有吉佐和子さんのベストエッセイを読んだ。
彼女は1931年生まれなので、1950年頃から亡くなる1984年までに書かれたものだ。今から70年以上前という事になる。言葉づかいや社会風景、様々な事象に対する彼女の見方に、時代を感じる。
女性の地位がまだまだ低い時代のせいか、異様なほど鼻っ柱が強い。女流作家と呼ばれたらおしまい、等々、今の時代からすると「え?なんで?」と不思議になるような、でもなんとなく分かるような。一度はそこを通ったがしかし、もうその意地は不要なのだよと言いたくなるような。
美しい男性、という章に、中国に関する記述があった。井上靖などと共に北京や上海を訪れた時の話だ。彼女は中国に対して「まだまだ若い国なので、日本のように何もかも滅多矢鱈と持っている国から見れば、到らないところや未熟が目についた」と書いている。びっくりするほど上から語っているなという印象。当時の日本はイケイケだったのだから当然だろうが、冷静に考えてくれ、中国は資源の豊富な豊かな国、世界の大国なのだよ~と言いたくなる。かたや日本には頭の良い国民以外の資源がない。
全編にわたって日本は先進国であり豊かである、という大前提に立って書かれていて少々悲しくなった。当時はそう思われていたのだなあ。
彼女はベトナム戦争当時、アメリカに滞在しており、その時のことも書かれている。
記録によれば米国内では反戦運動が盛んにおこなわれたとなっているが、実際はそうでもなかったようだ。反戦運動が盛んにおこなわれたのは最初の頃だけで、だんだんと下火になっていったらしい。
その理由を彼女は様々な米国人に聞いているが、特に言論弾圧が行われたわけではないとのこと。「もうベトナム(戦争)から逃げ出したい」「最初はアメリカが悪い。しかし今となってはもはやどうする事もできない」「アメリカが危機に瀕していて、国を守るために戦うのなら、それは生命を投げ出すのも当然だけれど、なぜ朝鮮やベトナムのために死ななきゃならないのか私には分からない」彼等はそう語っている。
また、反戦運動をした学生の成績が低くされたり、航空会社社長令息が戦死したりといった話が流れ、ベトナム戦争について言及する事は「くちびる寒し」というムードを作っているとのこと。
今のイラン戦争も全く同じ。アメリカはずっと繰り返し同じ事をしている。他国を戦場にして戦争できるチャンスがあれば、するのだ。国民は最初こそ反対するが、段々と見て見ぬふりに変わり、戦争はうんざりするほど長引き、最後はアメリカが負けて終わる。そしてその間、儲ける人だけたんまりと儲ける。
時代は変わっていく部分と、永遠に変わらない部分とがあるのだと思う。

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