書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

子供の能力を正しく見積もる事。

 前回の記事の続きのようなものを、今回は書きます。

 前回、「自分の能力を正しく見積もる事は大事」な理由を書きました。

 実は前回、書きそびれた理由がもう1つありまして、それは、「自分の能力を正しく見積もれる親は、子供の能力も正しく見積もれるから」なのです。これは逆もしかりで、「自分の能力すら正しく見積もれない親は、子供の能力を正しく見積もる事はできない」と私は思っています。

 

 どういう事かといいますと、これも、過去に拝読した記事を例に挙げて説明してみたいと思います。

 三人姉妹のお母様のブログ記事なのですが、そのお母様は、お子様三人がとても落ち着きがない事に、劣等感のようなものを感じておられました。普段は気にしておられないのですが、レストランで食事をした時などに、よその大人しい落ち着いたお子さんを見ると、我が子との差に悲しい気持ちになる、と。

 たまたま見た他所のお子さんで、とてもお利口さんの1歳ぐらいの女の子がいて、ちゃんと椅子に座って、とっても可愛い服装をさせてもらって、店員さんにも愛想よく、両親も女の子も終始ニコニコで、両親は食事中ワインすら飲んでゆったり寛いでおられる。

 翻って自分の場合を見て見れば、子供達がガチャガチャするので、食事など落ち着いて取れた試しがなく、レストランでもとにかく口に突っ込んで一刻も早く出る事しか考えられなかった。子供達全員が小学校に上がるくらいまで、ずっとそうだった。我が子達の場合、1歳であんなにお利口さんでニコニコして座っていられるなんて事は、絶対になかった。

 そのお母様は、我が子がガチャガチャである理由を、「私が3人も産んでしまったからかも」と書いておられました。「一人っ子なら、うちの子も、あんな風に落ち着いた大人しいお利口さんだったかもしれない。三人も一度に育てているから、親の私が一人ひとりに対して手抜きにもなるし、乱暴にもなる。いつもいつも叱り続けてしまう。落ち着いた穏やかな育児環境を作ってあげられないから、ウチの子達は、ガチャガチャした落ち着きのない子に育ってしまったのかも」と。

 そして、3人産んだ事を、悔やんでおられました。一人っ子にしておけばよかったと。その時一瞬そう思われるのではなく、もう何年も、ことあるごとにそう思って悔やんでおられるそうです。

 でも。

 一人っ子でも、落ち着きのない子は沢山いますよね。私の息子は発達障害児なので例に挙げるのは不適当かもしれませんが、ウチの息子とて、一人っ子で、理想的な育児環境で育てましたが、やっぱり小学校に上がる頃まで、レストランで落ち着いて座っている事なんてできませんでした。

 その方のお嬢様3人は、もともとの性格がとても活発なのであって、三人姉妹だから落ち着きのない性格に育ってしまった、わけではないかもしれません(正確なところはわかりません。可能性として書いています)。

 なのに、「一人っ子にしておけば良かった」と悔やみ続けるのは、時間の無駄だし、自分にとってもお子様達にとっても、マイナスでしかないと私は思いました。

 その方が悔やみ続ける根底には、「私の子供は、本来は大人しいお利口さんである筈」という決めつけがあり、でも実際にはそうではない理由として、「三人も産んでしまったから」というものを、採用しておられるわけです。

 でも、本当は、その方のお子様方は、本来も活発なご性格かもしれません。もともと落ち着きのない子であるのかもしれません。そこをきちんと親が見極めず、「一人っ子じゃなかったからだ」と逃げていると、正しく子供を見る事ができません。

 活発で落ち着きのない子なら、それ相応の対応をして育ててあげればいいのに、そうせず「私が三人も産んだからだ。悪いのは私。子供達が可哀想」と自責しているようで、実は自責に逃げているように私は感じたのでした。

 その方ご自身が、全力で三人の子育てに取り組む、という事から逃げて(三人もいるから、雑になってしまうという言い訳に逃げて)、逃げている罪悪感を誤魔化す為に、「三人産んだ私が悪い」と自責に更に逃げておられる。

 本当は、全力で子育てされてみたらいいと思うし、ご自身が全力で子育てされたら、お子様が本当は、どうなのか。お一人お一人、どういうご性格なのか。本当は穏やかなのか、いや生来活発なのか、必ず見えてきます。とても大変だし、根気も忍耐もいる事ですが、本気で全力で子供達と向き合えば、必ず見えると思います。

 子供の能力を正しく見積もる事は、その子にあった子育て方法を知る最初の一歩だし、また、その子にあった将来設計を考えてあげる最初の一歩でもあります。

 でも。親自身が自分の能力を正しく見積もる事から逃げていたら(全力を出さない癖がついていたら)、子供の能力を正しく見るなど絶対にできないし、そうなると、子供にフィットしない子育てをしてしまう危険はいつもあり、子供の将来についても、何も思いつかない五里霧中になってしまいます。勢い、自分の事は自分で考えなさい、と突き放す事になり、情報力の無い子供さんだと、お子さん自身も悩み苦しむ事になります。

 親自身が、自分の能力を正しく見積もる習慣があれば、それをそのままでお子様にも対応できるので、迷いが減り、無駄な自責もなくなります。そして何より、お子様が幸せに生きれると私は思います。その為には何よりも、親自身が全力で生きることが必須だと、私は思います。

 

f:id:oinor-i:20190416102646j:plain