書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

なりたくてなれるものではない

 先日、松本人志さんの「IPPONグランプリ」を観ていて、う~んと唸った言葉があったので、書いておきます。

 その時のお題は、「相手を傷つけないシリーズ:彼女の父親が目玉おやじだった時」(うろ覚えですみません)でした。彼女の家に行ったら、お父さんが(ゲゲゲの鬼太郎の)目玉おやじだった、という状況で、お父さんにかける言葉が大喜利。お父さんを傷つけない、という縛りあり。で、「左目なんですね」とか、「裸眼なんですね」とか、「頭に乗るのが上手ですね」とか、次々と大喜利が出てくる中で、誰の大喜利かは忘れたのですが、唸ってしまった大喜利がありました。

 「なりたくてなれるものではないですね」

 おおお!

 ちょっと泣きそうになりましたね、私は。人によると思いますが、このお題、「彼女のお父さんが、とんでもない障害者だった時」という意味にとれると思います。発達障害の息子を持つ私としては、息子の障害が、ものすごい落ち度というか、コンプレックスというか、辛さの極みというか、まあ、そんな感じで日々生きております。

 そこに、誰かが「発達障害って、なりたくてなれるものではないですよね」と言ってくれたら、その発想に、びっくりすると思う。いや、なりたい人がいないのは分かっていますが、それでも、「なりたくはないけど、なろうと思ってなれるものでもない」と言われたら、何かしら一抹の癒しをもらえた気持ちになります。

 もちろん、件の大喜利は、IPPONを取りました。

 あまりテレビを観ないのですが、この番組は、時折こういう驚くような視点をもらえるので、毎回観ています。

 そうそう、もう一つ、この番組で胸を打った言葉がありました。出場者に、不細工で有名な(失礼)アインシュタインの稲田さんが出ておられたんですね。でも、堂々とされておられた。「写真を見て一言大喜利を言う」というお題の時、稲田さんは1つもIPPON取れなかったのですね。その事について、アナウンサーの方が、「写真に恵まれませんでしたね」と慰めの言葉をかけたのです。そしたら、稲田さん、

 「写真に恵まれなかったとは言いたくない。この後も自分なりに頑張ります」と仰った。

 洒落を連発する大喜利世界の中で、そこだけジョークに流さず、キッパリ真面目に言い切った稲田さん。そしてその次のお題では、宣言通り、IPPONを連発されました。芸人魂というか、能力の高さを見せつけました。ここまでくると、顏がどうこうなんて、関係ないなあと思いました。そう感じたのは、私だけではなかったようで、最後に観客だった女優さんか誰かがコメントを求められていて、「稲田さんがかっこよかった」と仰っていました。歴々の売れっ子芸人さんが立ち並ぶ中で、一番が稲田さんだった、と。

 結局最後は、心構えの問題なんだろうと思いました。どんな事も。

 

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  もう一つ、覚えている大喜利があって。「ジャパネットたかだの神回、何があった?」というお題。かまいたち山内さんの大喜利が「(現在自粛中の)宮迫さんの地上波一発目の復帰がここだった」というもの。もちろんIPPON取りました。復帰前提だという事を、それこそ地上波の超人気番組で宣言されるところに、優しさを感じました。宮迫さんもきっと観ていて嬉しかったんじゃないかなあ。