書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

「あ~あ」と思った事の後日談

 先日、通っている精神科クリニックに、息子が行きたくないと強硬に言い張った件の後日談を、今日は書きたいと思います。

 行きたくないと言い張ったその日と、その翌日の二日間は、行かなくていいという確約を私から得ようと、息子は何度も繰り返し、その話を蒸し返しました。

 いえ。

 私は初日の、息子が「行きたくない」と言ったその時に、すでに完全にキッパリと「行かなくていい」「別の病院を探す」と彼に告げているのです。

 息子は1ミリも努力しなくていい。行きたくないものを、無理に行く必要はない。そこまで嫌なら、無理すべきではない。行かなくていい。完全に絶対に行かなくていい。

 と、ハッキリと息子に断言しているのです。

 それなのに、その日も遅くまで。そして翌日も。息子はまるで私が「行かなきゃ駄目だよ」と言い続けているかのように、その話を蒸し返し、繰り返し、私を責め、行かなくていいと私に言い続けさせ、私の言い方が気に入らないとか、にこにこしながら言って欲しいとか、お母さんが疲れた顔しているのが気に入らないとか、〇クザのような難癖をつけ、延々その話を私に言い続けていました。

 

 行かなくていい、と言っているのに、それでも納得しないって、、、どうしたらいいの? 私はしつこいを通りこして、わけの分からない息子の執拗さに、恐怖に近いものを感じながら、それでも逃げるわけにはいかないので、つとめて冷静を保ちながら、繰り返し息子の相手をし続けました。丸二日間。

 

 そうして、三日目です。

 突然息子が、「僕、行こうと思ってるのに、お母さん分かってる?」と言って来ました。またしても、私を責める口調です。

 はい? え?

 

 そこからまた、息子の話は長かったので、流れは端折って結論だけ簡潔に書くとこういう事です。

①息子は、そのクリニックに行きたくないけれど、行かないといけない事は分かっているので、行くつもりでいる(僕はとても偉い)。

②行くつもりではいるけれども、同時に、行かなくてよい方法も考えて欲しい(別の病院を探す、お母さんだけで行っても問題ない方法を探す、等)

 

 要するに、息子の頭の中では、メインの決断は①である。②はサブである。①はもう決めている、でも、お母さんには②をしっかりやって欲しい。だから、お母さんには、②をずっと言い続けた。

 これを私は勘違いして受け取った。息子が②ばかり言うので、①は完全拒否なのだと思っていた。

 でも、私自身を擁護するわけではありませんが、息子は、①を強行に拒否したのは事実なのです。ガラスのコップをガラス窓に投げつけ、机をバンバン叩き、大声で叫び散らし、狂ったように暴れ散らして①を断固拒否したのです。

 決して、①を頑張ってみる、とは、一言も言わなかった。絶対に一言も言いませんでした。

 たとえ息子の頭の中で、①をやるしかないと諦めがついていたのだとしても、それを口に出してくれない事には、こちらには分かりません。

 息子が言い続けたのは、②だけです。どうやったら②が現実化するのか、私に説明せよ、計画たてよ、今すぐやれ、と要求し続けていたのです。

 

 それが、三日目に、手の平返したように、しれっと「最初から、行こうと思っていた」と、言う息子。

 彼に悪気がない事は分かっています。だからこそ、しんどい。これが発達障害コミュ力の欠如です。こういう事なんです。会話が上手に出来ないとか、そういうレベルではなく、根本的にコミュニケーションする能力が欠如しているのです。自分の頭の中で考えた事は、口に出して相手に伝えなくても、相手は理解すべきと思っている。

 う~ん。こう書くと複雑なことのようですが、複雑な話ではなく、相手に伝わっていない事など気にもしない、という事です。自分が考えた、はい、相手に伝わった、ぐらいの感じというか。「相手に伝わる」という概念すら無いというか。自分の頭の中が、そのまま相手の頭の中に、共有されていると思っているというか。

 説明できないので、このへんで止めます。

 

 とにかく。

 息子には、①を言う時は、これがメインアイディアだと言って欲しい、と伝えました。そして、②を言う時は、これはサブアイディアだと言って欲しいとも、伝えました。

 あなたは、嫌な①の話はしたくないから、①は何も言わず、自分にとって心地いい②の話ばかりする。こちらはその話の分量バランスからして(①は0%、②が100%)、②があなたのメインアイディアなのだと受け取る。

 話したくなくても、必ず、①を言って、これがメインだとハッキリ伝えて欲しい。その後なら、いくら②の話をしても、それがサブだと言ってくれる限り、こちらは勘違いしない。

 こういう事を息子に伝え、彼も理解したようでした。

 

 というわけで、精神科クリニックの予約日が来まして、息子と二人で行って来ました。いつものように1分診察+診断書の依頼をしても、あわせて5分もかからず。

 息子には事前に、「1分診察が終わった時点で、あなたは帰っていい。診断書の話はお母さんが先生にするから、その時はあなたはいなくていい」と言っていたのですが、息子が、「いや、最後までいて平気」と言うので、彼も最後まで(と言ってもせいぜい数分ですが)いました。

 先生の顔も見たくないのだったら、1分挨拶だけしてさっさと部屋から出ればいいのに、出てもいいと言っているのに、なぜ最後までいようとするのか、私には理解できません。逆に、最後までいられる程度の「嫌いさ」であれば、どうしてあれほど暴れ散らして「顏も見たくない」と言い張ったのか。

 息子の矛盾に、疲れ果てました。

 こういう事が、これからもずっと永遠に、続くんだろうなあ。発達障害児の親をやる、という事は、こういう矛盾に振り回され、疲れ果てる事なのだと思います。

 

 ただ、勿論当日、息子はかなりピリピリしていて、私も影響されて神経が疲れました。痛覚という痛覚が、身体の表面に飛び出た状態になったような感じ。でもとにかく、終わって良かったです。

 「あ~あ」と思った件の後日談でした。

 ではでは~