書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

息子の事少し。

 お盆休みですね。

 地方によっては、ご先祖様をお迎えする様々な行事やお飾り等があるようですね。趣があって素晴らしいとは思うものの、そのお家の主婦の方のご苦労を思うと複雑です。この暑いのに、、、、普段とは異なる特別なお飾りやら、お寺に行くやら、お客様をお迎えするやら、、、ああ大変。主婦以外の家族は楽しいでしょうけどね。真夏にそんな大がかりなおもてなしを毎年せねばならないって、主婦は大変です。

 ちなみに、ここ大阪市内では、特に何もしません。提灯を下げているお家を見る事もありません。お墓参りに行くぐらいです。味気ないと言えば味気ない。気楽と言えば気楽です。はい。

 

 さて我が家は、お盆明けに息子の大学の追試があるので、旅行も無しで、家にいます。息子は勉強しており、私はそれのお手伝いをしており、夫だけが自由に遊びに行ってます。はい、どうぞどうぞです 笑。今日は夫は、毎年恒例、伊勢神宮に行ってます。意外と空いているそうで、参拝客はまばら、しかも終日曇りで涼しく、参拝日和だと喜んでいました(ライン来ました)。

 

 少し、息子の今までのことを、まとめて書いておこうかと思います。

 息子は今20歳で、自閉症スペクトラムと発達遅滞を持っており、理系の大学に通って将来に向けて勉強中です。

 発達障害の診断は、2歳半でつきました。当時、知的精神面の発達が生後八か月、身体能力発達が1才半でした。中度の障害で、小学校入学は無理だと言われました。

 私立幼稚園に行きながら、いくつかの療育に通い、小学校は奇跡的に普通クラスでスタート出来ました。成績は最低でしたが、公立小学校だったので、そのまま公立中学に進学できました。中学に入った頃から急激に発達が周囲に追いつきだして、成績も上がり、高校・大学と、希望の路線を進んでいます。

 20年前は、発達障害というワードが今ほど一般的ではなく、私も知りませんでした。息子がそれだと知ってから、本を買い集め、専門家の話を聞きに行き、医師や療育先の先生の話を聞き、発達障害について勉強しました。

 それで分かった事は、専門家でも、発達障害の問題点については、何も解決策を持っていないのだ、という事です。

 当時の私には、知りたい疑問が3つありました。

 一つ目は、息子が将来どうなるのか? 自立できるのか? という事です。

 当時、育ちあがった発達障害児の例は、どこを探しても見つかりませんでした。どういう障害児を、どういう育て方をすれば、どういう大人になるのか、といった例も、見つかりませんでした。未来について、何も分からない状態でした。

 二つ目は、息子の発達を少しでも促すには、何をすればよいのか、です。

 これについても、確かな答えをくれる専門家も本も、見つかりませんでした。丁寧に接する、とか、療育に行かせる、等ぐらいしか。療育といっても色んな所がありますし、何が息子に必要なのか、分からないまま手探りで育てました。

 三つ目は、息子の癇癪やこだわりを、どうしたら減らせるのか、です。

 発達障害児は、過敏さや独特のこだわりを持っているので、育てるのが困難です。どうしたら激しい癇癪を起さずに育てられるのか、教えてくれる専門家や本は、ありませんでした。ただただ、親が忍耐せよ、という事なんだなと割り切るしかありませんでした。

 

 私の知りたい疑問について、当時は誰も答えをくれませんでした。それで仕方なく、自分が良いと思う子育てをしてきました。

 私が良いと思った子育ては、出来るだけ子供が笑って過ごせるように気を付ける事、出来るだけ子供の特性に合う環境を整える事、子供の「出来ない」を理解し、適切に支援する事、等です。これを、私自身も心がけたし、園や学校に対してもお願いしてきました。

 お願いするに際しては、病院の診断書が有効だったので、発達障害児は出来るだけ小さいうちに、診断をつけてもらうにこしたことはないと思います。診断がつくと、周囲から適切な支援を得るのに役立ちます。というか、診断がつかないと、少なくとも大阪市では、支援を得る事は不可能です。

 

 私が子育て真っ最中だった当時も、そして今でも、時々、私が過保護過ぎるんじゃないかと言われる事があります。そういう事を仰って下さる方のお子様は、100%健常児さんです。発達障害児に必要な支援は、過保護ではないのですが、健常者の世界には、過保護に見えます。だから、過保護だと叱られても、負けずに頑張るしかありません。

 

 あと、難しいなと思う事は、「頑張ってやらせるポイント」と、「出来ないと割り切ってやらせないポイント」の見分けです。

 とにかく発達が遅いわけですから、ぼーっと日々を過ごしていては、いつまでも現状が変わりません。適切に刺激を与え、発達を促していかねばなりませんが、前述したように、子供に合う刺激の与え方は、誰も教えてくれませんでしたので、私が子供を見ながら工夫して考えて、やってきました。

 でも、あまりそれをやり過ぎると、子供がつらくなって二次障害を起こす可能性もあるので、何をどこまで頑張ってやらせるか、何をやらなくて良いと割り切るか、この見極めが難しかったです。

 私だって、別に何か根拠があって見極めているわけではないし、誰も答えを教えてくれないし、先輩の実体験を知る術も皆無だったし、とにかく何も確かなものが無いまま、自分一人で考え考え、手探りでやってきました。

 ただ、何かを頑張ってやらせる時は、子供一人に頑張らせるのではなく、必ず私も一緒にやりました。それが、少々大変な事でも、子供が諦めずにやってくれた理由だと思うし、二次障害を防げた理由だと思います。

 

 今は、好きな勉強をやっていて、大学での人間関係にも問題はなく、相変わらず友達はいませんが(友達が欲しいと本人が思っていない)、相談できる人はおり、それなりに大学という社会で、ストレスなく生きています。

 少なくとも日本国内なら、一人でどこにでも行けるし、外食も買い物も、電車も飛行機も、特に困りません。それなりに常識もついてきました。

 息子の一番の問題点だった、「私に対する長時間のからみ」も、最近やっとなくなりました。これは本当に助かります。

 言えば分かってくれる。話が通じるようになったのは、いつからでしょう。少しづつなのでハッキリした時期は分かりませんが、とにかく今は、話せば分かってもらえるので、随分ラクになりました。

 

 これからも色々大変だと思いますが、今目の前にある問題を、1つひとつクリアしていく先に、きっと良い未来が続いていくと信じて頑張っています。

 

 今日は手短に、息子の事を書いてみました。

 台風が来るようですが、進路に当たる皆様は、どうぞご注意下さい。ではまた~