書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

古い友人からの電話

 とても久しぶりに、古い友人から電話がありました。彼女と話すのは、かれこれ30年ぶりです。彼女は、私が独身時代働いていた時の、同僚。同じ年で、とても仲良しでした。

 私は結婚を機に退社しましたが、彼女は結婚しても働き続けています。私は子供を持ちましたが、彼女は持たない選択をされました。確か、何か大きな病気をされたと風の噂で聞きましたが、今は元気に働いておられるとも噂で聞いていました。

 そんな彼女からの、久しぶりの電話です。

 なんだか自分でも意外だったのですが、もっと話したい、という気持ちが、全然湧いてこなかったのです。

 彼女が感じ悪かった、とか、そんなのではないのです。明るい昔通りの彼女でした。とても感じ良かった。でも、もっと話したいなあ、とか、今度お茶でもしようと、と誘いたい気持ちにはなれなかったのです。多分、お互い。

 同時に、ちょっとしたライバル心みたいなものも、消え去っている事にも気が付きました。子供がいるとかいないとか、働いているとかいないとか、どちらがどれだけ恵まれているか、幸せか、人生を楽しんでいるか、そんな事を気に掛ける気持ちが、一ミリもなかった。昔は少しはあった筈のライバル心が、あとかたもなく消えていました。

 何にも、全く。

 ただ少しお話しして、用件を済ませて、彼女は明るく電話を切りました。

 なんだかとっても気持ちがよくて、深呼吸した後みたいな清々しさが、胸に広がりました。人は人。自分は自分。彼女はきっと、幸せ。私もきっと、幸せ。

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 古い友からの電話は、自分の姿・輪郭を、浮かび上がらせてくれたようです。日常に埋没していて、普段は隠れているそれを、意識に上らせてくれた気がします。ああ、私はここに、こうやって、こんな風に生きている。忘れてたなあ。

    新鮮な体験(大袈裟)でした。