書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

引きこもりについて思う事

 先日来、友達とのランチが続いており、久しぶりで楽しいのですが、みんなの近況を聞くと、単純に楽しめない自分もいます。

 というのも、お友達のお子さんの数人が、引きこもり状態になっていると聞いたからです。

 姉の子供も引きこもりですし、こうも周囲に同じようなお子さんがおられると、引きこもりって、今や「普通」のことになったように感じます。特殊ではないというか。

 

 とはいえ、ご家族、特に母親にとっては、とてもしんどい事だと思います。まず、子供がずーっと何もせずに将来の展望も考えず、家にいるという事のしんどさがあります。また、自分には何もできない、自分が頑張ってもどうしようもないというしんどさもあります。更に、子供が引きこもりになったのは、自分のせいではないかという罪悪感故のしんどさもまた、あるようです。

 お子さんが引きこもりだというお母さんは、言いたい事が沢山あるようで、お一人など4~5時間ノンストップで喋り続けていました。聞くほうの私も、正直疲れたのですが、多少は気が紛れたならそれで良かったと思います。

 お子さんが引きこもりになる理由はケースバイケースで、一つにくくることは出来ないのでしょうが、今回私が聞いた数人の例は、意外なほど共通点がありました。どなたかの参考になるかもしれないので、一応書いておきます。

 

お子さんについては、

①程度の差はあれど、小学校の頃からいじめられていて、中学、高校に上がるにつれて段々ひどくなり、高校は保健室登校でなんとか卒業した。

②何らかの癖のあるお子さんで、発達障害とは言えないが、グレーではないかと思われる傾向がある。でも、病院にはかかっていないし、診断もついていないし、特別なサポートも受けていない。

 

また、お母さんについては、

①どちらかというと教育熱心だが、自分が子供に教えたり関わったりするのではなく、塾などを利用して他人に教えてもらうタイプ。

②「子供の為」と言いながら、実際にはやるべき事から逃げ、自分がしたい事だけしてきた(いる)ように見える。

③「普通より少し上」にいたがる。なので、他人はどうか?をとても気にする。

④お仕事なりボランティアなりで外で働いておられるが、その内容は皆さん共通して「他人(大人もしくは子供)のお世話」である。

⑤誰かが何とかしてくれるべき、と考えていて、腹がくくれていないように思える。

⑥ご主人に対しても、恨みつらみがすごい。憎んでいると言ってもいいレベル。離婚された人も。

 

 すみません。悪口みたいになってしまいました。あくまで今回私の受けた印象ですので、すべての引きこもりのお子さんのお母さんがこうだ、と言いたいわけではありません。

 長い長い愚痴を聞いている間、途中途中で、どうしたらいいか相談され、その都度できる限り精一杯考えて答えたりしたのですが、最後に別れる時、「今日、あなたから聞いた情報は、何一つ役に立たなかった」と言って来られた友達もいました。

 そうかもしれないけど、、、口に出さなくても、と思いました。それに、役に立つ情報を得る為だけに、私と会ったのだなと思ったら、なんだかげんなりしました。

 

 明らかに発達障害を疑えるお子さんのお母さんに、「病院に連れていったら?」と勧めたら、「小学校の時に、担任に確認したら、障害ではないと思うと言われたから必要ない」と答えが返ってきました。今、すでに成人しているお子さんです。更に「障害じゃなくても、今一時的に精神が疲れているのだから、病院の先生に相談してみたら?」と言ってみたら、「誰も、病院を紹介してくれないから行けない」との答え。「自分で探してみたら?」と言ってみたら、「え~?どうして私が?」と言われました。え、あなたのお子さんのお話ですよね、と思い、驚きました。

 いろんな人がいます。

 敷かれたレールの上に乗る事はできても、そこから外れた道を模索する事は出来ないのだなあ。特に、精神科や心療内科といった世界には、自分は関わりたくないと強く思っておられるのだろうなあ。誰かに強く勧められ、良い病院、素晴らしいドクターだと太鼓判を押して紹介されたら、行くのかもしれないけど、あくまで受け身。自らある意味子供の犠牲になって、恥をかき頭を下げて奮闘する気概は、ないんだなと思いました。 

 

 あと、共通しているなと思ったのが、将来に対する不安を自分一人で抱えている事が辛すぎて、誰かに「絶対大丈夫」だと保障してもらいたがっているという事です。

 一人のお母さんは、お子さんが大学受験に失敗した時、お子さん自身は「来年、もう一度チャレンジしたいから、浪人する」と言ったら、「絶対に来年受かるんだろうね。絶対だね。約束できるね」と詰め寄ったそうです。当然、先のことに対して「絶対」はないわけで、お子さんもそこまで言われると「自信がない」と答え、結局浪人する事も、再受験する事もなく、ずーっと何もせずに引きこもりになってしまったそうです。

 そのお母さんに、私が、励ますつもりで「大丈夫よ。きっとまた、やる気を出してくれるよ。何も言わず見守ってあげたら?」と言ったら、「絶対に大丈夫なんやね。じゃあ、念書書いてくれる?」と言われてしまいました。。。びっくり。

 

 先の事は誰にも分からないし、今、今日、やるべき事をやるしかないです。やるべき事が、自分の苦手な事であっても、やりたくない事であっても、やるしかないです。逃げたとしても、すぐに人生に悪影響は起こらないでしょうが、少しづつ人生が悪い方向に進んでいってしまいます。取り返しがつかない所まで行ってしまってから、ああやばい、と気付いても遅いです。

 

 今、何をやるべきか、が分からない時は、今一番やりたくない事をやればいいと思います。

 引きこもりのお子さんが、外に出かける気持ちになってくれるには、どうしたらいいのかな。元気になってほしいと願います。

 

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