書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

親がかりの度合い

 少し意地悪な意見を、今日は書いてみます。

 よく、小さいお子さんがおられる親御さんで「子供が親がかりなのは、一瞬だけ。思春期にもなれば、親から離れて自分の世界を作っていく。それは寂しいけれど、自然な事。だから親は、自分の世界を持ち、親自身が幸せになる事が大事。子供は、幸せな親を見て安心して、自分も幸せになっていくのだから」的な事を、仰る方がおられます。

 私は、子供には強い子もいれば、弱い子もいると思っています。強い子は仰る通り、思春期になれば親から離れて自分の世界を作っていきますが、弱い子はいつまでも親がかりです。思春期になっても、成人しても、大人になってもずっとです。親がかりのその割合は、個人差があります、勿論。10%の人もいれば、90%親に頼って生きていく人もいます。

 いずれにしても、全ての子供が、思春期になれば、自然に親から離れていく、わけでは決してないと私は思っています。

 だから、上のような事を仰る方を見ると、「そうとも限らないのにな」と思うわけです。その方に、直接は言いませんが。

 また、皮肉なことに、上のような事を仰る方のお子様というのが、往々にして、いわゆる「弱い子」なのです。いつまでも親がかりになるであろうタイプ。発達障害にどこかしら引っかかっている感じ。幼少期、他の子よりも手がかかるからこそ、親御さんから上記のような言葉が出るのだろうと思われます。幼少期もさして手がかからなければ、「この子に手がかからなくなるのはいつだ?」という考えも、浮かばないと思いますし。今、めちゃくちゃ手がかかっているからこそ「いつ手が離れるの?」と考えてしまい、「思春期には離れるのだから、これは期間限定なのだ」と考えて、ある種の安心を得ているのだろうと思うのです。

 でも、それは違うと私は思うのです。

 手がかかる子ほど、成長しても親がかりな状態がなかなかなくならない。幼少期、手がかからなかった子ほど、成長するのが早く、早々と自立していく。

 不公平かもしれないけれど、これが現実だと私は思います。

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 でも、親がかりがずっと続くと一言で言っても、先にも書いたように、その割合には個人差があります。90%親がかりの状態がずっと永遠に続く人もいれば、5%程度の人もいる。同じ「弱い子」「発達障害」であっても、親がかりの度合いに差が出てくる。

 その差は、親の、子供との関わり方にあると、私は思います。

 子供の立場に立った関わり方を常に考え、親の我を押し付けずに、丁寧に子育てをしてやれば、弱い子であっても、本人の能力を目一杯使ってそれなりに自立していき、親がかりの度合いが減っていきます。逆に、親の我を押し付けた勝手で雑な子育てをしてしまうと、弱い子は痛めつけられる事によってより弱くなってしまい、本人がいくら親から離れたいと望んでも、本人に親から離れる能力が足りないために、親にしがみつくしかできなくなります。

 意地悪な意見かもしれないけれど、これが現実だと私は思っています。

 私自身はいわゆる「強い子」だったので、けっこう雑な子育てされましたが、早々に親から離れる事ができました。でも、息子は「弱い子」なので、私に出来る限りの丁寧な子育てをしてきましたが、他の子よりは自立していくスピードが遅いです。それでも、今高3で、親がかりの度合いは30%程度でしょうか。もっと低いかな。ほとんどの事はもう自分で判断して一人でやっています。人付き合いにしても、あまり困る事なく一人で考えてやっているようです。困った時はすぐに私に相談してくる子なのですが、最近は相談される事がほとんどありません。

 手前味噌な、自慢めいた事を書いてすみません。他の人の例を知っていればそれを書けたのですが、弱い子を丁寧に育てて自立させた例を知らないので、自分を例に書きました。逆の例は、本当によく見て来ました。つまり、弱い子を雑に育てた結果、子供が更に弱ってしまって、成長しても親がかりから抜けられない状態になってしまった例です。これは今、本当に多いと思います。

 結論を言えば。強い子であれば雑な子育てでも全然大丈夫なので、お子さんが強い子か弱い子か見極めるのが、まず第一。そして、弱い子であった場合は、子供に合った子育てを丁寧にしてあげるのが、安全だと思います。そうすれば、強い子と同じように、思春期になれば自然に親の手元から離れていくことが可能だと思います。逆に、弱い子なのに(弱い子だからこそ?)、将来困らないように、という名目で、スパルタで育てるのはけっこう危険だと私は思います。

 また、上に紹介したご意見のように、「親が幸せになる」とか云々は、あまり関係ないんじゃないでしょうか。だって、とてつもない聖女でない限り、たいていの親というのは、子供より自分の幸せを優先するものです。私もそうです。わざわざ「親が幸せになる」事を目指す必要はないと私は思います。絶対とまでは言わないけれど、たいていの親は、子供より自分の我を満たすほうを優先しているものだから。

 自分より、常に子供を優先しているお母さんを、私は見た事がありません。表面的には子供を優先しているように見せていても、本当の根っこの真の部分では、親都合を押し通しているのが普通です。表面的にではなく真の意味で、常に子供の心を満たす事を優先している聖人に、私は今まで会った事がありません。

 だから、「親自身が幸せになることが何より大事」と言われても、いや、すでにみんなそういう風に生きてるんじゃないだろうか、、、と思ってしまいます。

 (強い子弱い子について書いた過去記事はコチラです↓) 

oinor-i.hatenablog.com