書くしかできない

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公認心理師受験資格の特例措置

 私は大変心の狭い人間なので、なかなか他人様の成功を喜べません。これは自分の大きな欠点の1つだと思っています。(ちなみに、一番の欠点は、他人を批判したくなりがちなところです。そして今日の記事は、この欠点出しまくりで書いております)

 

 突然、なぜこんな事を書いているかというと、先ほど、ある事で、ある人の話を耳にしたからでございます。

 その人は、私が苦手としている「自己啓発系の民間カウンセラー」さんですが、なんとなんと、今年、国家試験である「公認心理師の資格を取得された」そうなのです。

 

 公認心理師の資格を取得する前提条件に、「大学で規定の課目をクリアする」という点が必須なのですが、公認心理師資格が誕生してから5年間だけ、何故か分かりませんが、期間限定として、「現在、心理に関わる仕事をしている人は、大卒でなくても受験資格をあげましょう」という措置があったそうです。この特例措置は、今年2022年が最終年だそう。

 で、件の民間カウンセラーさんは、この特例措置を利用して受験資格を得、試験を受けたというこういうわけです。

 

 なんだか、、、、納得できない自分が悲しいです。

 この方だとて、特例措置で受験資格を得たとはいえ、試験は受けねばならなかったわけですから、試験勉強は必死でされたはず。だから、資格は努力で勝ち取ったわけで、私が複雑な気持ちになるのは、間違っている。

 偉いな、頑張られたんだな、そう思うべきなのに。

 

 多分、そもそも私は、その方の所属する自己啓発の考え方(というか教義)が、苦手だからだと思います。

 このブログでも再三書いていますが、「自分さえ幸せになればそれでOK」「やりたいことだけやりなさい。やりたくない事はやらなくていい」という、例のヤツなのです。

 んなわけあるか、というのが私の気持ち。その手の自己啓発のおかげで、多くの人が路頭に迷い、家族を不幸にしてきたと思います。本人は良かったでしょうけれど、周囲の人間は多大な迷惑を被った、その自己啓発の教えのせいで。私の姉もその自己啓発に心酔した一人で、だから姉の周囲の人間はみんな辛い思いをしたし、姉から距離を置きました。今、姉はとても孤独です。

 

 そんな自己啓発のカウンセラーさんが、国家試験である公認心理師資格を、その自己啓発のカウンセラーだったという経験を使って受けた、というのが、なんとも言えず、複雑な気持ちなのでございます。。。

 

 私がすごく嫌だなと思ったのは、その人の、姑息さかもしれません。公認心理師に、こういう期間限定の特例措置が有ることを見つけるや、これはいいと急いで受験資格を得て、こそこそ勉強し、無事に試験を受けた後に、「試験受けた」と発表する姑息さかもしれません。

 その人は、自身のブログに、日々の細かな日常を、それこそ子供や親(自分の親も、義理の親も)のプライバシーまでも開けっぴろげに書きまくっておられる人なのです。でも、公認心理師受験に特例があるよ、といった話は、一言も書いておられなかった。彼女のブログは、その自己啓発のカウンセラーさんはじめ、多くの民間カウンセラーさんが読んでおられるのに。。。

 2022年が特例の最終年で、その2022年の試験が終わってから、「実は、特例があって、私は受けたよ」とカミングアウト。

 それを今更言われても、彼女の読者である他のカウンセラーさんは、私も受けようというわけにはいかないわけです。もう特例措置は終わってしまったから。

 ただ、彼女の成功を、「いいな~」と指をくわえて見るしかない。その読者さん達に、彼女は「いいだろ~。私は賢いだろ~」と、資格取得を発表するという、、。

 このやり口が、私はとても嫌だったんですね。多分。

 

 彼女はブログでいつも、「カウンセラーの仲間みんなに助けられて感謝している」「みんなで一緒に頑張ろう」「みんなのおかげで私がある」等など、きれい事を書いておられるんですよね。

 本当にそう思っているなら、公認心理師受験資格特例措置などという超ど級の「美味しい話」を、民間カウンセラー仲間に広く教えてあげられたはずです。

 でも、教えなかった。ブログには一言も書かなかった。

 本来特例措置にあたる「カウンセラーとしての実績」は、福祉施設に働いている方々を限定しているようです。介護施設や障害者施設でのカウンセラーさん方が、本来の対象者だと、ネット記事には書いてありました。つまり彼女のような、自己啓発セミナー講師は、本来対象外なのです。でも、そこはお役所仕事で、本人がうまくそのへんごまかして書いた申請書類だけで「受験資格あり」としてしまったのでしょう。彼女としても、ここは綱渡りだったと思います。

 だから、自分のような「自己啓発講師」がこぞってこの特例措置に応募されては困ると考えたのでしょう。だって目立ってしまうから。お役所だとて、数が増えれば「おや?これは?」と、気付かれてしまうから。

 だから彼女は、自分だけが手続きし、勉強し、受験し、全てが終わってから報告した。それって、なんか、、、姑息ですよね、、。そもそもの心根、人間性として、心理士の適正があるとは思えなくて。以前からずっと思っている事ですが、こういう自己啓発セミナー講師さんって、人の上から物を言ってお金を稼げるから、心理士やってない?と思ってしまう。そうではないなら、本当の福祉的な気持ちから心理士をやっているなら、この特例措置の存在を、読者におしえてあげられたはずです。

 

 私は、この方が、公認心理師資格を取得した事を、腹立たしく思っているわけではないんです。この方が、試験が終わるまで、「特例措置で受ける事を内緒にしていた」こと、その「内緒にしていた事」に疑問を感じているんですよね。なんで内緒にする必要があったの?

 落ちると恥ずかしいから、ではありません。なぜなら、この方、試験を受けたその日に「特例措置で試験を受けたよ」とブログに発表しているからです。その時点では、当然合否は不明です。だから、それまで内緒にしていた理由は「落ちると恥ずかしいから」ではあり得ません。

 どう考えても、「他の自己啓発カウンセラーには、特例措置を受けられると気付いてほしくなかった」としか思えません。

 彼女は、受験報告のブログ記事で、「特例措置での受験を、よく思っていない人がいる事は理解できる」といけしゃあしゃあと書いておられました。でも、別に「特例措置で受ける事そのもの」を、不快に思う人はいませんよ。必要だから、そういう措置があるのでしょうから。

 私が不快に思うのは、「彼女が」その特例措置を「内緒で」利用した、という所だけです。彼女以外の人が、オープンに利用していたのなら、全く不快には思いません。

 彼女はそういう風に、自分への批判を一般化して広げて薄めるという手法を、使います。そういうところも苦手。私はただ「彼女」だけに不快さを感じているのであって、その他の特例措置受験者に対しては何とも思いませんからね。

 

 まあでも、その自己啓発カウンセラーさんだとて、頑張って勉強されたわけですから、資格取得を喜んであげねばならない、と理性では理解しています。どんな経緯があるにせよ、他人様の成功を素直に喜べる人間でありたいです。

 長々と書いてきてしまいましたが、とにかく「他人様の成功を喜べる人間でありたい」と自分に言い聞かせております。納得できようができまいが、人の成功は喜べ自分!と。力づくでもそういう人間になりたい今日この頃。

 ではまた~

 

 

追記:

ちなみに、下にご紹介している方↓のように、同業(特例措置資格保持者)の方に向けて自分の受験経過を、同時進行で開示されている方もおられます。こういう方の合格は、素直に心から喜べるのです。こういう心の広い方こそ、心理士の適性があると思います。(勝手にブログを貼らせて頂いてすみません。合格おめでとうございます)

【公認心理師】資格取得の流れ(1:追記)自身が「現任者」であることを確認する - 現任者による現任者のための「公認心理師」試験合格を応援するブログ。【Gルート】 (hatenablog.com)

 

追記の追記:

 でも、件の自己啓発カウンセラーさんが公認心理士資格を取ったからといって、その方のお仕事が上向きになるという事は、ないと思います。自己啓発全体が、今や完全に落ち目産業だからです。

 いつかこの方も、自己啓発に見切りをつけ、地道な普通のカウンセラーとして、どこかの施設で働かれるのだとしたら、それは良い事なのでしょう。その時はじめて彼女は、カウンセリングが必要な人間というのは本来精神的に病んでいる人である、という当たり前の事実を知るでしょう。

 

 自己啓発のクライアントは皆、精神的な病人ではありません。健康な人です。だから、カウンセラーが上から物を言っても耐えてくれるし、理屈も道理も通ります。

 実際、彼女はブログでハッキリと「私共のクライアント対象は、精神疾患や障害を持っていない人です。ガチの病人や障害者は他所に行って」と(言葉は選んでいますが)、書いていました。「まとに話の通じる常識的な健常者なら来てよし」と。いやいや、こういう仕事の仕方をしていて、「心理士業務5年やりました」と言っていいの?と疑問です。

 コメント欄で、彼女の記事に対し「あなたのような方法では、精神疾患のある人の病気が、より悪化するのでは?」といった疑問が入る事がありました。すると、彼女は必ず「だから、ウチは、病人や障害者は対象にしてませんから。前提が違うんですよ。ちゃんと記事読んでから、コメントして」とバッサリ切っていました。

 彼女がやってきた事は、精神的に健康な人が、より気持ちよくなれる為の言葉を与える事、それだけです。気持ちよくなりたいが為に、人は彼女に大金を払って来た。それをもってして、心理業務5年しましたと認められるんだろか。。

 今、彼女のブログを見直しましたが、上記の「ガチの病人云々」の記述は、消えています。やばいと思って、消したのでしょう。こういうところがねえ、、、。一言で言えば姑息。

 

 本来、精神的な病気を持っている人には、理屈も道理も通じませんし、上から物を言うなどという事は禁忌です。ただ傾聴し拝聴し受け入れながら、一方で病を癒やしていかねばなりません。それが本来の心理士の仕事。

 そして、本来のその大変しんどい心理士の仕事で得られるお金は、今現在彼女が得ているお金の十分の一以下でしょう。彼女のところの自己啓発セミナー受講料は、10日で100万なので 笑。受講者が20人集まると、10日で2000万になりますからね。税金払ってもまあ、凄い集金力です。

 かたや、たとえば福祉施設のカウンセリング料金は、一人あたり数千円の世界ですから。

 たとえ公認心理師の資格をとったところで、自己啓発セミナー講師として楽に簡単に大金を稼いできた彼女が、苦しい地味な真っ当な世界での心理士業が出来るとは思えません。自己啓発セミナー講師であれば「病人障害者お断り。対象外」とすましていられますが、心理士になるとそうはいきません。今まで避けてきた「病人障害者」こそが、対象となります。大変ですよ。しかも実入りは激減という。いや心理士って本来、そういうもんなんですけどね。

 

 だからまあ、ここまで考えると、試験お疲れ様、受かって良かったですねと、心から言う事が出来たりします。負け惜しみ極まりないわけですが 笑。でも、喜べた。よし 笑。