どんな専門家の意見にも、100%の客観的な意見というものは存在せず、必ずその話者の主観がいくばくかは入るものです。
だから、人にアドバイスをもらう時は、何割かはその人の個人的意見が含まれていると思って、その分割り引いて聞く事が大事だと思います。
また、自分が人にアドバイスをする時も、「私は、客観的な事実を言っているつもりだけれども、私個人の主観を、実際には含んでしまっている」と、知っておくべきです。そして、相手が自分のアドバイスを受け入れない時、それは、おそらく「客観的な事実」の部分ではなく、少しだけ含まれている「私個人の主観」の部分に反発しての事なのだろうと知るべきです。
主観というのは、話者に都合のいい考え方であり、要するに話者のご都合主義であり、往々にして矛盾を孕んでいます。だから、反発されるのです。
道に迷った時、人は「絶対に正しい意見、絶対的に確かな見通し」を欲しがりますが、そういうものは存在しないのだろうと思います。
ある程度は正しいけれども、どこかに話者の主観が入る、そういうものを「絶対的真実」とは呼べません。
道に迷った時に、手に入れるべきものは、どこまでも行っても「事実」のみで、誰かの「意見」ではないのでしょう。その意見がどれだけ客観的に見えても、そこには話者の主観がどうしても入るから。
「事実」は自分に冷たいので、どうしても人は、自分に甘い言葉を求め、「事実」ではなく、誰かの「言葉」を求めます。それが悪いというのではないですが、本来求めるべきものは「事実」のみだという事は、分かっているほうがいい。そう思います。