書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

病気であると分かると変わる

 昨年秋頃からずーっと、息子は今までになくピリピリしており、今まで以上に息子と話す時は細心の注意を払う必要がありました。

 息子と話す時は、言葉だけでなく、表情も、抑揚も、何もかも、息子の機嫌を損ねないよう、息子を不安にさせないよう、息子の心に少しでも波風たてないよう、私自身の感情など存在させずとにかく息子の心が平穏であるよう、徹底して心がけていました。

 それでも、息子自身の気持ちが落ちている時、不安定な時、ピリピリしている時は、全て私の対応が悪いせいだと責められ、何時間もからまれ、つらい日々を送っていました。本当にしんどかった。

 今はなんとか、まともな日々に戻れています。戻れた理由は何なんだろう?と考えた時、多分これかなと思う事があるので書き残しておきます。

 

 息子は生活の中でストレスが増えると、強迫神経症のような症状が出ます。これは以前からそうです。長時間、歯磨きしたり。閉じている冷蔵庫をいつまでも触って閉じている事を確認し続けたり。同じ事を何度も繰り返し確認してきたり。

 歯磨きや冷蔵庫は放置していましたが、私に対して不安事項を長時間繰り返し確認してくる相手をするのは、本当にしんどいものです。

 強迫神経症の方のブログを拝読すると、他人に確認したくなる気持ちも分かるのですが。それでも、相手をさせられるほうは死にたくなるほどしんどいです。同じ事をずっと繰り返し答え続けるのですから。聞くほうは、何度聞いても安心できず、不安で不安で永遠に聞き続けたくなるのだそうです。答えてもらったら、その瞬間だけ一瞬だけ安心できる。でも次の瞬間にまた不安がこみあげて来て、また聞くのだそうです。

 私が拝読した強迫神経症のブログの方は、主婦の方でしたが、野菜だろうが肉だろうが、買ってきた食材は全部何度も繰り返し水で洗わずにはいられないのだそうです。隅から隅まで繰り返し洗わずにはいられず、それだけで何時間もかかるのだとか。それから調理に入るので、食事の準備だけで半日たってしまうのだそうです。後片付けも同じで、洗っても洗っても安心できずずっと洗い続けるのだそうです。家事の全てがそんな感じで、夜寝る時間がないのだそう。夜中まで家事をして、夜明け前に朝食の準備の為に起きて食材を洗い続ける。こんなのおかしいと思いながら、止められないのだそうです。

 

 その方のブログを拝読して初めて、息子もこんな気持ちなんだなと思いました。

 息子は障害だけじゃなく、神経症という病気でもあるのだな、と。その事を息子にも言って、二人で神経症について調べたりして、担当医にも相談して、やっぱりそうだと。息子が私に絡み続けるのは、病気なんだと。

 ずっと障害だと思っていましたが、この部分は病気なんだと判明したのが大きかったです。

 障害と病気の何が違うかって、障害は治りませんが、病気は治るのです。息子自身には、これが障害故なのか病気故なのかは分からないようですが、「病気なんだ」と改めて思った事で、「自分でコントロールできるかも」と思えたようです。

 それから、私に絡みたくなった時は、まず最初に「病気をコントロールしよう」と思うようになったと言います。

 私のほうも、息子が絡んできた時は、「この子は病気なんだ。病人なんだ」という意識で相手をするようにしました。

 それで何がどう変わったのか、という具体的な部分は言葉では説明できず、申し訳ありません。ただ、何かが変わったのです。

 息子は私に絡むのを我慢するようになり、私は息子に対し重病人をケアするようなつもりで相手をしました。まるで看護師や医師になったかのように。親ではなく医療従事者になったかのように。

 

 結果、息子のピリピリはおさまり、今やっと、以前のような平穏な日々が戻って来たという事です。ちなみに歯磨きやら冷蔵庫確認は、早い段階で収まりました。

 ただ、今後も、ストレスフルな生活になると、息子はまた神経症を発症すると思うので、生活面で無理はさせられません。ここのところが本当に難儀。

 息子は彼なりに様々な夢があり、やりたい事がありますが、その全てにストレスはつきまとうからです。させてやりたいのは山々ですが、危険であることは間違いない。何を選んでも、息子には過剰なストレスになるでしょう。かといって、ストレスのない守られた環境では息子は納得できない。常に進路に迷う事になります。

 今は一時的に平穏ですが、進路を決める際に、ひと悶着あるでしょう。でも今から心配しても仕方ないので、今は何も考えないようにしています。

 とりあえず今、平穏である事に感謝します。それすらも無かったかもしれないのですから。ではまた。