発達障害の息子が、「一人暮らしがしたい」と言い出しまして。
やっと彼も、独立心が芽生えたのか、と私は嬉しくなりました。
でも、「一人で暮らす」という事について、彼は具体的な事は何も分かっていないので、今すぐは無理だろうと伝えました。一人暮らしというのは、いわゆる「家事全般」を一人でこなす事であり、何かあっても基本自分一人で解決するということ。生活する、ということの常識の部分を、彼は知っておく必要がある。
また、家から大学が比較的近いのに、一人暮らしをする必要性がそもそもあまり無いわけで。一人暮らしはお金が余計にかかるのだよ、と伝えました。
それで、色々相談した結果、大学を卒業して働きだしたら、一人暮らしをする、という事で落ち着きました。自分のお給料で家賃その他も賄うと。うん、それならいいんじゃない?と、私も夫も賛成。
大学を卒業するまでの間に、少しづつ家事全般を教え、様々な生活上の常識を教えていこうと思います。
発達障害児(者?)には一人暮らしは出来ない、という意見もあろうかと思いますが、まあ一度やってみればいい、無理なら戻ってくればいいし、と私は思っています。親元から出たい、一人で暮らしたい、という独立心が彼に芽生えた事は、私には良い事だと思われるし、そういう「気概」は生きていく上でとても大切なものだと思います。
ものすごく手前味噌な事を書きます。私の子育ては「過保護過ぎる、それでは子供は成長できない」とずっと批判されてきましたが、自分では過保護ではない、と思ってきました。過保護ではなく、子供に必要な事をその都度手を抜かずにやってきただけなのです。甘やかしではなくて、子供にその時その時で必要なサポートや支援を、やり続けてきただけなのです。
息子が、この居心地のいい家から独立したい、一人暮らししたい、と言い出した事は、つまり、息子はこの家にも、母親である私にも、依存していない、という事だと思います。そしてそれは、私にはとても嬉しいことなのです。
また、息子の独立心の芽生えを、嬉しいと感じられる私もまた、息子に依存していないという事になり、これも良かったなあと内心思いました。だからといって、早く出ていけ、と思うわけでもなく、出ていきたいならいけばいい、それも良い事だ、という風に思います。
ただ、家から出ない人は独立心がない、というわけでもないと思うのです。昔の日本では、長男は実家を継ぐ為家を出ませんでしたし。また、独立にはお金がかかりますから、出たくても出られない、という人もいると思います。家を出る=独立心の証、というわけではありません。ただ、一人暮らしがしたい、と息子が言い出した事が、私には嬉しかった、というお話でした。