書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

「発達障害保険」があればいいのに、と思う。

 「発達障害として生まれても、幸せな人生を送れる方法」を真剣に考えるに、「発達障害保険」を作るしかないのでは?という考えに帰結します。

 今、グレー児を含めれば、6人に1人、発達障害が生れています。相当な高確率です。

 発達障害で何が困るのか。

1、幼児期の育てにくさが半端ではない。その為、往々にして虐待が起こる。子供が殺されたり、不適切な育て方をされて二次障害を起こす。

2、幼児期の育てにくさが半端ではないのに、子育てを父親が負担しない事で、限界を超えた母親が、離婚を選ぶ。母親の負担が重過ぎ、母親が心身を病む。

3、幼児期の育てにくさが半端ではないので、普通の親が普通の忍耐力で育てると、親としては精一杯忍耐して育てたとしても、子供からしたら「毒親」になってしまい、親子の間で恨みが残る。

4、発達障害児は集団生活が苦手な為、集団で学ぶスタイルの日本の教育では、発達障害児本人にも、その周囲にも、過剰なストレスがかかる。

5、発達障害児は一斉教育では学びずらい、また、1教科だけ得意でそれ以外はまったくできない等凸凹がある為、知能が高くても、受験で落ち、高等教育が受けられない。

6、コミュニケーション能力がない為、就職がうまくいかない。仕事が続かない。

7、障害者枠の仕事は、正社員ではなく、切れ切れのアルバイトしかない為、変化に弱い発達障害者には向かない。

等々。

 書こうと思えばもっともっとありますが、今、パッと頭に浮かんだ事だけ羅列してみました。これらを解決する為には、「発達障害保険」を作り、上に書いた事をカバーできるサービスを盛り込めばいいわけです。

 幼児期・学齢期は、「人手」があれば乗り切れますから、幼児期ならヘルバーさん、学齢期なら学力補助の人、をつけるサービス。これによって、1~4が解決します。

 また、5については、コミュニケーション能力を学ぶ教室を作る事で、ある程度解決されます。幼児期だけではなく、一生通い続ける教室です。今でも行政による療育クラスはありますが、主に幼児期に限られていますし、成人になっても通える所はありません。本当は、成人になっても、死ぬまで、発達障害者はコミュ力を学ぶ必要があるのです。グループ形式で、心理の専門家も入り、コミュニケーション力を学ぶクラス。そういう定期的に通え、何でも相談できる居場所と仲間が、発達障害者には必要です。学校や職場で困った事があれば、すぐに相談し、自力で解決が難しければ、代理で職場なりに交渉してもらうなどの支援も受けられる、そんな頼りになる一生涯通える教室です。

 6については、5が解決すれば、ある程度は解決していくはずです。それでも、どうしても仕事につけない、という重度の発達障害者は、行政の福祉を利用してもらうしかありません。

 それでも、この保険によって、グレーから軽度の発達障害者は、かなり社会参加が可能になるのではないかと思います。

 いずれにしても、医師の診断によって、障害レベルにあわせてサービスが受けられるようにしていけばいいと思います。

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 運営制度はこんな感じ。

 「発達障害保険」は、妊娠した際に入るか入らないか選び、まず頭金を払います。例えば、頭金100万払ってこの保険に入る。生まれた子供が発達障害であれば、保険によるサービスが受けられる。逆に、生まれた子供が健常児であれば、頭金は掛け捨てになりますが、それが発達障害児のサービスを行う資金に使われるわけです。

 保険はお金ではなくサービスでおりるようにするのが大事だと思います。お金でおりると、親が使ってしまい子供にまわらない危険がある為です。

 また、頭金を払わなかった親でも、子供が発達障害だった場合は、このサービスを割高の有料で受けられるようにしたらいいと思います。保険に入っていたら一回数百円で受けられるサービスを、一回数千円払うなら受けられる、というような。

 今現在、成人の発達障害向けの成人のコミュ力教室など、どこにも存在しないので、お金を払ってでも参加したい、という人はいるかもしれません。また、手の足りない幼児期、お金を払ってでも子育てを誰かに助けて欲しい、という人は絶対にいると思います。健常児なら普通の託児サービスを利用できますが、発達障害はそれなりの専門家ヘルパーでなければ託児できないので。

 考え出すと色々浮かんできます。

 発達障害については、個人的な「ポジティブ意識」「前向きな気持ち」だけでは、乗り越えられない部分が多いと私は思います。制度として、何か作っていかないと、「前向きになるのは個人の努力」だけでは、たちゆかなくなる気がします。

 もちろん、前向きな気持ちで生きていく事自体は、とても大切で、それは保険が出来たとしても、同じ事です。 

 3人に1人が癌で亡くなっている今、ガン保険はもはや一般的になりました。6人に1人発達障害が生まれて来る今、発達障害保険もまた、必要ではないかと思うのです。