書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

息子の薬

 発達障害ASDの息子は、薬は飲まずにやってきたのですが、昨年の後半から、飲んだほうがいいのでは、となり、飲むようになりました。

 ベースは、向精神薬のレキサルティを1.5mg/dayです。向精神薬は、幻覚や攻撃性、強迫性などを抑えてくれます。息子は、どれだけ私が丁寧に優しく接しても「お母さんが気に入らない。お母さんの言う事に腹が立つ」と言ってキレ散らかす事があり、ほとほと困り果てていましたが、これを飲むようになりかなり落ち着きました。

 まだ飲み始めて一か月も経たないので、1.5mgが適量なのかは定かではありません。普通は2~3mgだそうなので、もう少し飲んだほうがいいのかもしれませんが、少ない量でいけるならそれに越したことはなく少ない量から始めています。また向精神薬は飲んですぐには効かず、一定期間飲み続ける事で効いてくるので、現段階ではハッキリした結論は出せません。最初にあった副作用(ぼんやりして勉強がはかどらない)は、最近はなくなってきたそうです。副作用は2週間でなくなる人が多いそうです。

 向精神薬には依存性・耐性が無いため、常用する事に問題はなく、ある程度期間を飲み続けても効果が低い場合は、増量する事が可能です。

 更に頓服で、抗不安薬ソラナックスも飲んでいます。向精神薬を飲んでいてもどうしてもイライラの爆発が抑えられない時に服用します。ソラナックスの適量は1.2mg/dayですが、こちらには依存・耐性があるので、ごく少量の0.1mgを飲んでいます。一定期間飲み続けないと効果が出ない向精神薬に比べ、こちらはたった0.1mgでも、15分もすると効いてきて本当に助かります。キリキリと吊り上がった息子の目が穏やかになり、全く話しが出来ずキレ散らかしていたのが嘘のように、穏やかに話しが出来るようになります。

 向精神薬を飲むようになってから息子がキレることは稀になりましたが、それでも100%ではないので、抗不安薬の存在は心の支えです。頓服で少量飲む分には依存や耐性がつくことはないと医師からも言われており、その点でも不安がなく助かります。

 

 今後は、向精神薬の適量を見定め、抗不安薬の出番をなくす方向に進もうとしています。

 

 ずっと薬を飲んでいなかったのは、以前一度向精神薬を飲んだ時、副作用が嫌だと息子が強く言った為です。とにかく勉強が出来なくなると。それでのまずに来ました。

 でも、あまりにも息子のキレ散らかしが酷過ぎて、私が耐えられなくなり、私が一時的に実家に避難したほうがいいのではないか、という話になって初めて、息子が「それなら薬を飲むほうがいい」と言い出したのです。

 結果飲むようになって、息子自身が随分ラクになったようです。今まで、私の態度や言葉に腹が立っていたものが、実はほとんど幻覚だったと気が付いたとのこと。

 私が穏やかな表情をしているのに鬼の表情に見えたり、優しく話しているのに冷たく突き放しているように聞こえたり、だったそうです。でも薬を飲み始めてから、私の表情や態度や言葉が、ありのままで息子に伝わるようになりました。

 まさか、息子に幻覚があったなんて、私は思いもしなかったので、驚きましたが、一方で、なるほどと納得もしました。これまでずっと、「お母さんがニコニコしないから腹が立つ」とキレられていた理由が分かったというか。私はだって、ずっとニコニコしていたからです。これ以上笑えと言われても無理だというレベルで、一日中ニコニコしていたんです。なるほど幻覚で、ニコニコ顏が鬼の表情に見えていたんですね。

 発達障害の特性に、妄想・幻覚・幻聴などがあるそうで、向精神薬はこれらを抑える効果があるそうです。もっと早くから飲ませていれば、と思いますが、息子が頭がぼーっとするという副作用が嫌だと、この薬を拒否していたので無理でした。私が実家に帰るという状況を突きつけられてやっと妥協して飲む事にしてくれたので。そこまでいかないと無理だったです。

 あとは、さすがの息子も受験時は勉強がギリギリだったし、入学後の大学の定期試験も教科によっては苦戦していたので、この薬を飲んでいたら合格や進級ができなかったかもしれません。分かりませんが。

 今はもう大学では定期試験がない(研究のみ)なので、苦手科目を無理やり覚えるみたいなシビアな状況はなく、多少頭がぼんやりしてもやっていけるので、飲むタイミングとしては今しかなかったかもしれません。

 

 向精神薬をベースに、頓服として抗不安薬を飲む、この形にしてみて、初めて、息子とまともに話しができるようになりました。健常者の人と話すような感じでは話せませんが、それでも以前よりは話しが通じるようになりました。

 今までは本当に、何1つまともに話せていなかったんだなあと思います。

 とはいえ、発達障害者は薬を飲むべき、と思っているわけではありません。飲んだら色々うまくいくようになる、というケースもあるという事で1つのご参考に書いてみました。

 ではまた~