書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

「母の家がごみ屋敷」工藤哲著

  

母の家がごみ屋敷 高齢者セルフネグレクト問題

母の家がごみ屋敷 高齢者セルフネグレクト問題

 

  超高齢化社会と言われて久しいですが、それに伴う様々な問題の中に、こんな問題もあったのだという事を、本書で知りました。

 体力の低下や認知症、身内を失った喪失感などから、生活意欲が衰え、身の回りの事ができなくなることを、高齢者の「セルフネグレクト(自己放任)」というそうです。それにより、物が捨てられず室内にたまってしまうのだそうです。

 確かに。物を捨てるという作業は、とてもエネルギーのいる仕事です。粗大ごみは、申し込んで費用を払って、指定された日時に、指定の場所に出さねばなりません。資源ごみも、プラごみも、一般ごみも、それぞれ決められた曜日に、決められた時間(たいてい、早朝から8時までの数時間)に出さねばなりません。出す作業だけでなく、まず捨てられる状態にまとめる、仕分ける、という作業ですら、意欲の衰えた高齢者には難しいでしょう。まだ高齢者とは言えない私ですら、面倒くさいのですから。

 また、収集癖のある男性の場合(収集癖は男性に多いそうです)、家族が同居していても、捨てる事ができないので、物が溢れてごみ屋敷になってしまうそうです。最初は意味のあるものを集めていたのが、だんだん、壊れた家電品とか古い新聞など、とっておく事に何の意味もないものまで捨てなくなる。しかも家族にも捨てさせない。

 物を捨てられない高齢者は特別なのではなく、自然とそうなっていくのだそうです。「日々の生活の中で、食品や日用品などが増えていき、いつか捨てようと思っているうちに年月が過ぎ、気が付けばものが増えてしまい、やがてそれがゴミなのかどうかが分からない状態になってしまう」のだそうです。

 

 本書によると、ごみ屋敷になってしまう要因には、以下のようなものがあるそうです。

①体力・気力の衰え

②買い物依存や強迫行動、仕事による収集

③思い出の品を「もったいない」と感じ、ため込んでしまう

④分別ができず、整理や廃棄が苦手

⑤死別や離別、子供の独立などによる家族構成の変化

⑥育児や介護、仕事の過重な負担

 

 たいていは、悪臭などから近所の人が行政に連絡し、行政が解決に入るそうですが、当の本人が助けを拒絶すると、解決は困難なのだそうです。悪臭や不潔さ、火事への心配等から、地域の人間は切実に解決してもらいたいわけすが、行政は縦割りなので。

 高齢者問題は福祉。ごみ問題は環境部。でも、道路にゴミが出ていたら土木部の道路管理課。ネズミや害虫が出れば衛生部。それぞれの部署が、他部署と連携する事はほとんどないそうです。結局、「ごみ屋敷問題」は、担当の所轄を決めないまま分担することになり、責任逃れになりがちで、問題解決は遅々として進まないのだそうです。

 子供や年下の兄弟が見かねて掃除しようとしても、やはり本人からの拒絶にあい、手出しできない事も多いそうです。本人は、足の踏み場もないゴミの上で生活し、トイレも浴室も台所もゴミが詰まっているため、食事は三食コンビニで買い、コンビニでトイレも済ませる。そんな状況でも、本人は「自分で何でもできる。困っていない」と言うのだそう。

 

 また、この問題は、高齢者に限らず、下の世代にも広がっているとの事。いや、確かにそうだ、と自分を省みて思います。

 特にこの年末、大掃除の時期に、この本を読んだのは良い意識改革になりました。手に入れるよりも捨てるほうが、困難な世の中に私達は生きている。手に入れる時は、商品を選んで1クリックすればよく、自分が足を運ぶ必要もなく、玄関まで届けてもらえる。でも、それを捨てるとなると、仕分けし、捨てられる状態にまとめ、決められた曜日の決められた時間に、決められた場所に出さねばならない。買う時は玄関まで持って来てもらえても、捨てる時は、自らの力で頑張らないとならないのです。ちょっと面倒くさい、とか、何となく億劫で、と言っているうちに、知らずしらずの間に、家の中に不要な物が、どんどんたまっていく。

 まだ力のあるうちに、家中を見直して、捨てるべきものをどんどん捨てていこう、と強く思いました。そういう目で改めて見てみると、我が家の場合、押し入れやクローゼット、棚、引出し等の中に入っている物の半分は、捨てるべきものだと気付きました。半分でも控えめに見積もっての話で、もしかすると、7~8割、捨てるべきかも、、、と慄いております。

 ひ~~。

 専門家によると、家をごみ屋敷にしない為には、次のことに留意が必要だそうです。

①買い物から帰ったら、すぐにレジ袋からものを出す。

②玄関、寝室、廊下、トイレ周りの床にものを置かない。

④クーラー、電灯などの電化製品の故障はすぐに直す。

⑤ごみ収集日に必ずごみを出す。

⑥抗菌グッズや薬に頼らない。

⑦脱いだ衣服は積み重ねておかない。

⑧軽く体を動かし、体力を落とさない。

⑨食事に気を付ける。

⑩買い物は、捨てることまで考えてから買う。

 

ふ~。その通り。仰る通り。よし、今日から心がけよう。

 

将来、家をごみ屋敷にしない為の、セルフチェックについても書いてありました。

①服は沢山持っているが、いつも同じ格好ではないか?

②使わないが捨てられないブランド品を持っていないか?

③無料のサンプルやティッシュをもらわないか?

④賞味期限切れのものが冷蔵庫にないか?

 

あ~。私、②と④が当てはまります。やばいやばい。本当に、この年末の大掃除時期を機に、捨てられる人間に生まれ変わりたいです。頑張ります。

f:id:oinor-i:20191210182122j:plain

 ちなみに私の実家は、たまに帰っていますが、そこそこ片付いていて大丈夫な気がします。物は多いですが、まあ、許容範囲。これは本当に有難いことなんだなあと思いました。