書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

ルーブル美術館展に行って来ました。

 大阪市立美術館で開催中の「ルーブル美術館展」に行って来ました。テーマは「肖像芸術」。彫刻や絵画の肖像が並んでいます。

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 前々から心待ちにしていたのと、こういう特別展は、期間前半のほうが空いている(後半は混みだす)とよく聞くので、スタートと同時に行って来ました。

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 平日昼間に行ったのですが、驚くほど空いてまして、有り難い事にゆったりと鑑賞できました。行こうかなーと思っておられる方、今ならゆっくり見れますよ(^_^)。

 音声ガイドは高橋一生さん。おおお、嬉しい。以前、神戸美術館(多分)で、水谷豊さんの音声ガイドに出会った時以来の嬉しさです。一生(呼び捨て、笑)の声をずっと聴きながら、一つひとつゆっくりと見てまわりました。

 特に心に残った画を挙げます(画像はネットからお借りしました)。

↑「アルコレ橋のポナパルト」。精悍なナポレオン。見ているだけで、力が湧いてくる気がしました。ナポレオンの絵の中では、この絵が一番好きです。成り上がっていった男のとんでもないエネルギーと、大志を持った一途さ。ゾクゾクしますね。

 

↑「エカチェリーナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像」。とても愛らしい表情に心を奪われました。ロシアの伯爵夫人だとか。当時の貴族婦人には珍しく、飾らない衣装を好み、髪なども自分で整える女性だったのだそう。彫像もありました。いつまでも観ていられる美しさ。

 

↑「美しきナーニ」。モデルが誰なのかはハッキリしないそう。金髪、大きな金の装飾品、大きく開いた胸元(未婚女性は開けれなかった)、胸に手を置くしぐさ(貞節の象徴)、など、当時の美人貴婦人(既婚)の象徴と言える画なのだとか。どこから見ても、絶対に視線が合わないのも、奥ゆかしさの演出だとか。ちょっと斜視気味に描いているせいだと思われます。

 

 

マリー・アントワネット。小さい像でしたが、存在感ありました。当時のフランスで、誰はばかる事なく日々を楽しんでいた女性。全ての我儘が通り、贅の限り尽くした人生の先に、悲劇が待っていると想像できなかった、考えの浅いところのあった美しい女性。「人生を楽しめば、その先には幸せがついてくる」という自己啓発が嘘である事を、この女性の人生が証明してくれている気がします。

 

「ルーブル美術館展」の画像検索結果

↑「マリア・テレサ王女」ベラスケス作。ハプスブルク家らしい長いうりざね顔と受け口。フェリペ四世の娘で、ルイ14世と結婚した王女。後にルイ15世を産み、その子がマリー・アントワネットの夫のぼんくらルイ16世。血縁結婚を繰り返した結果、権力と財力を溢れんばかりに持っていたにも関わらず、最後には病児と障害児しか生まれなくなり、名家ハプスブルク家は亡くなるわけですが。天才ベラスケスの手によってすら、この王女の悲劇的な暗さは、拭えなかった。じかにこの絵が見れて感激です。ハプスブルク家は、確かに存在したのだなあ。

 しかし、日本ではどれほどの名家であっても皇室でさえも、婚姻に際しては「外の血」を入れてきたのに、何故西欧の名家は、血族結婚を辞めなかったのか、不思議でなりません。「我が血」に固執する強いエゴの存在を、感じてしまいます。そしてそれ故没落していくという皮肉。

 

 今回のルーブル美術館展には入っていませんが、ハプスブルク家のメンバーの他の絵を数枚。

 「ラス・メニーナス」の画像検索結果

↑「ラス・メニーナス」。5歳のマルガリータ王女。母親は違えど、マリア・テレサと同じくフェリペ四世の子です。ハプスブルク家のうりざね顔と受け口。幼女にしてこの圧巻の暗さ。凝縮した「青い血」を感じます。彼女の母マリアナは叔父と結婚して彼女を産みましたが、彼女もまた、実母の実弟であり且つ父の叔父でもあるレオポルト一世と結婚します。産んだ子を次々と亡くし、21才の若さでこの世を去ります。

「カルロス二世」の画像検索結果

「カルロス二世」。同じくフェリペ四世の子。マルガリータ王女の弟。最後に残ったただ一人の男児。けれど、画家の精一杯の粉飾を持ってしても、痛々しいまでの病的な資質は隠せません。血族結婚の延々の繰り返しの末に生まれた彼は、「生まれた時から死に瀕していた」と言われ、心身ともにあまりにも弱く、後継ぎを残す事なくこの世を去ります。彼の死をもって、スペイン・ハプスブルク家は終焉を迎えるのです。

 

 ルーブル美術館展に戻りまして。画像が拾えなかったのですが、ナポレオンの彫像も素晴らしかったです。大きい、というのもありますが、衣装の襞の一つ一つまで細かい細工が施され、かたい石のはずなのに、柔らかい布に見えるという、、、。こんなものをよく空輸してこれたものだ、と感心しました。おかげさまで、この目で見れて感動です。

 他の展示については、ホームページがあるようなので、宜しければそちらでご覧下さい↓。

作品紹介|ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか|読売テレビ

 

 あと、私には珍しく、ギフトショップでお買い物をしてしまいました。

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 音楽とお菓子。退廃的ですね~。

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 CDは、音声ガイドで流れていたベートーベン(ナポレオンの為に作った曲なのだとか)がよくて、それが売っていたので。一緒に並んでいたCDもザーッと買いました。まだ全部は聴いていませんが、いい感じです。我が家のリビングが、ルーブル美術館になります(笑)。

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 鎌倉紅谷の「ルーブルっ子」は間違いない美味しさでした。あと、キュビタスのチョコレートと、パリっぽい飴。飴、かわいいです。食べるのがもったいない。鞄に入れて、何かの折にひょこっと出して誰かと食べたい感じ。

 楽しかったです。

 多分、一生フランスには行かないと思うので、一部とはいえ、見れて良かった。嬉しいです。

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 この建物も好きです。花壇や、景色も美しい。良い秋の1日でした。

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