怒りは物理現象 - 書くしかできない

　今日もまた、しつこく「怒り」について考えています。「怒り」はもういいよ、という方は、スルーでお願いします。

　今朝夫に、息子の最新状況を説明した時、気付いた事があったんです。

　少し話しが長くなりますので、結論だけで良い方は、☆☆☆までスコロールして下さい。

　では始めます。

　夫に、最初息子の成長した部分の報告をして、次にネガティブな報告をしたんですね。ネガティブな報告は私も言いたくなかったのですが、言っておいたほうがいいと判断したんです。ポジティブ話の時は機嫌よく相づちをうちながら聞いていた夫ですが、ネガティブ話になった途端、無言無反応に変わり、なんなら席外しをしました。

　こういう事があると、以前の私は盛大に腹を立てたものですが、最近はぼんやり「は？」と思う程度。

　夫としては、息子についてのポジティブな話は聞きたいけれど、ネガティブな話は聞きたくない。とはいえ「ネガティブ話はするな」と言うのは身勝手だと分かっているから、それは言いたくない。言わずに私に察してもらおうと、無言無反応席外しという形で圧力をかけてきたわけです。

　圧をかけられたところで、話は途中なので、夫が戻ってくるのを待って、話を続け、一応話しを終えた後、「こういう話が聞きたくないならもう言わないから、そう言ってほしい。無言無反応だと聞きたいのか聞きたくないのか分からない。どちらかハッキリ言ってくれないと分からない」と言いました。

　夫は「聞きたくないわけではない。ただ、話が長いなと思って」と言うので、「結論だけなら○○だけど、○○と言われてもあなたは何が何だか分からないだろうから、経緯を説明した。それとも、わけがわからなくてもいいから、今後は結論だけ言おうか？」と尋ねたところ、夫は「経緯の説明にしても、無駄な話が入っていたから」と言う。私が「今の私の話の、どこが無駄な部分なのか教えて。私は必要な話しかしてないけど」と言うと、夫「もう忘れた」と。

　結局、ネガティブ話になった途端、シャットアウトして何も聞いていなかったんだなと思いました。不愉快だしストレスだから。私が言いたいから勝手に言ってるだけだから、気が済むまで言わせたらいい、自分には関係ない、と思っていたんだろうと思います。だから返事どころか相づちもうたず、無視無反応席外しが自然に出来たんだろうな。

　まあいいわ、夫に言ったところで、何の助けにもならないだろうし、言うだけこちらもストレスだから、今後はネガティブ話は言わない事にしよう、と自分の中で結論をつけて終わりました。

　その後、家事の続きがあったのでリビングにいたので夫の背中を見ざるを得ず、怒りとは言えないものの、何かもやもやした気持ちがあったのですが、家事を終え、自室に戻った途端、心がピカッと晴れやかになって我ながら驚きました。

　物理的に夫の姿が目に入らず、夫の見ているテレビの大音量が聞こえなくなったら、怒りの感情は消えるんだな、と。いつもの平常心に戻れるんだなと。

　怒りって、心理現象だと思っていましたが、もしかしたら物理現象なのかも、とふと思ったんですよね。

☆☆☆

　厳密に言えば五感は生化学作用、つまり物理現象ですよね。耳から入った音が鼓膜を震わせ脳に伝わり情報処理される。網膜にうつった景色が視神経を通って脳に入り情報処理される。結局のところ、怒りの源って物理的生化学現象。

　なぜこんな事を書いているかと言えば、神仏は「怒り」を感じないからです。

　なぜ神仏が怒りを感じないかと言えば、神仏の世界（見えない世界）には物理現象がないからだと思ったのです。物理的実態がない世界だから、物理現象である「怒り」は存在しない。

　なんとシンプルな。

　では、同じ「見えない世界」であるはずの餓鬼がなぜ悪をするのかと言えば、それは存在自体が「悪」だからだと思います。何かに怒って、その仕返しに悪をするわけではない。ただ、悪をするのが喜びだから、自分の存在意義だから、悪をしている。

　神仏が善の存在で、善をするのが喜びだから、存在意義だから善をしているのと同じですね。

　つまり、怒りを芯から手放すには、物理現象を遮断すればいい、という事だと思います。見ない、聞かない、触らない。極端な話、他者と一切関わらず、何の情報も得ず完全に物理的刺激を遮断すれば、怒りは存在しなくなる。

　でも人間は社会的生き物なので、他者と全く関わらずに生きていく事はできませんが、不用意に関わらない。不必要に関わらない。万が一関わってしまい、脳内処理の段階で怒りを生み出すような刺激に触れてしまった時は、できるだけ早くそこから物理的に去るのが賢明だと思います。

　物理的に刺激を遮断してしまえば、怒りは生まれない。生まれたとしても、大きくなる前に遮断を行えば、すぐに消えていく。

　あとは、不必要に人と関わらないという事を、自分が徹底出来るか否か、にかかってくると思います。人は、自分にとって都合のいい情報を求めて（自分を楽しませてほしくて）人と関わるわけですが、そこをスパッと諦められるかどうか。

　自分を楽しませてはほしいけれど、不愉快な思いはさせられたくない、というのは無理なので。

　怒りの源が物理現象であるのと同時に、楽しさの源も物理現象なので。

　楽しさだけを器用に感じるというのは、難しいと思います。だいたいが、自分が楽しい事は他者には怒りの源だったりしますから。例えば自慢話とか。愚痴とか。自己正当化とか。誰かに自分の嫌いな仕事を押しつけるだとか。誰かを自分の思い通りに動かそうとするだとか。自分を褒め称えさせようとするだとか。自分を認めさせようとするだとか。

　これらの行為は、やる方は楽しいけれど、やられる方は不快ですよね。

　極端な話、芸人さんのお笑いライブや、推しのコンサートは楽しませてもらえるけれど、金銭を払うという不愉快さがつきまといます。楽しい思いをさせてもらうには、不愉快な思いをしなければならない。無料で、誰かが自分を楽しませてくれる、なんて事は起こりえない。

　これは極端な話なので、普通は、バランスをとってうまくやっているからいいのですが。

　怒りを絶対に感じたくない、不愉快はノーサンキューという場合は、他者とできるだけ不用意に関わらない、物理的接触を避ける。それで平和に穏やかに生きていけるかなと思います。

　今朝ふと考えた個人的意見です。ではまた～