書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

不登校に対する意見2種類

 先日はたまたま、不登校に対する対照的な2種類の意見を読みました。

 一つは、民間のカウンセラーさんの記事。ユーチューブもバリバリやっておられるプロカウンセラーさん。記事はコチラです↓。

子供「学校行きたくない」→母「今日はムリ。」でじゅうぶん | いがぐりこの トゲトゲ殻の中身は

ーーー上記記事から抜粋ーーー

子供が学校(あるいは幼稚園)に「行きたくない」とグズグズしたとき。母親の私は、「今日はムリ」って言ってた。だって、学校行ってくれないと、わたしがやりたいことできないもん。今日は、静かな部屋で1人で寝たい。他にもやりたいことがある。あれもしたい、これもしたい。もっとしたいもっともっとしたい〜。だから、どうしてもどうにもならない病気や怪我以外の、くだらない愚図りで、わたしの予定が狂うのはイヤ。「今日はムリ」でじゅうぶん。母親の都合で学校に行かせていいし、(てか、そもそも学校行かせるのは大人の都合だ)。「はい、行って行って~。はーい、行ってらっしゃーい」今までそうしてきたけど、それで、特に子供がどうにかなったことはない。腫れ物に触るように子供を扱わんでよろしい。
ーーーー抜粋終了ーーーー
また、上記記事内には、別記事が引用されてました。その内容はこんな感じでした↓。
子供が学校に行かないことは、問題でも何でもない。ママが自分の人生を見失っている方が、100万倍問題が大きいのです。不登校は、ママの本音に気づかさせてくれる。ママがどう生きたいのか、どうすれば幸せになれるのか、不登校はママが自分の生き方と向き合う時間なのです。 
  
 上記のご意見は、子供が「学校に行きたくない」と言ったら、「それではママが困るから、学校に行きなさい」と言うべき。子供の話をゆっくり聞いてやるとか、親身になって対応するのは、むしろ逆効果。「ママが困るから学校行って」と問答無用に家から出すべき。子供の不登校には、親がいちいち取りあってはいけない。それよりも、お母さんは自分が幸せになる事を一生懸命頑張るべき。というような感じでしょうか。
 確かに、「あなたの為だから、学校に行きなさい」と表面的に取り繕うよりは、「あなたが家に居られるとママが困るから学校に行って」と言うほうが、それが事実であるなら正直な分マシかもしれないけれど、なんとも乱暴なご意見だなあと、思いました。
 否定して申し訳ないのだけれど。。
 最初の記事のカウンセラーさんは30代の女性で、小学生のお子様が3人おられて、ご自身の育児経験からも発言されておられるようです。ですけども、、、たまたまご自身のお子様方に問題が起こらなかっただけで、こういう対応で、しんどくなるお子さんも世の中には沢山いるのではないか、と私は感じてしまいました。
 私と同じように感じた方が他にもおられたようで、上の記事には、こういうコメントが入っていました↓。
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これは登校しぶりや、ぐずりの場合は、
これでいいと思いますが、
不登校は、またちがう。
こんな簡単なことやないとおもう。

なので、不登校といっても
たんにめんどいとか、いやだとかの、
ぐずりなら、この対応でうまくいくやろし、

でも、ほんまにメンタルやられて学校行けない子には、そうした事により、命を絶つ子どももいる。

とても難しいと思う。
ひとくくりにできないとおもう。

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このコメントに、私は共感したのだけれど、このコメントに対するカウンセラーさんのお返事は、以下のものでした↓。

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残念ながらこの記事には「不登校」とか「命を断つ子」の話はどこにも書いてないのよね。だからね、書いた範疇外の話だから、返答に困るというのが正直なところ(笑)

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 私は、えっ?と思いました。というのも、確かに、ご自身の記事には不登校の文字はありませんが、その記事内で引用されている記事には、何度も不登校の文字が書かれていますから、不登校をテーマに書かれている事は、疑いようがなかったからです。「私は不登校を念頭に置いて書いてないです」というのは、ちょっと通らないかなあと思いました。

 まあ、否定コメントが入ったら詭弁で誤魔化してしまうのは、それは誰しもがやる事なので、仕方ないかなあとも思うのですが。プロのカウンセラーさんの対応としては、少々不誠実かなと思ってしまいました。一般の方なら問題ないですが。

 記事内で引用した記事が不登校がテーマならば、元記事も不登校がテーマだと当然判断されます。不登校の子供を、問答無用で学校に行かせるというのは、そして、それをカウンセラーさんが、不登校に悩む親に勧めるというのは、ちょっと信じがたい思いがしました。 

 お子さんが強い子なら、この対応で問題ないでしょうが、弱い子が母親からコレをやられたら、精神がもたないと思います。でも、上記の記事を読んだ沢山の母親が、「そうなんだ。それでいいんだ」と思い、彼女の真似をするわけです。母親自身はそれでラクでいいんだけれども、弱い子供は苦しみます。

 何度も書きますが、この方のお子さんはたまたま強いお子さんだから、この対応で問題がなかっただけで、こんな風に育てられたら弱い子はひとたまりもないです。

 また、二つ目の記事にある「子供が不登校になるのは、母親が子供の事を考えすぎているせい。母親が子供の事を忘れて自分自身の幸せだけを考えれば、子供は不登校にはならない」というご意見も、疑問に思います。

 母親が、自分のエゴを子供に押し付けてああしろこうしろ言ったり、母親が過度な心配性で、自身の心配な気持ちを子供に押し付けたりしたら、それは悪いです。母親が、子供をコントロールしようとしているからです。それは、母親が身勝手なだけです。子供の身になって考えてやっているわけではなく、母親自身の気持ちを子供に一方的に押し付けているだけです。

 もし、不登校のお子さんを放任することで、お子さんの不登校が解消したとしたら、それは、お母さんが子供にエゴを押し付けるのを止めたから、なだけだと思います。親が子供をコントロールするのを止めたから、なだけだと思います。この方の言うように、「お母さんが幸せになったから」ではないと思います。それは関係ないです。

 本当なら、子供をコントロールするのをやめ、子供の立場に立って親身に支えてやる事が、必要だと私は思います。

 何度も繰り返し書きますが、子供には強い子と弱い子がいて、強い子なら、上の記事のような乱暴な扱いをされても問題ないですが、弱い子がこれをやられたら、ひとためりもありません。そして、上の記事のような「不登校の解決方法」がテーマの記事を読むのは、不登校に悩んでいる親御さんです。そして、不登校になっている子供の多くは、弱い子です。また、不登校児には、グレーを含めた発達障害児の率も高いです。

 もしかしたら、上の記事を書かれた方々は、健常児で、且つ、強い子だけを限定して想定して記事を書いたと主張されるかもしれませんが、強い健常児が不登校になるケースは稀なので、そして、プロのカウンセラーを何年もされていれば、その事は十分知っておられるはずなので、詭弁としか思えません。

 子供の事なんか考えなくていいよ。お母さんは自分の幸せだけを考えて。それが子供を不登校にしない方法だよ。こう言われたら、親は嬉しいでしょうから、クライアントは増えるでしょうけれど。一時的に母親をラクにしてあげる、というだけの目的なら、これでもいいのでしょうが。結局子供に傷を残し続けるのなら、問題の先送りですから、いずれ何倍もの苦しみを、その母親に与える事になると思います。

 私が本当に分からないのは、こういうカウンセラーさん方は、どうして、母親が子供に対して親身になって考えてやる事と、子供に自分のエゴを押し付けコントロールする事を、混同するのか?という事です。

 母親が、親身になって子供の事を考える事は、子供をコントロールする事ではなく、子供を支えることです。全く別物です。

 母親が子供に対して親身になってあげると、母親自身は幸せになれない、という論理も、私には理解できません。母親が幸せなら子供も幸せ、という決めつけたこの考え方は、ある種の自己啓発や心理学で主流であり、上記の記事は、その代表というべきものだと感じたので、勝手ながらご紹介かたがた、私の意見も述べてみました。否定意見を書きましたので、ご不快になられた方がおられたら、申し訳ありません。

 一時的に、不登校児の母親をラクにしてあげる為に、上記のような対応を勧めるのであれば、理解できるのです。でも、その場合は、きちんとそのように、断りを入れて欲しいと思います。これは、一時的対処法ですよ、と。母親に余裕が出てきたら、ゆくゆくは子供の立場にも立ってあげようね、と。

 

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 さて一方、先日、こういう記事も読みました。上記記事とは真反対のご意見です。こちらは、はてな常連の先生のブログです↓。

登校しぶりにどう対処するか - 質問箱の質問から - パパ教員の戯れ言日記

ーーーー上の記事から一部抜粋ーーーー

まず、大きくおさえておきたいのは、登校しぶりに関して、逃げだとか、甘えだとか、怠けだとか、そういう捉え方をしてしまった時点で解消は遠いということです。

もちろん、肯定的に捉えることは難しいとは思いますし、親御さんからすれば不安になると思います。しかしながら、登校しぶりは何らかのメッセージが内包されていると考えないと、原因を考えるというステップに進めません。

ほとんどのケースにおいて「理由」があり、そのために登校しぶりという現象が起きていると考えましょう。ですから、気合いでどうにかなるモノではありません。

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こちらの記事には、共感します。私が思っている事と同じで、安心できました。この記事では、この後、具体的な対応方法を詳しく書いて下さった後に、

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低学年のうちはストレス(不安感)への対処法が確立できておらず、登校を渋ることが多いように思いますが、ここで上手に対応することで、確実に回数は減ると思います。根気強さがいりますが、担任もサポートする(はずな)ので、じっくりいきましょう。

ステキな2学期になることをお祈りしています。

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と結んでおられます。

本当にそうだと思う。最初の対応がとても大事なのですよね。最初の頃に、「この程度」と軽く考えて乱暴な対応をしてしまうと、親自身が後々苦労すると思います。

親自身の為に、子育ては丁寧に、というのが私の変わらない持論です。最後まで偉そうですみません。 

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