書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

認知の歪みを正さないままで、何をしても何も変わらない。

 少し前に書いたこの記事↓と、 

oinor-i.hatenablog.com

 

そして、この記事↓ 

oinor-i.hatenablog.com

 

の二つの記事の続きになるような内容を、今日は書きます。ダラダラと長いので、どうぞお時間のある時に<(_ _)>。

 

 では始めます。

 一つ目の記事は、「発達障害者の生きづらさ(問題)の原点は、彼等の認知の歪みにあることが多い」というもの。

 二つ目の記事は、「人から嫌われる事を繰り返すのなら、何故自分を嫌うのか、相手に率直に聞けばいいだけなのに、聞かずに自己判断で改善努力をしてしまう人がいる。見当違いの努力をしているから、嫌われる事は繰り返す」というもの。

 二つ目の記事の人を、仮にAさんとします。

 先日、Aさんの新しい記事を拝読したら、またしても人から激しく嫌われたそうで、とても落ち込んでおられました。そして、何故嫌われるのか、について、とうとう分かった!と書いてあり。。その理由が「自分が自分を嫌いだから」だ!と。

 子供の頃に何らかのトラウマがあり、それで激しい自己嫌悪に陥った経験があって、それ以降、Aさんは自分の事が嫌いなのだそうです。だから、自分に嫌われて悲しんでいるAさんの中の小さな子供(インナーチャイルドとかなんとか)が、Aさんに「私を嫌わないで」と訴える為に、他人を使ってAさんを嫌わせる現象を起こしているのだとか。。

 「だから、私は、私をもっと愛してあげないといけない。私の中の傷ついた子供を、大好きだよ~と抱きしめてもっともっと愛してあげないといけない」、とAさんは結論づけておられました。「もっと好きな服を買って、好きな事をして、自分が喜ぶ事をもっともっと自分の為にしてあげれば、私が人から嫌われる事はなくなる」、と。

 う~ん・・・・・

 どうしてそういう思考になるのかと言えば、Aさんはおそらく発達障害者で(ご自身で過去にそうではないかと思う、と書いておられました。診断はとっていないようです)、認知に歪みがあるのだと思われます。

 認知に歪みがある為に、自分がやっている言動を、正しく認知できないのではないかと思われます。1つ目の記事内に書きましたが、認知の歪みの問題の一つが、「不適切な自己認識」なのです。Aさんは普通の方なので例に挙げるのは適切ではありませんが、非行少年の8割(中には殺人を犯した少年もいる)が、自分自身のことを「優しい人間」だと認識しているそうです。なので、自分を改善するべき動機が、彼等には無い。よってどれだけ行動療法を行っても、非行や犯罪を止められないのだとか。

 Aさんの場合は犯罪まではいかないまでも、人から繰り返し嫌われています。という事は、人を傷つけたり不快な思いをさせたりを、繰り返し行っている可能性があります(本当のところは分かりません。相手に聞くしかありません。あくまで可能性として書いています)。つまり、Aさんが人から繰り返し嫌われるのは、Aさんの言動に問題があるからかもしれないのに、Aさんの認知が歪んでいるため、Aさんは自分には問題が無い、と思っています。自分を「優しい人間。正しい事をしている人間」と、間違って認識してしまっているのです。

 これを正すには、専門医に相談するしかないのですが、Aさんのような方は病院には行かれません。いわゆる「自称:発達障害者」です。自称:発達障害者、については、過去記事に書きましたので、もしよければ。 

oinor-i.hatenablog.com

 ******

 今までのところをまとめてみると。

 発達障害の人は、認知に歪み(特に、不適切な自己認識)がある場合が多い。自分が人に対して行った不適切な行為を、正しく認識できない為、それを止める事ができず、人間関係でトラブルを起こしがちだし、トラブルが起こった時、悪いのは相手である(自分ではない)と思ってしまう為に、自己改善ができない。よって、トラブルはなくならない。

 という事になります。

 私の姉もAさんと同じタイプで、以前から不思議だなあと思っていたのですが、不適切な自己認識がある故なのだと考えれば、納得がいきます。

 姉は、普段はおとなしやかで普通の人なのですが、一旦機嫌悪くなると、自分のストレス発散に娘を怒鳴り散らしたり、しつけと称して罵声を浴びせたりを日常的に行います。そのせいで、娘は鬱になり学校にも行けなくなりました。

 Aさんの娘さんはまだ小さいのですが、やはりAさんも娘さんを、感情で怒鳴ったり叱ったりをして、娘さんを萎縮させてしまったそうで、もともとはおおらかな性格の娘さんが、今は音や声にビクビクしている神経質な子になってしまったそうです。

 姉も、Aさんも、子供がそうなってしまったのは、自分のせいだという事は分かっているようです。でも、反省はしない。どうも、そこで自己認識に齟齬が生じるようなのです。自分がやった事は、客観的に言えば(世間的に言えば)悪い事だとそれは分かっている。でも、自分は特別な存在なので、悪い事をしても許される。世間の常識からすれば自分の行いは悪い事だが、世間の常識は自分には当てはまらない。何故なら、自分は特別な人間だから

 どうも、姉もAさんも、そんな風に、自分の言動を処理し、正当化して、罪悪感を感じる事から逃れ、改善する苦しさからも逃げているようです。

 本人達は、口先では「私だけが特別なんじゃない」「みんな自分の中に神を持っている(スピにはまっているので)」「みんな同じ」等と言うけれど、実際にやっている事は、違うのです。人間一人ひとりが神なのであれば、自分の子供も神であるわけで、子供を罵倒するというのは、神を罵倒している事になります。それを由として反省も改善もしていないのだから、彼女達は本当は「自分だけが神で特別」と思っているわけです。

 もちろん、発達障害者だけに関わらず、私達はどうしても、自分だけは特別だ、と思いがちです。人がする事は許せなくても、自分が同じ事をしても問題ない、と思いがちです。でも、発達障害者の場合は、これが顕著というか、極端なように思います。

 なぜそんな思考になってしまうのか本当に理解できないのですが、「自分は特別だから何をしてもいい」けれど、他人が同じことをしたら許さない。でも、同時に、美しい博愛精神を語り、「人はみな同じで平等なのだ」と謳う驚くべきダブルスタンダードなのです。ダブルスタンダードでないなら、極端な嘘つきとも言える。そして、本人達は、「嘘は絶対よくない」と分かっていて、そう公言もしていて、人が彼女達に嘘をついたら「騙された傷ついた」と大騒ぎする一方で、なぜか自分は平然と大嘘をついてそれを由としているのです。

 すべては認知の歪みからきている、と言われたら、納得です。

 昨今、「発達障害」という言葉が市民権を得てきているのも、ある意味では問題です。自称:発達障害の人は、「私のこういう言動は、発達障害特性だから仕方ない。直そうと思っても直らない」といった開き直りに、障害名を使う場合があるからです。Aさんも時々、そういう表現をされています。「これが私なのだから仕方ない。直そうと思っても直らないもの」という風に。

 本当に発達障害なのかどうか、また、そうであったとしても、特性はどういうものなのか、どうすれば改善できるのか、専門医に掛かって調べる事はできるのに、それはせず、ただ開き直りの材料として「発達障害」というものを便利使いしているように、私には思えて、正直、止めて欲しいなあと感じます。そういう人のせいで、発達障害者全体が、「図々しい人達。迷惑な人達」と思われてしまうからです。

 真面目に専門医に通い、自己改善に努めている発達障害者もいるのに。特性も、100%直す事ができなくても、努力で10%でも20%でも改善はできますし、それは大きな成果となります。少しでも努力するという事が、とても大事なのです。

******

 ここで少し視点を変えて書きます。

 Aさんと、私の姉との共通点は、他にもあって、それは、「自己啓発やスピリチュアルにどっぷり浸かり、自らもカウンセラーやヒーラーを名乗って商売している」という点です。

 認知に歪みを持つ発達障害者が、自己啓発やスピリチュアルに関わると、彼等の認知は加速度的に歪み、悪化していきます。

 最近流行りの自己啓発やスピは、罪悪感に苦しむ人や、自己肯定感の低さに悩む人向けのものが多く、おきまりのスローガンは「あなたはあなたのままでいい」「あなたは何も悪くない」「がんばらなくていい」「お母さんが幸せなら家族も幸せ」です。

 これらは、姉やAさんのような不適切な自己認識を持った人には、格好の自己正当化の材料になります。彼等は、娘を鬱にまで追い込んだ自分の言動、ほがらかな子供を神経質な子にしてしまった自分の子育て、について、若干の罪悪感を感じ、それなりに苦しみ、生きづらさを感じていた。だからこそ、自己啓発やスピに救いを求めて近づき、はまったのです。自己啓発やスピの「あなたは悪くない」「あなたがまずは幸せになろう」という言葉は、彼等の若干残っていた罪悪感を、消してくれます。

 健常者なら、「とはいえ、そのスローガンは少しおかしくないか?」と立ち止まって首をひねるところが、彼等にはそれができない。何故なら、認知の歪みという特性を持っているからです。

 姉もAさんも、もし自己啓発やスピがなければ、あそこまで周囲を苦しめる存在にはならなかったと思います。もともと彼等の自己認識は不適切であり、そのせいで周囲とトラブルになりがちであった為に、彼等自身も苦しんでいた。苦しみから逃れる為に、自己啓発やスピの甘言に乗る事を選択し、今は更に周囲を苦しめ、問題の根を深めている。そんな図式が浮かびます。

*****

 最初に戻りますが。

 Aさんは、今回、今までにないぐらい激しく人から嫌われたそうで、再び深く悩み、出した結論が、「もっと自分を甘やかそう」でした。何故そうなる?という理由は、ここに書いてきた通りです。

 好きなモノを買い、好きな格好をし、好きな事を好きなようにして、とことん自分を甘やかしてやれば、「もう私が人から嫌われることはない」というのが、Aさんの出した結論です。

 更に言えば、彼女はカウンセラー兼ヒーラーなので、そういう生き方を読者にも勧めておられます。おそらく、彼女と同じような人(認知に歪みがあり、人とのトラブルが絶えず、悩んでいる人)は、彼女の甘言に飛びつくでしょう。もっともっと甘言が欲しいとエスカレートすれば、高いお金を払って彼女のヒーリングを受けたりもするでしょう。

 彼女の問題は何も解決していないので、これからも彼女は、様々なトラブルに悩み苦しみ、その都度、更に見当違いの解決方法を思いついては、それを発表し、でも何も改善しない、、という事を、繰り返すのでしょう。

 こういう人達がどうすべきか、は、私がここに書くまでもないですが、一応書きますと。何がなくともまずは自己啓発やスピから離れ、専門医に掛かって自分の特性を知り、実直に改善するようコツコツ努力するしかない、と思います。

 でもそもそも認知に歪みを持つ彼等には、そういう当たり前の選択が、どうしてもできないようです。外から言って聞かせても絶対に聞きませんから、言って聞かせるという選択肢はありません。本人がとことん落ちて、苦しみ、自らの認知の歪みに、自らが気づくしかありません。気の毒ですが。

 そう思うとやはり、子供が小さい頃に、少しでも発達障害が疑われたら、専門医に掛かって診断を仰ぎ、親が子供の特性を学び受け入れ、適切な支援をしながら育てるしかないと思います。それが、姉やAさんのような不幸を防ぐ、唯一の方法だと私は思います。

 長いとりとめもない文章を読んで頂き、有難うございました<(_ _)。

f:id:oinor-i:20190925174415j:plain