書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

人を頭から否定すること

 常日頃からぼんやり感じる事なのですが、自分の経験値を絶対視して人を頭から否定する事は、とても気持ちのいい事なのだろうなと思います。

 そういう人が、けっこう多いと感じるからです。

 私の夫もそういう傾向があります。例えば、先日はこういう事がありました。長くなって恐縮ですが、説明します。

 

 我が家にはパソコンが3台あります。全部富士通の同じ機種なのですが、便宜上、古い方から一番、二番、三番と呼びます。私は、一番を日常的に使っています。古いと言っても、この一番ですら、まだ買って2年経ちません。

 ですが、この一番、プリンターのインクの減りに妙に敏感で、まだ少し残っている段階で「インクが足りなくなりました」という表示が出て、印刷ができなくなります。

 ここ一か月ほど、そういう状況になっていました。夫は、プリンター自体に「インクが完全に切れてもう本当に印刷できません」という表示が出ても尚、「後、1~2回は印刷できる」と言い張り、なかなか新しいカートリッジに入れ替えない人なので、「インクが足りなくなりました」程度では、絶対に入れ替えないだろうと分かっていました。また、いつも印刷できないわけではなく、出来る時もありました。出来ない時もあった、というわけです。

 ちなみに夫は、ケチとかそういうのではなくて、なんかこう、きっちり最後まで使い切らないと新しいものには取り換えない、という妙に頑固なこだわりがあるのです。

 だから、私は一番で印刷できない時は、2番や3番をわざわざ立ち上げて、そっちから印刷する事にしていました。これが本当に私にはストレスだったのです。自分では気づいていませんでしたが、相当イライラがたまっていたようです。

 で、先日、一番を使っていて、印刷する必要性が出て来たのですが、また「プリンターにインクがありません」表示が出て、印刷ができませんでした。またか、と思い、2番を立ち上げて、該当画面を出し、印刷をしたのですが、このたびは2番でも印刷が出来ません。マジで?と思い、3番を立ち上げて同様に印刷してみたのですが、3番でもできません。

 ちょうど夫が帰って来たタイミングだったので、これこれしかじかと説明し、「もう一か月前から、一番からは時々印刷できない。今日は2番も3番も無理だった。だから、本当にプリンターにはインクがない状態だと思うから、新しいカートリッジに取り換えて」と夫に言ったのです。

 そしたら、夫の答え。

「一か月前から、というのは、絶対にない」

 え?私が嘘をついているとでも?

「いや、本当に一か月前から、1番から印刷しようとすると、インクが足りない表示が出て印刷できないのよ。2番や3番からは印刷できたけど、1番からだけは、一か月前から出来なかった」と再度言ったのですが、夫は頑として、私の話を否定します。「一か月前から、というのは、絶対にない」と。

 そして、プリンターを見て、案の定、「まだあと1~2回は印刷できる」と言い張ります。

 私は、夫の見ている前で、1番から再度印刷をして見せたのですが、当然、「インクがなくなりました」表示が出て、印刷が出来ませんでした。それを見た夫は、しぶしぶ、確かに1番からは印刷できない事は認めましたが、それでもコピーならまだできる、と言い張り、カートリッジを取り換えようとしません。

 「いや、今すぐ取り換えてもらわないと、印刷できなくて困ってるんだけど。もう、私は一か月前から、この調子で、印刷できなくてストレスたまってるんだけど」と言っても、相変わらず頑として、「一か月前から、というのはあり得ない」と言い張り、私の話を頭から否定します。そして動かない。

 ここ、キレてもいいところかな、と思ったのですが、キレたところで自分が疲れるだけなので、印刷できないまま、やるべき事を淡々とやっていました。印刷できないので、ものすごくやりにくかったのですが。

 そこから、何があったのか細かいところは忘れたのですが、半日以上過ぎてからなのですが、私は夫が何気なく言った言葉に、「?」とひっかかったのです。夫は「そもそも、パソコンから印刷指示したら、プリンター自体は必ず動くから。インクがなくても。インクが本当にない状態なら、白紙で出てくる。パソコンから印刷指示してプリンターが動かない、という事はない」と、何気に言ったのです。

 いや、プリンター、動かなかった。ということは、どういう事?と私は、考えて、もしかして、一番PCから印刷できなかったのは、インク切れを感知したせいではなく、一番とプリンターとの間の接触不良か何かなのではないか?と気が付いたのです。画面にはいつも「インクが足りません」表示が出るので、私はインク切れで印刷できないものだと思い込んでいましたが、インク切れでも、プリンター自体は動くのだとしたら(最悪白紙で出てくるにしても)、プリンターが動かない=インク切れが原因、ではなく、プリンターが動かない=PCとプリンター間との接触不良、しか考えられません。

 私は、一番を再起動し、同時に、プリンターの電源を入れ直し、印刷してみたら、「インク切れてます」という表示は出るものの、印刷できました。ただし、インクがない色があったので、薄い印刷になっていました。やっぱり、接触不良でした。

 接触不良だから、一か月前から、印刷できなかったのです。出来る時もあったし、出来ない時もあった。印刷できないのは、インク切れが原因ではなかった。

 そして、プリンター自体は数か月前に新しいものに変えたのですが、そう言えば、新しいプリンターにしてから、印刷ができにくくなっていました。いつもは二番と三番からはできていたのに、今回は、二番も三番も駄目だったのは、もとはと言えば、プリンターのほうに問題があったからかもしれません。

 とまれ。

 私はその旨夫に告げ、「だから、私が一か月前から時々印刷できないって言ってたのは、嘘ではないと分かったでしょう。おおげさに言っているわけでも、勘違いしていたわけでもなく、事実印刷ができなかった。人の話をちゃんと聞かずに、頭から嘘だと決めつけるのはやめて」

 夫は、「嘘だとは言ってない」と言い張り、謝りません。まあ、謝らないのは分かっていたので、別にいいのですが。

 パソコンとプリンター関連は夫の領域で、この領域に関して夫は自分で管理しておきたい人なので、私はあまり手出しできない(例えば、勝手にカートリッジを取り換えたりすると、すぐに気づいて怒るとか)のです。

 管理したいなら、きちんと責任持って、状況を把握する義務もあると思うのですが。少なくとも使用者が、これこれしかじかでトラブっていると説明したら、内容をちゃんと理解し、問題解決する義務が、管理者にはあると私は思うのです。でも、夫は、管理はしたいけれど、下々(私)からのトラブルの訴えには、「くだらない」と決めつけてまともに耳を貸さない。人の訴えに耳を貸すって、面倒ですものね。気持ちはわかるけれど、勝手だなと思います。

 

 インク切れの表示が出てから、一か月も印刷できたりできなかったり、という事はあり得ない(インク切れの表示が出たら、数回で印刷できなくなる)。夫は経験値でそう知っていた。でも、一か月前から時々印刷できなかったという私の訴えも、事実でした。

 もし夫が、私の訴えを、「そんな筈はない」と頭から否定せず、ちゃんと耳を貸していれば、インク切れの表示と、印刷できなかった事実とは、無関係だという結論に、瞬時に思い至れたでしょう。

 でも夫はそうしなかった。なので、私はイラつき、問題は解決に至らないまま放置された。たまたま私がピンと来て、解決に至れましたが、私が気が付かなかったら、新しいカートリッジにしたとしても、また同じように、インク切れ表示が出て印刷できない状態が、起こり、私は問題の根幹が分からないまま、その場しのぎの不便を我慢し続けたでしょう。夫に怒りを覚えながら。

 

 人の話を聞かず、独断で相手の事を頭から否定するのは、とても気持ちがいいのだと思います。だから、夫のこの悪癖は直らない。

 相手は間違っている、自分が正しい、と断定するのは、心が安らぐ事なのでしょうか。私にはちょっと分かりません。安らぐ人もいるのかな。安らぐかどうかは別として、気持ちがいいのでしょう。だから、こういうタイプの人は、けっこう多いのだと思います。

 

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