書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

現状維持バイアスと先送り

 現状維持バイアス、という言葉があります。

 ざっくり言えば「現状維持のほうが、変化よりもラクなので、客観的に見れば変化を選んだ方がいい場合でも、主観的には現状維持のほうが正解に思える、という心の傾向」という感じだと思います。

 以前、読書記録に書いた本にも、「ストレスというのは、変化のことである」と載っていました。悪い変化だけでなく、良い変化もまた、ストレスになるのだそう。こちらの記事です↓ 

oinor-i.hatenablog.com

  であるならば、変化の真逆の「現状維持」を選択するという事は、心の自然なストレス回避本能である、とも言えると思われます。

 ですが。いくらストレス回避と言えど、変化すべき時に変化を避けてしまうのは、その時直近のストレスは回避できるでしょうが、将来に対して大きなストレスの種を撒いた、と言えると思います。

 今回の西日本豪雨でも、現状維持バイアスが働いてしまい、避難すべき時に避難できずに命を失った方も多いと聞きました(ご冥福をお祈りいたします)。

 息子が発達障害なので、界隈の人とよく知り合うのですが、子供の障害を頑として認めない親御さんも、時々おられます。一概には言えませんが、現状維持バイアスも関係しているのかなと、思います。お子様が支援や配慮を受けれないので残念だなと思いますが、現状維持バイアスが人間の性だとしたら、仕方ない事なのかもしれません。

 最近、ある法則に気づいたのですが、「現状維持バイアス」が強い人は、苦手な事を先送りする癖も、強いように思います。先送り、というか、後回しというか。

 私も、「先送り癖」があるので、本当に実感として思うのですが、後回しにした所で、いずれやらねばならないのですから、今すぐやればいいのに、先伸ばしにするのです。自分の心の中をよくよく覗いて見るに、「先にのばせば、それをやらずに済むような」気がしているのです。非現実的な希望的観測、とでも言えそうな、超ご都合主義な事を考えているのです。でも、やらずに済む事は絶対にない、と同時に分かっているので、何故今すぐやらない?と、我ながら地団太踏みたい思いです。

 なので、「先送り癖」のある私は、同時に「現状維持バイアス」も強い人間です。

 でも、こと子供のことに関しては、自分を律して「前倒し」「前倒し」、気が付いたらすぐやる、後回しにしない、という事を、心がけてきました。同時に、変化がどれほどストレスでも、必要であれば変化を取っていく事も、心がけてきました。多分、心のどこかで、子供に関して先送りしたり現状維持に甘んじていたら、洒落にならない事態が起こる事を、察していたからだと思います。

 あちゃー、とか、えへへ、とか、やっちゃった、とか、そういう軽いノリで片づけられない深刻な事態になってしまう事に、気づいていたからだと思います。

 結局のところ、現状維持バイアスも、苦手な事の先送り癖も、ストレス回避のなせる業、なのだ、と分かっている事が、一番大事なのかもしれません。

 「今、現状維持を選択したけれども、これは正当な理由がある、というよりは、変化したくないというストレス回避の選択なのだと思う」と自分で分かっている事。そうすれば、変化に対するストレスと、現状維持を選んだ結果将来起こるであろうストレスとを、冷静に天秤にかける事ができるからです。

 現状維持って、なんとなく「現状維持が一番正しい」と幻のように思い込んでしまえるんですよね。でも、苦手な事の先送りは、やってる本人が「間違った事してる」とハッキリ自覚できる。現状維持バイアスも、先送り癖も、実は同じ土俵の上にある、と思えば、「現状維持が正しい」という思いこみに少し隙間が空くのでは、と思います。

 もちろん、現状維持が、いつも悪いわけではありません。たとえ変化する事が正しい選択だった場合でも、今は弱っていて変化に対するストレスに耐えられない、だから今は現状維持をあえて選択する、という決断でもいいわけです。要は、自分の決断が、現状維持バイアス由来かどうか、自覚できていればOKだと思うのです。

 もし考えてみても、現状維持バイアスかどうか分からない、という人は、自分に「先送り癖」がないかどうか、考えてみるといいのではないでしょうか。完全な私見ですが、私のように先送り癖があれば、現状維持バイアスも強く持っている場合が多いと思うので。

  今日はなんか、よく分からない事を偉そうに語っております。こういう時は、往々にして、直後にコケるので気を付けよう。偉ぶるのが本当に私の悪い癖です(他にも悪い癖は沢山ありますが)。。。まあ、せっかく書いたので、一応アップしておきます<(_ _)>。