書くしかできない

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発達障害と「嘘」との関係①

 最近、発達障害のある成人の方に会う機会が少しあって、それで思ったのですが、発達障害者と「嘘」との関係は、健常者と「嘘」との関係と、大きな違いがあるなあと思います。

 発達障害者を「嘘」というカテゴリーで分けると、

1、ほとんど嘘をつかない人

2、考えられないような嘘を平気でつきまくる人

の、二極に分かれるように思います。

 健常者も嘘はもちろんつきますが、2の人達の嘘のつき方は、健常者と比べ物にならないほど極端に多いです。

 

 順番に書いてみます。

 1のほとんど嘘をつかない人は、そもそもの発達障害の特性そのままに育った人達だと思います。うちの息子もこれに含まれます。

 発達障害がある人は、濃淡はありますが、文脈の行間を読む事ができません。他人の心を読む事もできません。分かるのは、自分の頭の中にある事だけです。小さい頃は、この「頭の中」には、自我しかなかったわけですが(自閉傾向)、成長に従い客観的事実も頭の中に、多少は入ってきます。でも、そこまで、で、事実と事実の間の行間とか、他人の気持ち等は、頭の中には入りません。簡単に言えば、想像力の欠如、と言えるかもしれません。

 なので、発達障害者は、濃淡はありますが、「架空のお話」が理解できません。洒落もジョークも分かりません。

 「架空のお話」の延長線上に「嘘」があるわけです。だから、発達障害者は、「嘘」が理解できないし、自分でも言わないわけです。

 

 一方で、不思議な事に、2の「考えられないような嘘をつきまくる」発達障害者の方もよくおられます。これは、何故なのか。

 最近お話しした方から伺って、ああ成る程、と思ったのですが、発達障害児に困難が多いと、「嘘つきまくる」特性が、二次障害的に出てくるそうです。

 発達障害児というのは、周囲に障害特性を理解してもらい、様々な支援や配慮を受けながら育てないと、大惨事になります。発達障害児には、「年齢相応に出来ない事」が山のようにあり、大なり小なり自閉を持つのでいわゆる「自分勝手」に見え、障害特性を周囲に理解してもらって許してもらい、かばってもらい、支えてもらう必要が絶対にあります。

 発達障害の別の大きな特性として、「怒られたくない、自分の間違いを指摘されたくない」なんなら、「指示されたくない、アドバイスされたくない、自分に対してあれしろ、これするなと言われたくない。とにかく責められたくない」という特性も持っています。

 出来ない事が沢山あるのに、それを指摘されたくないし、間違う事が日常茶飯事なのに間違いを指摘されたくない、普通に指摘されても耐えられない、優しく指摘されても無理、という特性なのです。厄介です。

 しかも、発達障害の更なる特性として、先の見通しをたてるのが苦手、ときています。「今」しか分からないのです。

 これを総合しますと、障害を認めてもらえずに育つ発達障害児は、出来ない事が多い。障害を認めてもらっていない為に配慮してもらう事もない。よって、間違いを責められる機会がとても多い。でも、特性として責められる事に耐えられない為、「嘘」をついてごまかすという手段をとるようになるのです。その場限りの「嘘」です。とにかくその場で自己正当化の嘘をついて、その場だけでも責められなければそれでOK。何故なら、先のことなど、頭にないから。

 しかも、「架空の話」が理解できない脳なので、自分の嘘を、自分の頭の中では「事実」として認識してしまいます。これが本当に厄介。

 あとで、周囲から事実を突きつけられて、嘘がバレても、自分はそれを事実だと思い込んでいる為に、嘘だと認める事ができないわけです。でも、自分の頭の中の事実と、目の前に突きつけられた客観的事実とは、異なっている。そして、相手は、客観的事実をもとに自分を責めてくる。

 キレるしかないですよね。キレ散らかすわけです。大上段に立って、我こそは正しいのだとマウントを取り。発達障害が避けられる理由の1つは、これだと思います。

 小さい頃は、「また嘘をついて」と呆れられこそすれ、さほど問題視されないこの「嘘つき癖」も、大人になるとそうはいきません。職場でも、家庭でも、信用を失い、「信じられないような嘘をつく人」「言う事がコロコロ変わる人」と馬鹿にされ、居場所がなくなり、孤立していくのです。

 

 というわけで、やはり発達障害児を育てる際には、できるだけ早いうちから障害特性を確認し、配慮や支援をしてやりながら育てる必要があると思います。そうして育ててもらえれば、本来、発達障害者は、とても正直な、嘘と無縁な人達です。冗談が通じなくて「え?」と思う事はあっても、「絶対に嘘はつかない人」として言葉に信頼がおける人達です。

 もし、嘘が癖になっている発達障害者と関わる事がある方は、それには育った事情があるのだという事を理解して、できるだけ嘘を責めないようにしてあげるしかないと思います。本人はそれを嘘だとは思っていないので、責めたところで、逆キレが返ってくるだけですし。これは、発達障害だけでなく、ある種の精神疾患の方にも、共通することだと思います。何らかの、心に弱さを持つ人には、責めない、という事が大事なのだと思います。責めたって意味がないので。

 今日はこのへんで終わります。

 

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