書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

脅しという万能ツール

 夏真っ盛りですね。

 家の中から見る夏空は、なんて清々しいのでしょう。明るい青が広がる中に、雲の白がクッキリ美しい。でも、これも、冷房の効いた部屋から眺めているから気持ちいいのであって、一歩外に出ると、なかなかの苦行です。暑い、、、。まあ、数分は暑さを楽しめたりもするのですが、数分ですね 苦笑。

 

 最近、「約束」や「助言」や「躾」の体をとった「脅し」について、考えています。

 例えばこういう事。

 先日、姉から電話がありまして。またしても母と喧嘩したらしい。母も姉も、自分の意見を相手に押し付けるタイプで、尚且つ、相手の意見は拒否するタイプなので、常に喧嘩しています。

 先日も、姉が実家に帰ったところ、母からアレコレ苦言を呈された(姉の素行が悪すぎるので)と。姉曰く「お母さんのせいで、その場の波動が悪くなった。だから言い返した」との事。以前姉は母に「二度と私に嫌な事を言わないで。言うんだったら、もう二度とこの家には来ないよ」と言い、母に「分かった」と言わせたそう。

 にも関わらず、母がまたしても姉に苦言を呈したので、姉としては「お母さんは約束を守らない」と怒っている。

 でもねえ。

 「嫌な事を言うんだったら、この家には来ないよ」と、87歳の老婆に言うのって、約束じゃなく、脅しだと私は思うんですよね。

 母からしたら、あれこれできなくなっていく年齢の中で、不安ながら一人暮らしをしているわけで、子供達に来てもわえなくなる=命の危機、に近いものがあると思います。

 姉は、それを知っていて、「私に来て欲しいなら、私が嫌な気分になる事は言わないと約束しろ」と迫ったわけです。母としては、「分かった」と言わざるを得ません。「嫌だ」とは言ったら、命の危機なわけですから。

 

 ちなみに姉の、「自分が不愉快になる=その場の波動が下がる」っていう表現には、苦笑してしまいます。ただの主観を、波動と言い換える事で、主観ではなく客観的な事のように見せられますから、彼女は多用してます。でも、実際は、ただただ母から苦言を呈され、不愉快になった、というだけの事です。「不愉快になった」と言えばいいのに、「波動が下がった」と言い換える。こういう事をしていると、本当に他人の意見を無視する人間になってしまいますね。少しでも不愉快になったら、「波動が下がるから」と聞くのを拒否するわけですから。「不愉快になるから聞きたくない」だと幼稚ですが、「波動が下がるからこれ以上は聞かない」だと、なんか高尚な事を言っているように見えます。こういう言い換えを、姉はよくやりますが、こういう誤魔化しは彼女をどんどん悪い方向に進めていると私は思っています。

 

 話を戻しまして。強者の立場で、弱者を脅すという話ですが。

 姉はこういうタチの悪い事を、よくやるんですよね。

 強者の立場で、弱者を脅して、自分に都合のいいように物事を運び、「私は幸せ」と言うんです。いや、それ、おかしいよね、といつも思う(姉には言いませんが)。

 例えば、姉は、娘に対しても、素行の悪さで迷惑をかけているのですが、それを誰にも言うな、と口止めしています。特に、「叔母さん(私の事)には絶対に言うな。言ったら親子の縁を切る」と口止めし、娘に「分かった」と言わせて、約束したつもりになっています。

 でも、それって、やっぱり脅しですよね。

 引きこもりの姪っ子は、家から出されたら生きていけませんから、家に置いてもらうためには、姉の言う事に従うしか選択の余地はないのですから。

 結局、姪っ子は私に姉の素行について愚痴をこぼしてしまい、それを姉に知られてしまい(問い詰められて姪自身が姉に正直に言った)、姉が激怒。「人との約束が守れない人間は最低」と、姪をヒステリックに罵倒したそうですが。

 だから、それって、約束じゃなくて脅しだから。姪っ子からしたら、約束したつもりではなかったと思うよ。

 母も同じ。脅されて、その場で無理やり「分かった」と言わされたからって、約束したことにはならない。

 

 こういう事、でも、姉だけじゃなく、姉に似た人達は、よくやっているなと思います。特によく見るのは、宗教とか占いとか、カウンセラー業界の人ですね。

 「私のところの占い(宗教・心理学etc)を学ばなければ、あなたは不幸になる(人生がうまくいかない)」みたいな言い方、よく見ます。

 これ、アドバイスじゃなく、脅しですよね。

 「私にお金を払わなければ、あなたは不幸になる」

 

 普通に、自分の人生を自信を持って生きている人は、こういうのを聞いても、「なんの根拠があって、そんな事を断言するのか?」と無視できますが、自分の人生に自信を失っている人は、「そうなのかも」と思わずお金を払いに行ってしまうわけです。

 脅しって、怖いですね。

 脅しに屈しないように、自分を強く持つ事が大事だし、また、自分自身も、知らず知らずのうちに、人を脅すような文脈で話していないか、気を付けないと思います。

 

 特に、子育て中の親って、子供を脅して躾けがちです。脅すと簡単に、親の言う事をきかせる事が出来るからです。暴力と脅しは、子育てにおいて万能です。だからこそ、この2つは、やらないように気を付けないといけない。

 何故ならば、脅しで子供が言う事をきくのは、納得して理解した結果ではなく、命の危険を感じた結果だからです。理解していないので、親にバレないように陰にまわってやるようになったり、親が怖くなくなる年齢になったら野放図にやりたい放題やるようになったりします。そうなってから、子育てをやり直す事はできませんから、親は頭を抱える事になります。

 

 誰しもが、他人を自分の思い通りに動かせたら、ラクですし、その方法として、脅しは一番効果が高いと言えます。

 脅している人間は、無自覚にやっている場合もあるし、うすうすこれは脅しかなと気が付いても、いや違うと蓋してしまっている場合もあるでしょう。

 脅しは、自分が相手よりも強者である場合は有効ですが、自分が弱者に回った途端に、逆に脅される立場に置かれます。

 子供はいずれ成長し、自分はいずれ年老いる。部下に対する脅しも、会社の経営が転んだら効かなくなる。老親を脅して弱らせたら、結局自分の首を絞める事になりますし。

 更に言えば、「約束」や「助言」や「躾」の体をとっていても、言われたほうはそれが「脅し」だと分かりますから、内心、脅してきた相手に強い嫌悪感を抱きます。心の中で、愚かな人だとバカにします。

 人間関係において、脅しは万能ツールですが、脅しを多用していると、人から「愚かな人間認定」を受けるので、使わないほうがいいと私は思います。私も、脅し文脈で物を言う人は、申し訳ないけれど、まともに付き合える人ではないと感じて距離を置きます。

 結局、脅しを多用する人は、孤独になっていくんじゃないかと思います。

 

  とはいえ。

 他人からどう思われようと、将来自分がどうなろうと、知ったこっちゃない、今この場で他人を自分の思い通りに動かせたらそれでいい、と考える人も、一定数いるのは事実。

 先日も、ジムのトレーナーさん(30代女性)が「若返りたい人は、このストレッチをやって下さい。若返りたくない人は、やらなくていいですよ」と仰っていて、心の中で苦笑しました。真顔で仰ってたんですよね。

 普通に考えて、およそ人間であるならば、若返りたくない人がいるわけないし、、。

 しかも、高額の会費を払ってジムに通っている人間なら、更にその傾向は強いに決まっているし、、、。

 「このストレッチは、ここの部分の改善に効きます」ぐらいを言えばいいのに、どうして「若返りたくない人は、やらなくていい」みたいな、逆に言えば「私の教えるストレッチをやらない人間は老いるけど、いいのね。老いるのは自己責任よ。自分が悪いんだからね」的な文脈を、言うんだろう、この方は。と思いました。

 この方は、こういう物言いが、癖になっているんですね。わりとよく、こういう事を仰るんですよ。常に誰かと頭の中で闘っているのかなあ、と思います。

 

 脅しとは違うのですが、「やらないほうがいい」事について、過去にも考えた事があったので、貼っておきます。

oinor-i.hatenablog.com