書くしかできない

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認知症の父親がPAに置き去りにされた事件について。

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 ぼんやりニュースを見ていたら、上の記事が流れていて、考えてしまった。

 娘さんが、79歳の認知症の父親を、パーキングエリアに置きざりにしたと。その理由が、「自分で面倒を見るよりも、保護されて施設に入った方がいいと思った」から、とのこと。

 この娘さん、別に父親の事が憎かったわけではないと思う。ただお世話がしんどかったのだと思う。

 もう少しちゃんと考えれば、介護保険を使って手伝いの人を頼むとか、日中だけでも施設を利用するとか、どうしてももう丸ごと施設に預けたければ、正面から探してみるとか、色々出来たと思うのだけれど。普通に考えたら、これらはそれほど大変な事ではない。いや、大変だけれども、やらなきゃならない状況なら、歯を食いしばって普通の人ならやるだろうと思う。

 でも、この娘さんにとっては、こういう、一つ一つちゃんと手順を踏んで、少しづつ自分の負担を軽減していく、という作業が、難しかったのかもしれない。0か100かの思考しか、出来ない人だったのかもしれない。

 全く知らない人だけれど、この娘さんも、発達障害だったのかもなあと思ったわけです。違ったら本当に申し訳ないけれど。

 発達障害の人にとって、普通の介護はまだしも、認知症の親の介護は大変だと思う。出来ないだろうと思う。

 だから。

 子供が発達障害の場合、たとえ軽度やグレーであっても、親は自分の老後を、子供に任せてはいけないと私は思うのです。自分がどういう老人になるか、予想がつかないから。認知症にはなりたくないけれど、なってしまったら子供の手に余る事は分かり切っている。

 世間では、この娘さんの事を批判している方が多いようだけども、私は、このお父さんのほうに、疑問を感じてしまいます。

 娘さんを育てていて、もしや?と思った事は無かったのか。この娘さんに自分の老後を任せて大丈夫と、本当に思ったのか。考えるのが面倒くさいから、成り行き任せにした結果が、パーキングエリア置き去りに至ったのではないか。

 まあ、すべて想像ですが。

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 以前にも書いたけれども、発達障害者には、生涯に渡って、相談できる機関が必要だと思う。精神科ではなくて、そういうメンタル的な事での相談ではなくて、日常生活をうまく運ぶ為の相談ができる場所、できる人が、必要だと思う。

 この娘さんにも、親以外に相談できる人(ちゃんとした訓練や知識を持った人)がいれば、認知症の親に対して娘さんがすべき事を、一つ一つ噛み砕いて教えてくれただろう。介護保険の仕組み、利用の仕方、老人用の施設の種類、入所申請方法、などなど。

 今現在も、この娘さんのように、どう生きていったらいいのか分からない、目の前の問題にどう対処したらいいのか分からない、と困っている発達障害者の方は、沢山おられるのだろうと思う。

 NPOでもいいから、相談機関が出来るといいなあと思います。子供(発達障害児)に対する相談機関は出来てきたけれど、大人(発達障害者)が行ける相談機関はあまり知りません。

 出来るといいなあ、と他人事のように書いてますが。だったらお前が作れよ、と言われたら困る。とてもそんな余裕はないから。今目の前の子供をなんとか一人前にするだけで必死。でも、余裕が出来たら、作りたいなあ。子供の為にも。