書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

宮島、弥山に登って来ました②

 前回に引き続き、弥山登山の事を書きます。

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 おおよその事は前回書いたので、今日はそこからこぼれた話を。

 今回、弥山登山でとても印象に残ったのが、出会う人出会う人、みんな驚くほどいい人ばかりだった、という事です。登るのに私と息子はロープウェーを使ったわけですが、まずそこで、驚きが。

 最初のロープウェーは8人乗りだったのですが、前後のグループの関係で、私達が乗ったロープウェーは4人乗りになりました。私と息子と、あと30半ばの男性と、20歳ぐらいの男性の4人。

 30半ばの男性は、エグザイルのアツシさんそっくり。あの髪型で、あのサングラスで、あの顔かたちで、あの出で立ち。私達が乗りこんだ時、先にそのアツシさんが乗っていたのですが、進行方向の窓際に座ってらしたのです。

 で。乗り物好きの息子は、自分が進行方向窓際に乗れると張り切って乗り込んだところ、そこにはすでにアツシさんが座っていた、と。一瞬で、息子のハリが失われ、ガックリしているのが見てとれたのです。とはいっても、高校生です。小さい幼児じゃないのです。なのにアツシさんは、「あ、ここどうぞ」と息子に丁寧に言って、わざわざ席をゆずって下さったのです。見るからにこわもてな方だっただけに、その丁寧さ、その思いやりに、私は感動してしまいました。

 で。そのロープウェーには、結局、私と息子とアツシさんと、もう一人、20歳ぐらいの男性が乗ったのですが。この20歳男性、これまた美形で、しいて言えば佐藤健さん似。車内で私と息子がぺちゃくちゃ喋っている間、アツシさんは眠っている様子、佐藤健さんはずっとスマホをいじっていました。なんというか全身に、「僕には構わないでください」オーラが出ていまして、まあ、今時の若者だなあという感じでした。

 なのですが。ロープウェーの終点の駅を降り、弥山登山を始めた私達は、登っている途中、途中で、なぜかこの佐藤健さんに会うのです。涼しい顔で、すいすいっと登って行かれるのですが、いくつもあるポイント(前回の地図をご参照ください。私達は途中2か所しか寄らなかったのですが、本当は別コースや、なんかがあって、寄れるポイントは沢山あるのでございます。私の体力がもたなくて、全部スルーしたので書きませんでしたが)に、全部寄っているようで、いつの間にか私達の後ろになり、また涼しい顔ですいすいっと追い抜いていかれるのです。その様子が、とてもクールだなと思ったのですが。

 で、このクールな佐藤健さん、結構立ち止まる。何されてるのかと思えば、スマホで写真を撮っておられるのです。クールなんだけど、綺麗な景色は写真に撮りたいのだなと、少し意外。勿論、健さんが撮影したポイントは全て、私も真似して撮影しました。確かに、綺麗な場所ばかりだったので。

 健さんは、私が真似して撮影しているのを横目でちらっと見ても、何も言わず、またすいすいっと先に登って行かれます。そのうちひょいっとどこかのポイントに寄られ、また私達の後ろになって、すいすいっと抜かして行かれるという繰り返し。その間、すべて無言で。「よく会いますね」も「あ、どうも」も、なく。会釈の一つもなく。まあクール。

 なんか面白いなあと思いつつ、頂上に着きまして、前回書いたように、私達は、桜井識子さんの著書で紹介されていたパワースポットへ行きました。これは、巨石の重なった後ろの場所で、普通は全く見えません。そこに行く道もありません(私達は、巨石の間の小さな隙間を四つん這いでくぐって行きました)。桜井さんの著書を読んでいない人は、絶対行かない場所です。

 で、そこに私達が行ってみると、なんと先客がいたのです。ええ、佐藤健さんです。彼は、巨石の向こうの少し開けた場所ではなく、更にその先、崖に着き出した小さなでっぱりの上で、寝転んでいました。写真貼っておきます。

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 写真の手前の石の向こうに、出っ張った小さな場所がありますが、彼が寝転がっていたのは、そこです。確かに、桜井さんの著書によれば、そこが一番のパワースポットだと書いてありました。手前の少し広い場所も良いけれど、一番の場所は更に向こうの出っ張った所だと。

 桜井さんの本を読んでいなければ、そこに行くなどとは絶対思わないはずです。だって、めちゃくちゃ怖いですし。一歩足を踏み外したら崖にまっさかさまですから。私は知っていても、そこまでは行けませんでした。ですが、健さんはそこに寝っころがっていたのです。

 え~、健さん、桜井さんの読者なんだ~、意外!

 と私は驚いたわけです。そして、桜井さんの読者に悪い人はいない、という勝手な思い込みで、もともと良い感じの方だなとは思っていましたが、更に好感度がぐっと上がりました。

 ただ、とても残念なことに、私達がその場所に座ってぺちゃくちゃ喋ってしまった為に、健さんの静寂を壊してしまったようで、彼は早々に起き上がり、去って行ってしまったのです。ああ、申し訳ない。私達もわりと早めに引き上げたので、彼はまた、あのポイントに戻ったと信じたい。

 というのも。下りの道で、私はまた、彼に後ろから追い抜かれたのでした。そこでもまた、彼は無言で、会釈ひとつなく、さーっと追い抜いて行かれました(笑)。  

 それが最後だと思っていたら、ロープウエーの駅のところでまた会いました。私もびっくりしましたが、あちらも「え」となっていて、そして、「え」という驚いた顔のまま、小さく会釈して下さいました。おおお、初めての会釈! 私は、両手を振って挨拶したかったのですが、変な人だと思われたくなくて、同じ程度に小さく会釈を返すに留めました。そして、本当にそれが最後になり、佐藤健氏はさーっと風のように去って行かれたのでした。

 白いコートに身を包み、マイペースで飄々と登っておられた、(多分)桜井識子さんファンの彼の姿が、弥山の思い出として目に浮かびます。 f:id:oinor-i:20190309113547j:plain

 あと覚えているのは、頂上で、私が息も絶え絶えにあえいでいたら、男性3人組に、写真を撮ってくださいと頼まれた事です。正直、「え、マジ?このしんどさで?」と思いつつ、頼まれたから仕方なく、スマホを預かり、構えてシャッターボタンを押したら。それは電源ボタンだったようで、スマホ画面が消えてしまいました。あれ?。仕切り直して、彼等から「ここ押して」と指示されたボタンを押したら、またしても違う場所だったようで、画面が切り替わってしまい。写真撮るだけに、三回も仕切り直しました。本当に使えないオバサンで申し訳なかったのですが、彼等はまったく怒ることなく、笑ってくださり、有り難かった、、、。

 で、この3人組とも、下りの道で、後ろから抜かされたのですが(とにかくみんなに抜かされた私です)、調子よく降りていた彼らですが、先頭の一人が、足場の悪い所で転んで尻もちをついてしまったのです。その時は、あとの二人は笑っていたのですが、この先頭の人、すぐにまた、転ぶのです。確か、私の知る限り、3回ぐらい転んだと思います。3回目ともなると、他の二人も心配し始め、笑いもなくなり、大丈夫?と。桜井さんの本によると、神様のおられる山で何度も転ぶ時というのは、何かしら失礼なことをしてしまった為に、(神様ではなく)眷属から注意されている場合がある、との事。でも、ちゃんと転ばせてくれて注意されたので、それ以上の心配はない(もっと悪いことは起こらない)との事です。彼は、何か知らないうちにやってしまったのかもしれません。踏んではいけない石を踏んだとか、、。ちゃんと転ばせてもらったから、もう大丈夫ですが。

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 あと(まだあるんかい!)、私が下りている時も、次々と登山客が登ってくるのですが、みんな私と同じで、「え?こんなにしんどいの?思ったのと違うよ~」という顔をされているので、親近感がわきまくりました。すれ違うたびに、お互い(よたよた降りているオバサンである私と、登ってくる人達)苦笑いを交わし合うという。彼らは「ちょっとマジ?いや、嘘でしょ。しんどすぎるでしょ。完全に想定外やわ(汗」という苦笑。「分かる~。分かる~。私も死にそうだった~。そして頂上はまだまだ先なの~」という苦笑です。ひらひらワンピースや、ヒールの女性とかまでいましたから。

 なかでも、中年男性8人ぐらいのグループ(何のグループだろう?)が印象に残っています。まだ下のほうだったのですが、すでにゼーハーされていて、特に後ろの数人の男性陣が「ヤバい、無理や、誰かちょっともう、俺のスマホだけ持って行ってくれ(上で証拠写真だけ撮って来てくれ)」と弱音を吐いておられたのには、一番笑わせて頂けました。私も本当にしんどかったのですが、その弱音を聞いて、「わかるわ~」と共感の嵐です。でも彼等も頑張って登って行かれましたが。

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 本当にしんどかったのですが、出会う人出会う人が良い人ばかり、面白い人ばかりで、嫌な気分には一切ならず、しんどかったけど楽しかった、という思い出だけが残りました。

 あと一番心に残ったのは、前回も書きましたが、山頂で蝶々が来てくれた事です。ああ、神様って本当にいるんだなあと思いました。今までもいるとは思っていましたが、私は桜井さんのように、直接声が聞けたり姿が見えたりするわけじゃないので、どこかしら半信半疑な部分が残っていたのです。でもあの、岩しかないふきっさらしの山頂に一匹の大きな蝶々が来てくれた時、私は神様が存在する事を、しっかりと確信できました。なぜなら、それ以外、あそこに蝶々が現れる現象を説明できないからです。あれだけでも、弥山に登って良かったなと思いました。

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 そして、あれほど足を(というか全身を)酷使したにも関わらず、翌日以降、筋肉痛や関節痛が出る事も一切なかったのには、本当に驚きました。普段なら、ちょっと余計に歩くと、私は足が痛くなる人間なのです。足の悪さは持病なので。それが、あんなに登山したのに、まったく足にダメージがなかった。さすがに神様のおられる山だけのことはあるなあ、と、改めて感じました。これから弥山に登ろうと思っておられる方は、きっと楽しい経験をされる事と思います。ただ、真夏とかはちょっと大変かなと思います。熱中症にはお気を付け下さい。あと、12月~2月はロープウェーが止まるので、それもご注意下さい。

 ではでは、長々と、2記事に渡って失礼しました。次は、厳島神社のことを書こうと思います。

 

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↑霊火堂にいたシカ。