまずないので、許容範囲だと思って様子を見ています。

 様子を見つつ、かつ、私への絡みが長時間にならないよう、細心の注意も払っています。まずは絶対に息子を否定しない事。どんなにおかしな事を言っていても「うん、そうだね」「その通りだね」と返します。

    例えば、明日は雨だと天気予報が言っていても、息子が「明日は晴れるよね」と確認してきたら(完全に雨だと知っていて、その事実に耐えられないので私を巻き込むわけです)、「そうだね」と返します。息子が「お母さん、雨だと言うと僕が怒るからわざと晴れだと言ってるの?」と聞いてくると、「そうだね。でも予報は予報だから、絶対ではないからね」と、息子が私に答えて欲しいだろうことを答えます。今だと、コロナ関連が多いです。「緊急事態宣言2月には終わるよね」とか。こんな質問に答えられる人間はいないと思いますが、私は答えねばなりません。息子が終わって欲しいと思っているようなら、「終わるよ」と、逆なら逆を答えます。

    とにかく、息子が私に絡むネタを次々とつぶしていくのです。それでも息子が話を伸ばそうと繰り返し同じ事を聞いてくると、段々イライラしてくるのですが、それでも絶対に「同じ事を言ってるよ」とか「さっき答えたよ」とは言いません。これを言ってしまうと、息子はこの言葉をネタに「お母さん、どうしてそんな事言うの。そんな事言わないで」と、更に絡んでくるからです。

 私はとにかく常日頃から、絶対に息子には注意しないし、否定もしません。指示もしないし、明らかに息子がおかしな事をしていても、あえて何も言いません。下手に注意をしたら、そこから息子の私への長い絡みが始まってしまうからです。

 こういう風に、細心の注意を払う事で、私は、息子の私へのしつこい絡みが始まってしまうのを、未然に防いでいます。これはこれで中々にストレスなのですが、しつこい絡みのストレスに比べれば、屁でもありません。何時間も絡まれると、本当に死にそうになりますから。

 最近、この「発達障害者特有のしつこい絡み」について書いておられるブログを、偶然拝読しました。勝手ながらご紹介させて頂くと、こちらのブログになります↓。(アフィリエイトを多く貼っておられるブログなので、ご紹介しても差し支えないかなと思いまして)

嗚咽するほど大泣きで電話してきた義母 | 第2子妊娠中に旦那の不倫発覚…義母もやばめ

 書いておられるのは、主婦の方で、ご主人のお母さん(義母さん)がものすごくしつこくご主人に絡んでくるとの事。義理実家とは離れて暮らしているのですが、一日何十回も電話してくる。根負けして出ると、同じ事を延々繰り返し訴えてきて1時間を超える。義母さんは、お嫁さんであるこの主婦の方にも電話してくるのですが、主婦の方は携帯が壊れたという体で出ない事にしたと。また、義父さんも義母さんには困り果てていると。この義母さんの他者への絡み方のしつこさが、全くうちの息子と同じで、背筋が寒くなりました。ああこれが、発達障害者の絡み方なんだな、と。

 とはいえ、この主婦の方は勿論、ご主人も義父さんも、義母さんが発達障害だとは気づいておらず、病院では鬱だと診断されたとか。読者から、発達障害ではないかと指摘され、もう一度診断を受けて、できたら入院させたい、と思っておられるようです。でも、発達障害のこういうしつこい絡みは、残念ながら入院では治らないと思います。ただ、物理的に距離を置く事で、その期間だけは絡まれずに済みますので、入院期間だけは周囲は息がつけますが。いずれにしても、義父さんもご主人も、義母さんに対してきちんと対応しようとはしておらず、日和見対応なので、状況は悪化しており、この主婦の方を悩ませています。

 義母さんの、他者へのしつこい絡みのせいで、周囲が疲弊してしまう様が、上記ブログにはありありと書かれていて、他人事ではないなあと思いました。

 上のブログの方は、不倫だ借金だとおどろおどろしい内容の記事を多く書いておられますが、結局のところ、家族に発達障害者が一人でもいれば、家族全員が巻き込まれて悲惨なことになっていくよい例(と言っても失礼ですが)だと感じました。うちも、表面的にはなんとか取り繕ってきれいに暮らしてはいますが、水面下では必死です。この整った暮らしを維持しなければ、失わないように頑張らねば、と。

 発達障害の他人へのしつこい絡みは、薬物中毒者の薬物と同じなので、最初から一切絡ませないという方法しか、解決策はありません。最初の最初に、発達障害者が絡んで来ようとした瞬間に、キッパリ拒否するのです。

 ただこれは、実際問題はまず無理です。特に発達障害児に対しては。話を聞く事を拒否するわけですから。子供の話を一切聞かずに育てる事になるわけで、これはこれで不都合が生じますから。

 発達障害というのは、本当に厄介な障害です。この「しつこい絡み」だけでも治れば、ずいぶん付き合い易くなるのです。しつこく絡まれるのが怖くて、私は息子に一定距離以上は近づけません。常に心で距離をとり、言うべき事も言わず、腫れ物に触るように接しています。

 以前は、息子にストレスさえなくなれば、しつこい絡みもなくなると思っていたのですが、そうではないようです。息子に全くストレスがない時でも、わざわざ何かしら絡む種を見つけ出してきては、絡んできますから。人に絡む事が快感で、やめられないのだと思います。 

 それでも日々は続いていきます。

 明日も頑張ろう。