書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

下半身不随の女性のお話

 スノボーをしていて事故に遭い、下半身が不随になった女性が、自身のYouTubeチャンネルを使って発信をしておられました。若い綺麗な女性です。

 下半身不随の障害者としての生活について、知らない事を沢山知れました。

 自力で下半身を動かす事が出来ないので、移動は全て車椅子。椅子から車椅子に移る時も他人の力を必要とする。そういう不便な生活の中で、でも、一番大変なのが、「排泄」だと彼女は語っていました。

 腰から下の感覚が全く無いので、常に尿道カテーテルを入れており、その先をビニール袋に入れて尿を溜める。カテーテルは毎日新品に取り換えないと、腎臓にばい菌が入ってしまうのだけれど、決して安くはないので、経済的に大変だそうです。彼女は、数回は洗って消毒して再度使う事にしているそうです。毎日カテーテルを交換するのは、感覚がないので痛くはないけれど、毎回細かな傷が尿道についてしまうので、そこから菌が入る危険が常にあり。心が休まらないと。

 便のほうも、感覚が全くないので、いつ出るか分からないそうで、常にオムツをしているのだそうです。また、出ない事も多く、出ない時は3日に1回、下剤で強制的に出すそうです。出る時というのを調節できないので、その日一日トイレにこもったりするそうです。逆に、薬を飲んでも出ない時も多々あり、きばる、という事が出来ないので、そういう時は毎回、ビニール手袋を二重にして指を突っ込んで掻き出すのだそうです。

 また、外出時は、尿はビニールを車椅子に取り付ければ問題ないですが、便のほうはいつ出るか分からないので、オムツをつけて、更に漏れない特殊なズボンを履いて外出するそうです。それでも出てしまうと、臭いが強烈で周囲の人に多大な迷惑をかけるし、障碍者用のトイレで処理する時も、とても大変なのだそうです。

 彼女は、「もう一生歩けなくても構わない。歩けない事は、早い段階で諦めがついた。でも、排泄だけは、自分で調整出来ない事が本当に大変で、排泄の感覚だけは、なんとか戻って欲しいと思う」と語っておられました。

 

 若い美しい女性が、言いたくないだろうに、排泄の事をお話になって、その覚悟に胸を打たれました。

 下半身不随になる、というのは、こういう大変さがあるのだなあと、胸が詰まる思いでした。

 スノボーをはじめとして、様々なスポーツは危険と隣り合わせにある、という事を、私達は知るべきだし、障害者の方のご苦労を知り、少なくとも街でお見掛けした時は、自分の出来る精一杯の援助や配慮をしたいと思いました。

 今、普通に排泄できるという事が、どれだけ幸せなことか、私は忘れていました。

 

 何か楽しい事がしたい、生活にお楽しみが欲しい、喜びが欲しい、とついつい願ってしますが、何の問題もなく健康で一日が過ごせるという事が、どれだけ幸せな事か、改めて思い出しました。

 その女性に、感謝したいです。そして彼女の下半身の感覚が、リハビリや投薬で、少しでも戻ってくれますように、陰ながら祈ります。彼女の人生に、少しでも多くの喜びがありますように。