書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

人柱は何人必要ですか。

 国のトップはしかし、どうしてこうも決断力がないのでしょうか。

 確かに、経済を考えればロックダウンは痛手です。でも、ロックダウンしなければパンデミックは防げません。

 経済破綻か、パンデミックか、日本に残された未来はこのどちらか(もしくは両方)です。最悪か、もしくは最悪か。最悪な中でも少しでもマシなほうを選ぶしかないのに、「選ぶ」という責任を先延ばしにしている。「選ばない」事で、責任を回避しているのか、或いは、「選択肢にはいずれにせよ、最悪しかない」という事実を直視できないのか。

 腹がくくれない人しか、日本のトップにはいないこの事実に、がっくりしてしまいます。

 

 唐突に私事ですが。

 私の息子は発達障害児なので、障害をカミングアウトするか、しないかを、3歳の時に決めねばなりませんでした。

 カミングアウトすれば、彼に必要な支援や配慮を得て育つことが可能ですが、一方で、差別も受けます。障害児という烙印を押され、その烙印は一生彼から取れません。息子に、障害者として生きさせねばならない。

 一方、カミングアウトせず、ひたすら障害を隠して育てれば、差別を受ける事はありませんが、必要な支援や配慮を得る事もできません。健常児の中で、配慮を得られない状態で障害児が生活する事は、酷です。息子の心は壊れるでしょう。

 カミングアウトをしても地獄。しなくても地獄。私は息子が3歳の時に、息子の人生をどちらの地獄にするか、選ばねばなりませんでした。

 もちろん、選ばず逃げる事もできた。逃げる親も多いです。どっちつかずでごまかしごまかし育てる。でも、これが一番駄目で、たいていのお子さんが、長じて不登校になり、そこからあれこれ急いで手を打っても時すでに遅しで、心を壊してしまいます。

 だから、息子が3歳の時、私は、障害をカミングアウトするという地獄を選びました。この選択が成功するかどうかは、分かりません。でも、息子の心を守る事だけはできる。それが何より大事だと思ったからです。差別もされるでしょうが(実際されましたし)、差別しないでくれる方々も少数ながらおられます。息子はそういう方々に守られながら、育つことができ、今、なんとか希望の職に繋がる大学に入学できました。

 でも、この先も、地獄は続きます。もし、息子の先に苦しい人生しかないと分かったら、私は彼をつれて死ぬ覚悟があります。これは、3歳の時に、カミングアウトを選んだ時に、決めた事です。そこまで腹をくくらねば、地獄を選ぶなどという事は、できませんから。

 

 日本のトップの方々も、日本にはもう、経済破綻か、パンデミックか、どちらかの地獄しか残されてない事に気付いて欲しい。そして、国民をひきつれて死ぬ覚悟をもって、そこまで腹くくって、一秒でも早くロックダウンを決断して欲しいです。

 そうすれば、うまくいけば、日本は生き残ります。重い障害を持った息子ですら、大学に入れたのですから。どうなるかなんて、先のことは分かりません。やるべきことは、一日も早く、腹をくくる事。そして、なりふり構わず、努力し続ける事です。意味のない過去の決まりとか、前例とか、一切無視して、今必要な事をなりふり構わずやっていくだけです。一日も早く。私はそう思います。

 それにしても、一番分からないのが、軽症者用の入院施設がない事です。今は、いったん陽性と判定されたら、入院が義務づけられており、軽症者も重傷者も、重症だったけども回復して軽症になった人も、全部陰性になるまで病院に入院せねばなりません。

 これでは、病床がいくらあっても足りません。

 だから、軽症者は病院ではなく、使わないオリンピックの選手村等を利用して、そちらで隔離入院させればよい、という有意義な意見があるのに、政府はなんだか分からない決まりを持ち出して、「それは無理」と。「いったん入院した人は、陰性になるまで病院以外の場所には出せない」と。

 いや、決まりとしてはそうかもしれないけれど、今そんなこと言ってる場合ではないでしょうに。そんな使えない決まりはさっさと改変して、新しい決まりをどんどん作って、やっていかなきゃならないでしょうに。

 でも現実は、軽症者も重傷者もまぜこぜに入院しているから、病床がいくらあっても足りず、これ以上受け入れできないから、検査自体をさせないという滅茶苦茶さ。検査させて陽性になったら、入院させなきゃいけないけれど、病床が足りないから、という。

 だから、熱があり、息苦しさがあり、その他あやしい症状があっても、4日高熱が続かない限り、検査はしてもらえない。志村さんも、症状があったのに、二日間検査してもらえず自宅待機で、結局亡くなってしまわれました。その二日が、命取りだったのでは、と私は思います。症状が出た時点ですぐに検査し、適切な治療を受けていれば、死ぬことはなかったのではないか。

 軽症者も他の施設には移さない→病床が不足する→検査を受けさせない(陽性を出さない)という流れがあり、そのせいで、陽性なのに自宅待機になっているせいで、家族や周囲に感染させてしまっているケースは、かなり多いと思われます。

 いったい、日本のトップは何やっているんでしょうか。人の命を何だと思っているのか。いったい、何人国民が死ねば、本気になって動いてくれるのか。1000人?2000人?3000人? 人柱は何人必要ですか。

 日本の総人口1億3000万人からすれば、3000人やそこらの死は、ゼロに等しい、という事なのでしょうか。しかも、死ぬのは高齢者か、体の弱い人間。超高齢者社会だから、高齢者が減ってくれてちょうどいい、ぐらいの感じなのでしょうか。かたくなに「緊急事態宣言」すら出さない安倍さんを見ていると、そんな風に勘繰りたくなります。

 休校の要請も、地方自治に丸投げですし。全国一律休校、が言えない理由が本当に分からない。でも、全国一律休校が言えない安倍さんが、保育所も学童も塾も教習所もカルチャースクールも、人が集まる活動は全てストップ、が言えるはずがないですわ。そもそも前回の「全国一律休校」時よりも、今ほうが感染は悪化しているのに、なぜ今回は「休校は自治体の判断に任せる」なのでしょうか? その根拠を教えて欲しい。根拠なんかないんでしょう。その時の気分なのでしょう。場当たり的な日和見政治。

 日本のトップが本気になった頃には、もう全てが手遅れで、コロナの感染はどんな手を打っても防げない状態になっているでしょう。腹たつけど、仕方ない。これが私の住んでいる国。諦めた。