幸せに生きるには、自分を好きになる事が、必須だと私は思うのです。自分を好きになる方法は、案外難しいことで、でも、とてもシンプルなことです。
親に好きでいてもらうこと。
つまり、親が、我が子を心から、本当に好きでい続けたら、産まれた時から、ずっとずっと、好きでい続けたら、その子供は、必ず、自分を好きになる事ができる、と私は思うのです。
私の場合は、父が私を全面的に肯定し、愛し続けてくれたので、私は、私自身を好きでいる事ができました。私は、自然に、自分の事が好きなのです。それは、父が私を好だったから。口で「好きだ」と言うだけではなく、本当に好きだという事を見せて感じさせて続けてくれたからです。
一方で、親自身にとっては、我が子を好きでい続ける事は、簡単ではありません。むしろ、難しい事だと思います。子供をうとましく思う事、邪魔だと感じる事は、努力なしでも簡単にできる。でも、子供をひたすら好きでい続ける事は、努力と工夫なしには、不可能だと私は思います。
それでも、それが、子供を幸せにする、唯一確かな方法だと、私は信じています。
子供に適切な刺激を与える事や、危険から守る事、教育を受けさせる事、長所を伸ばす事、etc、、、子育てには大事な事が沢山ありますが、何よりも大事な事、そして、子供自身の幸せに直結する事は、子供が、自分自身を一生、好きでい続ける事ができること、だと思います。そういう「幸福感の核」のようなものを、子供の心に植え付ける事だと思います。
その為に必要なのは、親が、子供を好きでい続ける事、それを子供に伝え、行動で見せ、実感として感じさせる事だと思います。
親が自分を愛してくれなかった、と言う人がいるかもしれません。そういう人でも何とかして、自分を好きになる事は、できると私は思います。その為に必要なのは、本当の意味での、プライド、じゃないだろうか。自尊心を持って生活する、という事。誤魔化さないで、自分に嘘をつかないで、今日という一日を過ごしてみる、という事。
誰も見ていない、と思うかもしれないけれど、絶対に誰かは、見てくれている。その人は、誤魔化さないで生活した私を、いいなあと思ってくれる。好きになってくれる。次の日も、そうやって暮らしてみる。自分を誤魔化さず嘘をつかず、過ごしてみる。必ず誰かは見ていてくれる。そして、そういう私を、好きになってくれる。
そうやって、次の日も、その次の日も。一日一日を、積み上げて行く。必ず、誰かが、そんな私を、見ていてくれる。そして、好きになってくれる。
見ていてくれる誰かというのは、私自身なのですよね。そういう日々を送る事で、私が、私自身を、好きになれるわけです。それが自尊心の核になる。幸せの核になる。私はそう思っています。
親から好きになってもらっていたとしても、そこには濃淡があります。私の場合だと、父は私を好きだったことは確信できますが、母から好かれていたとはとても思えません。そして、父は仕事に忙殺されていてほとんど家にいませんでしたので、あまり会う事がありませんでしたし、わりと早くに亡くなりました。私が生育時に一緒に過ごし、また今でも生きていてくれているのは、私のことをあまり好きではない母のほうです。
というわけで、私は親に好きになってもらっていたといっても、接点の少なかった父親からだけだったので、濃淡で言えば「淡」。
だから自分自身でも、自分の事を好きになれるように、積み重ねていかねばなりません。
まあ、そういう事なんです。