兵庫県立美術館の、二人のアアルト展に行って来ました。
ご夫婦ともフィンランドのデザイン建築家で、協力して活動されました。建築家と言っても、建物だけではなく、家具や食器まで、家全体のデザインをされています。北欧デザインの良さを感じてみたく、いそいそと出かけてみました。
入口。
入口で上を見上げると、奇抜なカエルのオブジェ。
エントランスは、スタイリッシュで長い。兵庫県立美術館は安藤忠雄氏が作ったそうで、あちこちに「らしさ」が漂っていました。
入口入って右が、アアルト展。予約時間にまだ余裕があったので(コロナの為、事前予約が必要です。空きがあれば予約なしでも入れるようですが)、左にあるカフェで、ランチをする事にしました。
ほぼセルフサービスのカフェ。サンドイッチと飲み物で800円。安いんじゃない?
最初、屋内にいましたが、外が気持ちよさそうだったので、途中でテラスに出ました。
暑い事は暑かったですが、海風が涼しい。目の前が海なのです。
テラス横には、涼しそうな一角も。
テラス自体が日陰。他にお客さんはいませんでした。
人がいないカフェって落ち着くんですよね。パンプレットを見ながら、結構長々とまったりしました。
ちなみに、パンフレットに載っていたマップ。
予約時間が来たので腰を上げ、本日目的のアアルト展へ。
チケット売り場で予約番号を告げ、チケットを買い、3階までエレベーターで昇ります。3階から、吹き抜けを通して下を見たところ↓。安藤建築っぽさ満載。黄色の飾りはクルクル回っていました。
アルト展に入りました。まずはは、入口にあった「ご挨拶」を読みました。
奥様のアイノさんのほうの説明書きのみ撮ってみました。この時代の女性建築家の走りだったようです。
ご夫婦は、この水辺の家で暮らしたそうです。超有名建築家にして、この質素な家!でも水辺で、小さな平屋で、森の中。心地よい暮らしが想像できます。
ご夫婦は、家だけでなく、公共の建物のデザインも沢山されたようです。図書館とか、結核のサナトリウムとか。
凄いなと思った結核のサナトリウムの説明書きを、撮影してきたつもりだったのですが、残っていません、、、。記憶で書きますと、当時のサナトリウムというのは、普通の病院の入院病棟と同じだったのですが、ご夫婦は、「快適な環境でないと病気は治らない」という信念のもと、たっぷりの通風、陽光、清潔、使いやすい家具、寝具、他人と快適に共同生活が送れる工夫、外気浴出来る広いテラス等々、をサナトリウムに採用されたそうです。
その一例として。
等々、、、。もっと沢山あったのに、撮ったつもりで撮れていませんでした。残念。
カウンターの下の床を斜めにする事で、埃をためない工夫とか、凄いなと思いました。
ご夫婦が活躍されたのは、今から100年くらい前のこと。その時代に、病人の快適さに対して、ここまでこだわったというその思考に方向性に、私は感動しました。
当時の日本だと、社会に害を及ぼさないように、結核患者はとにかく隔離しておけ、みたいな方向だったのではないでしょうか。
北欧は福祉国家です。日本は経済国家です。この違いは、国民の思考の方向性の違いだと思います。
私は今まで、「素敵なインテリア」というのは、「スタイリッシュでハイセンスなインテリア」の事だと思っているふしがありました。
でも、このアアルト夫妻のインテリアデザインは、そうではなく、住人が気持ちよく過ごせるインテリアなんですね。これが、世界で北欧デザインが人気になる理由なのだと思いました。
シンプルで使いやすく、かつ見た目に楽しい食器もデザインされています。ザ北欧。
とはいえ、アアルト夫妻の代表作と言えば、一枚木でつくられた家具でしょう。
木を曲げて家具を作る理由は、特に椅子など、体に当たる部分が継ぎ目のない木である事に、快適さを求めたからでした。
↑座面、塗装が黒いですが、木です。
どうやって、木を曲げるかというと、木に細い穴を沢山開けていき、そこに別の薄い板を刺しこむ事で、柔軟性を出すのだそうです。
この作り方は、特許を取られたそうです。
制限時間1時間という事だったので、ギリギリまで堪能しました。日本の建築や日本の家具にも良さがありますが、北欧家具もまた、北欧らしい良さがありますね。木を存分に使うという部分や、シンプル イズ ベストの考え方に、共通するものを感じました。
美術館のお隣りは、海浜公園のようになっていました。暑いのでさ~っと通り過ぎただけですが、良い季節には和める場所なんだろうなあと思いました。
美術館外観。
お土産にトートバックを買いました。1500円。大きくてしっかりした作りのわりにはお手頃価格(笑
ではまた~