書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

兵庫県立美術館 二人のアアルト展

兵庫県立美術館の、二人のアアルト展に行って来ました。

アイノとアルヴァ二人のアアルトフィンランド—建築・デザインの神話 ...

 ご夫婦ともフィンランドのデザイン建築家で、協力して活動されました。建築家と言っても、建物だけではなく、家具や食器まで、家全体のデザインをされています。北欧デザインの良さを感じてみたく、いそいそと出かけてみました。

 入口。

f:id:oinor-i:20210721085611j:plain

 入口で上を見上げると、奇抜なカエルのオブジェ。

f:id:oinor-i:20210721085637j:plain

 エントランスは、スタイリッシュで長い。兵庫県立美術館安藤忠雄氏が作ったそうで、あちこちに「らしさ」が漂っていました。

f:id:oinor-i:20210721085707j:plain

 入口入って右が、アアルト展。予約時間にまだ余裕があったので(コロナの為、事前予約が必要です。空きがあれば予約なしでも入れるようですが)、左にあるカフェで、ランチをする事にしました。

 ほぼセルフサービスのカフェ。サンドイッチと飲み物で800円。安いんじゃない?

f:id:oinor-i:20210721085731j:plain

 最初、屋内にいましたが、外が気持ちよさそうだったので、途中でテラスに出ました。

f:id:oinor-i:20210721085807j:plain

 暑い事は暑かったですが、海風が涼しい。目の前が海なのです。

f:id:oinor-i:20210721084833j:plain

 テラス横には、涼しそうな一角も。

f:id:oinor-i:20210721085945j:plain

テラス自体が日陰。他にお客さんはいませんでした。

f:id:oinor-i:20210721090059j:plain

 人がいないカフェって落ち着くんですよね。パンプレットを見ながら、結構長々とまったりしました。

f:id:oinor-i:20210721090021j:plain

ちなみに、パンフレットに載っていたマップ。

f:id:oinor-i:20210721090037j:plain

 予約時間が来たので腰を上げ、本日目的のアアルト展へ。

 チケット売り場で予約番号を告げ、チケットを買い、3階までエレベーターで昇ります。3階から、吹き抜けを通して下を見たところ↓。安藤建築っぽさ満載。黄色の飾りはクルクル回っていました。

f:id:oinor-i:20210721084918j:plain

f:id:oinor-i:20210721084933j:plain

 

 アルト展に入りました。まずはは、入口にあった「ご挨拶」を読みました。

f:id:oinor-i:20210721085101j:plain

 奥様のアイノさんのほうの説明書きのみ撮ってみました。この時代の女性建築家の走りだったようです。

f:id:oinor-i:20210721085021j:plain

f:id:oinor-i:20210721085045j:plain

 ご夫婦は、この水辺の家で暮らしたそうです。超有名建築家にして、この質素な家!でも水辺で、小さな平屋で、森の中。心地よい暮らしが想像できます。

f:id:oinor-i:20210721084946j:plain

 ご夫婦は、家だけでなく、公共の建物のデザインも沢山されたようです。図書館とか、結核サナトリウムとか。

 凄いなと思った結核サナトリウムの説明書きを、撮影してきたつもりだったのですが、残っていません、、、。記憶で書きますと、当時のサナトリウムというのは、普通の病院の入院病棟と同じだったのですが、ご夫婦は、「快適な環境でないと病気は治らない」という信念のもと、たっぷりの通風、陽光、清潔、使いやすい家具、寝具、他人と快適に共同生活が送れる工夫、外気浴出来る広いテラス等々、をサナトリウムに採用されたそうです。

 その一例として。

f:id:oinor-i:20210721085531j:plain

f:id:oinor-i:20210721085507j:plain

f:id:oinor-i:20210721085445j:plain

等々、、、。もっと沢山あったのに、撮ったつもりで撮れていませんでした。残念。

 カウンターの下の床を斜めにする事で、埃をためない工夫とか、凄いなと思いました。

 ご夫婦が活躍されたのは、今から100年くらい前のこと。その時代に、病人の快適さに対して、ここまでこだわったというその思考に方向性に、私は感動しました。

 当時の日本だと、社会に害を及ぼさないように、結核患者はとにかく隔離しておけ、みたいな方向だったのではないでしょうか。

 北欧は福祉国家です。日本は経済国家です。この違いは、国民の思考の方向性の違いだと思います。

 私は今まで、「素敵なインテリア」というのは、「スタイリッシュでハイセンスなインテリア」の事だと思っているふしがありました。

 でも、このアアルト夫妻のインテリアデザインは、そうではなく、住人が気持ちよく過ごせるインテリアなんですね。これが、世界で北欧デザインが人気になる理由なのだと思いました。

 シンプルで使いやすく、かつ見た目に楽しい食器もデザインされています。ザ北欧。

f:id:oinor-i:20210721085003j:plain

 とはいえ、アアルト夫妻の代表作と言えば、一枚木でつくられた家具でしょう。

 木を曲げて家具を作る理由は、特に椅子など、体に当たる部分が継ぎ目のない木である事に、快適さを求めたからでした。 

f:id:oinor-i:20210721085137j:plain


f:id:oinor-i:20210721085121j:plain

f:id:oinor-i:20210721085152j:plain

f:id:oinor-i:20210721085210j:plain

↑座面、塗装が黒いですが、木です。

 どうやって、木を曲げるかというと、木に細い穴を沢山開けていき、そこに別の薄い板を刺しこむ事で、柔軟性を出すのだそうです。

f:id:oinor-i:20210721085341j:plain

f:id:oinor-i:20210721085406j:plain

f:id:oinor-i:20210721085248j:plain

この作り方は、特許を取られたそうです。

 

 制限時間1時間という事だったので、ギリギリまで堪能しました。日本の建築や日本の家具にも良さがありますが、北欧家具もまた、北欧らしい良さがありますね。木を存分に使うという部分や、シンプル イズ ベストの考え方に、共通するものを感じました。

 

 美術館のお隣りは、海浜公園のようになっていました。暑いのでさ~っと通り過ぎただけですが、良い季節には和める場所なんだろうなあと思いました。

f:id:oinor-i:20210721084815j:plain

 美術館外観。

f:id:oinor-i:20210721084800j:plain

f:id:oinor-i:20210721084734j:plain

 お土産にトートバックを買いました。1500円。大きくてしっかりした作りのわりにはお手頃価格(笑 

f:id:oinor-i:20210721105759j:plain

 ではまた~