書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

子供の嫌がる事はさせない、という意見

 ちょっと、考えてしまったことを、今日は書きます。
 
 ある方が、小学一年生のお子様のお母さんなのですが、先生に「ウチの子には、学校で、嫌な事を無理強いさせないで下さい。させると学校に行けなくなりますからね」と、念押しして伝えているそうで。
 お子様には発達障害があり、保育園は休みがちだったので、小学校はそうならないように、との親心だと思うのですが。そして今のところ、小学校には嫌がらずに通えているとの事なのですが。
 お母さんいわく「ウチの子は、学校では、嫌な事は一切していないから。出来る事だけして生活しているの」と。多分、支援クラスに在籍されているのだと思います。とはいえ、支援クラスでも、苦手な事嫌な事を、練習する機会もあるだろうと思うのですが、そういう事は一切させていないのだとか。
 その理由として、そのお母さんは、こう仰る。
「子供のうちから我慢を経験させて、強制する事で耐性が付くのなら、みんなできてるはすだよね?勉強嫌いな大人はいないよね? でも実際は、逆じゃない? 子供に我慢させることが良い大人に育つ要因とは思わない。私がこういう事を言うと、『お子さんが我慢できない大人になりますよ』とか『自分勝手な人間になりますよ』とか言われるんだけど、違和感あるわ」と。
 
 仰りたい事は分からなくもないけれど。
 私が思うのは、大人は、子供の成長を助ける義務がある、という事です。
 子供にとって、特に発達障害児にとっては、初めての事や苦手な事は、「嫌な事」です。だから、自らは絶対にやらない。「子供が嫌がる事はさせない」という方針だと、その子は、初めての経験や苦手な事にトライしてみる経験を、欠いたまま育つ事になります。
 でも、発達障害児である我が子を育ててみて思ったのですが、子供が「嫌だ」と感じる事でも、大人がしっかり事前準備をしたり、上手にサポートしたり、支援したりすることで、意外と簡単にクリアできる事は多いのです。発達障害児はこだわりが半端ないので、いわゆる「食わず嫌い」なことが本当に多いからです。
 事前に、細かく情報を与えてあげる事や、子供が不安にならないようにスムーズに運ぶように工夫してあげる事や、何があってもすぐに信頼している大人(親が教師)に助けを求められる状況に置いておいてあげる事、など状況を整えてあげれば、子供は「嫌だと思っている事」も、クリアできる事が多いです。そうやって、大人の支援によって、少しづつ経験値を広げてあげる事は、特に小学生の発達障害児には必要な事だと私は思います。でないと、本当に、何も経験しないままで育ってしまいます。発達障害児は多かれ少なかれ、自閉的傾向を持っているので、「外からの刺激を遮断して自分だけの世界に閉じこもる事」がとても好きだからです。
 
 もちろん、そのお母さんが仰るように、「やみくもに子供に我慢を押し付けること」は絶対によくないです。百害あって一利なしです。でも、だからといって、「子供が嫌がる事は一切させないで下さい。でないと学校に行けなくなります」と先生に言うというのは、どこかズレているなあと思いました。
 私の場合は、我が子が学校生活で戸惑うであろう事を、全部箇条書きにして担任と、支援の先生にお渡ししました。対処方法、サポート方法も全て書いてお渡しし、支援の先生とは、毎日交換ノートで状況を確認報告していました。
 障害レベルが中度(そこそこ重い)の息子でしたが、一年生から通常クラスで生活できたし、あらゆる行事も参加できたし、息子は学校が好きでした。嫌な事も沢山したと思いますが、登校拒否にはなりませんでした。
 そして、小学校の時に得た様々な経験値が、高校になった今、活きて来ている事を感じます。
 
 「子供の嫌がる事は一切させない、させると登校拒否になるから」というのは、あまりにも極端なお考えだなあと思いました。
 子供が苦手な事でも、大人の丁寧で綿密なサポートがあれば、子供は負担なく経験していく事が可能だと思うし、大人がそれをしてあげて欲しいなあと思います。
 子供が嫌がる事はさせない、機嫌を損ねると面倒だから、というのは、安直ではないかと(すみません)思います。
 なぜ、「やみくもに我慢させる」一択なのか、が不思議です。そうではなく、「子供を助けて手伝って支えて」あげれば、子供は色んな経験をする事が可能です。健常児ならそこまでしなくてもいいですが、障害児の場合、周囲にそういう親切な大人がいるかいないか、で、幸せになるかならないか、が左右されるとすら、私は思っています。
 
 思っていますが。
 いつものことですが、そのお母さんには、私の口から以上の事はとても言えないのです。受け取ってもらえない事は間違いないので。「あなたの正しさを私に押し付けないで」とか言われます。確かに、そう。私は、私が正しいと思う事を、その人に言うわけだから。でも、他の事は自業自得で済むけれど、子育てだけは、間違ったことをして困るのが本人ではなく、子供だという所が難しいです。もし私が子供で、親が間違った子育てを私にしてきていたら、誰かよその大人が自分の親に注意してほしい、と思います。子供である自分にはどうしようもないですから。でも、実際問題、よその大人が注意したって、親は考え方を変えたりはしないのです。そういうものです。
 だからブログに書きました。本人に直接言えない事を、それでも誰かに伝える為に、書く場所がここでして。完全に何も言わないよりは、こういう場所ででも、なんらかの意見を発信する事は、大事かなあと思うので。
 こういう事をすると、陰でコソコソ、とか言われるのかなあ。でも、面と向かって言えば「正しさを押し付けないで」と言われるだけだし。何も言わないのは、あまりにお子さんが不憫だし。
 発達障害があっても絶対大丈夫、とまでは言えないけれど、それなりに丁寧に育てれば、自立して幸せに生きられると私は信じています。発達障害児の親御さんに、正しさを押し付ける気はないし、プレッシャーを与える気もないけれど。お子さんが自立して幸せになる事が、親御さんの幸せにも繋がると思うので、自分の幸せの為に、子育てして欲しいなあと思います。

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 今日も大阪は晴天です。ちょっと蒸し暑いかな。
 
 息子の高校では、指定校推薦で行ける大学が張り出されたそうで。息子が行きたい学部のある大学も、中にあったそうです。でも、行きたい大学よりは、1ランク下との事。頑張って1ランク上の大学を受験するか、指定校推薦で受験せずに行くか、悩みどころです。夏の模試の結果を見て、決める事になりそうです。