新元号が決まりましたね。
令和。
いいですね。万葉集の梅の記述が出典だそうで、長い寒い時間を経て花開くという、なんとも縁起のいい、爽やかな元号です。早くなじみたいものです。
さて。
先日、新小学生のお母様から、ウチの息子の小1の頃の勉強方法についてご質問を頂きまして、コメント欄で解答させて頂いたのですが、よく考えたら、他の方にも見て頂いたほうがいいかなあと思ったので、記事にします。
ウチの場合は、週二で家庭教師を頼みました。
なので、使った教材は、家庭教師の先生が選んで下さったものです。といっても、街の書店で、普通に並んでいる小学一年生向けの教材です。それを、家庭教師の先生が、日々やるページを指定して下さり(ひらがな書き取り教材なら一日1ページとか)、普段の日は私と息子とで、その教材をこなしていく、という勉強方法でした。ウチの場合は、ひらがな数字はすぐに覚え、計算もわりとできました。
計算の教え方は、最初は〇を書いて、それを数えさせてやらせました。1+1は、〇を一つ書いて、更に一つ書いて、〇の数を数えさせて2だね、みたいな。それで、二桁や引き算もいけました。
なので、基本的な学力部分では困らなかったのですが、、、困ったのは「言葉の理解の遅さによる、読解力の無さ」です。
息子は、問題文の意味が、読み取れなかったのです。
だから、私が一緒に教材の問題を読んであげて、これはこういう意味だよと説明してあげればできるのですが、一人では問題文の意味が分からず、ぽかーんとしてしまっていました。
また、「絵」が何を指すのかも分からなかったのも困りました。小学校の頃は、試験にも「絵」がよく出て来たので。
例えば、犬の絵があって、「これは何ですか?ひらがな二文字で書きなさい」という問題でも、それが「犬の絵」だとは息子には分からないのです。動物だということすら、分かっていたかどうか、、。いぬ、という言葉も、それをひらがなで書く事もできるのに、その絵が「犬」だと分からないので、答えられない。こういう事が、小学校時代はよくありました。
問題文が読み取れないので、試験はいつも0点に近かったです。計算問題だけはパーフェクトでしたが。
私がやっていた事は、なので、学力面については学校の進度にあわせて教えながら、同時に、問題文のパターンを沢山教えて、その意味を暗記させるように努めました。「絵」を理解させることは、はなから諦めました。無理なので。高校の今でも、息子は「絵」が何をさしているか、あまりよく分かっていません。写真なら分かりますが、絵は無理です。先日、牛の絵を「犬」と言っていました(笑)。
(絵は絶望的ですが)問題文の意味が分かるようになったのは、中学になってからで、今思うと、だから中学になって急に成績が上がったのだと思います。
そういう意味では、お子様の理解力に合わせて(学校の試験の点数にはこだわらず)、基礎学力をつけてあげる事に専心されたらよいのかなあと思います。
今は、発達障害の特性に合わせた勉強方法についての本もいくつか出ているようですから、そういうのを見てみるのも良いかもしれません。思いがけないアプローチ方法が、お子様にピンポイントではまる可能性があります。
発達障害児の脳の情報受け取りの受け皿は、針の先ほど細い、と聞いた事があります。その針の先にスッと入る教え方をしないと、理解されない、という事です。なので、思いつく限りあれこれやってみる、というのが、遠回りなようで、一番の近道かなあと思います。
まあでも、これから小1になる段階であれば、じっくりゆっくりで大丈夫だと思います。一年生の間に、ひらがなカタカナ数字が書ける読めるようになって、簡単な計算の概念が分かるようになれば大成功だと思います。逆に言えば、そこまでいかなくても問題ない、子供の理解するペースに合わせて、様々な教え方を試しながら、大人側が焦らず気長に、じっくりゆっくり丁寧に教えていく、というのが、一番だと思います。
ウチの子は、小学校の間のテストは、一桁ばかりだったのです。高校生の今は逆に全教科100点近いのです。だから、焦らず急かさず、でも諦めず、丁寧に見て誉めて誉めて、というのがいい気がします。
勉強のことばかり書きましたが、実際、小1のスタート時点で一番気にしてあげないといけないのは、「学校に慣れること」だと思います。
ご質問くださった方は、支援クラスを選択されたので、サポートも手厚いと思われ、あまりご心配はいらないと思いますが、発達障害があっても普通クラスを選ばれた方も多いと思います。ウチもそうでした。
その場合は、新学期が始まるまでに、学校生活について、丁寧にお子様に教えてあげるのが、よいと思います。それについては、スカイさんのブログに詳しく載っていたので、勝手ながらご参考までに貼らせて頂きます。
発達凸凹がある子にとって、小学校・中学校へ入学する前の準備で大事なこと。 | スカイのブログ
一年生の間に、学校生活にスムーズに慣れる事ができたら、まずは何よりも素晴らしいことだと、私は思います。
最後に、支援級と普通級について少しだけ書きます。
ウチの子が小1の頃は、支援級に行くと、その後普通クラスへの移動は難しいと言われていました。が、今では、支援級のお子様が、普通高校、大学へ進学する事も可能な時代になりました(過去記事にも書きましたのでご参考までに↓)。
発達障害児の親にとっては、小学校入学にあたり、支援級にするのか普通級にするのかは、とても難しい選択だと思います。悩みに悩み、考えても考えても正解が見つからない、そういう難しさです。
でも、親が、子供の事をそれだけ悩んだ考えた、という事は、子供が成長したあと、必ず子供に伝わります。
ウチの息子も、今になって、「何故僕は障害があるのに、支援級に行かなかったの?」と聞いてきました。当時は支援級から普通級への移動のハードルが高かった、つまり支援級に行くと大学進学がほぼ不可能だった、支援級担当の先生に難があった、普通級でもサポートが受けられる可能性があった、勉強面については大丈夫そうだった、等を一つひとつ息子に説明したところ、「普通級で良かった。お母さん、沢山考えてくれて有難う」と言われました。
支援級にしても普通級にしても、親が悩み苦しんだ末に出した選択は正しいと思うし、親がそうやって悩んだ時間が、今後のお子様を支えていくことと思います。
新元号の年にご入学されるお子様は、とても幸先が良いですね。沢山のお守りがあるといいなあと思います(^_^)。