書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

発達障害と「嘘」との関係②

 

oinor-i.hatenablog.com

 先日の記事↑の続きです。

 先日の記事で、①の「嘘をつかない発達障害者」の事を、良い事のように書きましたが、実は、嘘をつかない発達障害者にも、問題点はあります。私の息子が①に入るので、よく分かるのですが。

 嘘をつかない発達障害者は、相手に嘘をつかせる場合があります。

 発達障害者は、濃淡はあるにせよ、必ず自閉的な傾向を持っています。自分の考えや要求(自分の頭の中)の世界が正しく、客観的な事実(自分の外の世界)が間違っている、という風に考えるわけです。

 そして、自分の考えや要求と、客観的事実が異なる時は、自分が折れる諦める、のではなく、客観的事実のほうを、変えようとします。

 でも、これ、無理ですよね。事実は事実ですから。事実は変わりません。

 だから健常者なら、自分が折れるか諦めます。でも、発達障害者は、それが出来ない。自分は変われない。自分の外の世界を変えようとします。

 

 そこで、他人に嘘をつかせるわけです。

 

 具体的な例を挙げるとこういう事です。

 いつも同じ例を挙げて恐縮ですが、分かりやすいと思って、またしてもお天気を例にします。

 息子は、雨が嫌いです。天気予報が、明日は雨だと言うと、私に向かって、「明日は晴れだよね」と聞いてきます。私が、「いや、雨だよ」と答える間は、質問を止めません。壊れたレコードのように(古い表現 笑)、永遠に「明日は晴れだよね」と聞き続けてきます。いつまでも。根負けして私が「明日は晴れだよ」と答えると、質問するのを止めます。

 息子は、客観的事実として、明日が雨だという事は分かっています。でも、それが自分の望みと異なる為に、私に「明日は晴れだ」と嘘を言わせようとします。嘘など言われても、嘘なのだから、意味がないと考えるのは健常者。発達障害者の脳機能はバグを起こしている為、「架空話」を受け取れません。つまり、「嘘」だと分かって聞いても、脳が受け取る際には、「事実」に変換されるのです。

 発達障害者の特性として、自分に都合のいい事柄を「事実」として受け取ります。自分に都合の悪い「事実」は受け取りを拒否し、誰かに「自分に都合のいい嘘」を言わせて、それを「事実」とすり替えて受け取るのです。

 他の例としては、発達障害者が何か知りたい時に、ネットを延々検索して、自分に都合のいい情報だけ受け取り、自分に都合の悪い情報は見なかった事にしたります。健常者も、そういう行為はおかしいと分かっていてやることがありますが、発達障害者は、おかしいとも思わないのです。

 

 「嘘」に戻りますと、つまり、誰かに「自分に都合のいい情報」を、言わせようとするのが、発達障害特性なのです(個人差濃淡あります)。

 嘘を言わされるほうは、たまったもんじゃありませんが、発達障害者本人にも、この特性は害しかありません。

 なので、先日書いた①の「嘘をつかない発達障害者」が、良いかと言えば、微妙です。

 私は、奥様が①で、ご主人が②のパターンの組み合わせの、発達障害ご夫婦を知っています。奥様は、とにかくご主人に、自分に都合のいい嘘ばかり言わせる。ご主人は、とにかく奥様に、自分に都合のいい嘘ばかり言う。このご夫婦は、嘘で関係性を保っておられので、様々な問題が日々起こっています。

 

 あと、①の発達障害者は、人の嘘を、嘘として受け取れないので、簡単に人から騙されます。

 

 というわけで、①である私の息子にも、問題は多いのです。

 息子が私に嘘を言わせる件については、以前に記事にも書いたのですが「質問は神社で神様に聞いて、おみくじを引く(おみくじにその答えが書いてある)」という方法で解決しました。

 息子が他人に騙されやすい、という件については、とにかく日常的に沢山話すようにして、少しでも「ん?」と疑問に思ったことは、突っ込んで聞き、騙される事を未然に防ぐようにしています。本人にも、「少しでも疑問に感じたら、何か行動を起こす前に、まずお母さんに相談して」と言ってあります。

 なので、息子は日常的な何もかもを、私に言う習慣がつき、騙されかけても引っかからずに済んでいるのはいいのですが、私の日常で、息子の話を聞く時間が異様に長い、面倒くさい、という難点があります(が、頑張って聞いています)。

 息子も、私に話す事で、自分の日常を客観的に捉え直す事ができるようで、危ない事や怪しい事を、自力で見分ける力がついてきました。どういう時に、人は嘘をつくのか、という事も、だんだんと分かってきたようで、頑張ってくれ~と願うばかりです。

 息子の脳は、「嘘」を「嘘」とは受け取れないので、嘘か本当か、という区分けではなく、「受け取っていいか、いけないか」という区分け処理でやっているようです。

 事実は「受け取っていい話」。嘘は「受け取ってはいけない話」というわけです。事実か事実じゃないか、と言い出すと、わけが分からなくなるそうです。不思議です。

 

 では、今日はこのへんで。

 

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