書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

アメリカでは頭金ゼロ収入ゼロでも家が買える話

 前回の記事で、アメリカでは住宅資金を銀行から借りる際に、収入額は自己申告制だというのを書きました。

 日本にいると、まさかそんな杜撰な事がまかり通るのか?と不思議に思うわけですが、実はまかり通る場合もある、という事を、今日は書きたいと思います。

 というのも、私が大学生だった時の同級生(日本からの留学生)の女の子が、留学生の立場で、アメリカに家を買ったんです。別にお金持ちの家の子、というわけでもなく、勿論頭金など一円もなく。学生なので収入もないのに。

 どんな家かというと、場所は大学の近くで、6LDKの平屋。裏庭にプール付き。これを、頭金無しで銀行からお金を借りて買いました。月々の返済ローン25万円(金額はうろ覚え)。無収入の外国人の学生です。

 からくりはこういう事。

 彼女は、その家に、下宿人を置いたのです。つまり余っている部屋を、5人の学生に月々の家賃5万円(金額はうろ覚え)で貸したのですね。銀行へのローン返済は、その家賃の合計をそのまま流したわけです。

 計算上、これで、彼女は無収入のまま、家を買う事ができたのです。

 彼女自身の生活費や光熱費は、日本の親からの仕送りで賄っていました。たまにバイトもしてたと思いますが、生活は十分まわっていたと思います。何しろ、彼女自身の家賃は無料なのですから。彼女だとて留学生なので、どこかには賃貸で住まなくてはいけないわけで、それが無料になるのは大きいです。

 万が一、借り手の学生が集まらなかったら、ローン返済は滞りますが、そうなったら、家は銀行の担保に入っているので、そのまま銀行に渡せばいいだけなのです。それまで支払ってきた返済額はチャラになってしまいますが、そもそも彼女のお金ではありません。彼女は一銭も損しません。

 その上、銀行から住宅購入資金を借りる事には、更にメリットがありまして。

 その土地について知識のない人間が、家を買うのはリスクがあります。悪い土地や、悪い家を、騙されて買ってしまう危険があるのです。その点、銀行からお金を借りる場合は、銀行が家の査定をしてくれます。銀行からすれば、お金を貸す場合、借主のローン返済が滞った時は、その家を売ってお金に変えなくてはいけません。つまり、後々ちゃんと売れる家にではないと、お金は貸せない、という事になり、シビアな査定をしてくれるわけです。

 銀行側も、ローン返済が滞れば、担保にしていた家を売れば損はしませんし、それまで入って来たローン返済額は丸ごと儲けになります。

 彼女からしてみれば、うまくいけばただで家が買えてしまう。うまく運ばなくても、損をする事はない、という事になります。

 

 アメリカで、住宅資金を借り入れる際には、収入は自己申告で良い、というのは、こういう買い方をする人が多いからです。

 

 ただ、まあ、彼女のケースはうまくいったのですが、実際はうまくいかない人のほうが多いようです。例えば、彼女は一人暮らしなので、下宿人を沢山置けたので良かったですが、家族が多くて(子供が4~5人いるとか)、下宿人が置けない場合は、当然ながらローンは自分の収入から返済せねばなりません。こうなると、無理なローン返済額だと、すぐに行き詰ってしまいます。

 前回ご紹介した本には、「嘘でしょ」と思うようなケースが書かれていました。例えば、月収32万円の家族が、月の返済30万円でローンを組んで家を買った、とか。それでも銀行は貸しちゃうんですね。今はもうないですが、少し前まで、アメリカには、住宅ローンにまつわる滅茶苦茶な金融商品が沢山あって、社会問題にもなっていました。

 日本人からすると、そもそも月収とほぼ同額のローンを、払えるはずないだろう、と思うのですが、なぜかアメリカ人は、「払える」と思ってしまうようです。不思議です。

 というわけで、今日はこのへんで。

 ちなみに、家を買った彼女は、その後、アメリカ人と結婚し、グリーンカードも手に入れ、うまくアメリカ国籍を取って、あちらで暮らしています。学生の時に買ったその家も、手放す事なく、ローンの残額はご主人に払ってもらったのかな。今もしっかり下宿として運営(?)しているようです。老後には売って、夫婦の老後資金にするとか。しっかりしてますね。

 

アメリカの家 に対する画像結果

画像はネットからお借りしました。