私からすると、とても不思議な方がおりまして。
その方は、「私はいつも、人から嫌われる」と仰るのです。で、はい、、確かにその方のことを、苦手だと思っておられる人は、少なくないです。
で、その方は、ご自身が人から嫌われる理由を、ご自身ではこのように分析されています。
「私自身が、今の私に満足できていないので、今の私で人から認められたくないと無意識に思っている。もし今の私で人から認められてしまうと、私はこの状態でOKという事になってしまうから。本当の私は、もっと上の状態のはずなのに、ここでOKが出てしまうと、私自身が困るから、私は無意識に、人からOKを出されないように、人から嫌われるように願っている。思いは実現するので、結果、私は人から嫌われるのだと思う」
という事らしいです。
でもその方は、いつも「今の自分でOK、このままの自分で大丈夫」と、けっこう口癖のように仰るし、人にも言うのですね。「そのままのあなたで大丈夫なのよ」と。なんか、言ってる事とやってる事が違うな、と思ったら、私のその疑問を先取りするかのように、こう続けられました。
「私は、このままじゃいけない、と思って、過去何度も何度も『今の自分でこのままでOK』と思おうとし続けてきたけれど、すぐに戻ってしまう。続かないのだ」と。
で、結局、その方が、人から嫌われない為に今後心がける事は、というと、
「ありがとう、を一万回言う（唱える）ことにする」
のだそうです。。
何か、そういうメソッドがあるのでしょうか。私は知らないのですが。ありがとうを一万回言う（唱える）と、自分の現状が劇的に変わるとか、そういうメソッドが流行っているそうです。でも、そんな事をしても、現状は変わらないんじゃないかなあ。
私が不思議なのは、何故彼女は、自分が嫌われる理由を、ちゃんと調べようとしないのか？という事です。周囲の人に聞いてみるだけでも、相当成果はあがると思うのですが。
私が自分自身にOKを出していないから、という自己分析は、なんというか、そういう面をあるかもしれないけれど、彼女が人から嫌われる原因としては１０番目とか２０番目なんじゃないかなと思います。
私が彼女から、真摯な態度で「なぜ私は人から嫌われているのだろうか」と聞かれたら、以下の事を答えると思います。
①あなたは、個人的な、あまりにも個人的な不幸話やプライバシーを、関係ない赤の他人に平気でペラペラ話してしまう。自分自身の事ならまだしも、家族（ご主人や子供たちや親）の、人に知られたくないだろう個人的な事も、ペラペラ簡単に話している。そうする事で、聞いた人は「それは大変ですね。あなたはそんな不幸を、よくのりこえてこられましたね。えらいですね。すごいですね」とねぎらい尊敬してくれるから、承認欲求は満足するかもしれない。でも、聞かされた人達は、本当は、心の中で引いている。この人は、なんて口が軽い人なんだろう、この人には何も言えない、と思って離れて行く。嫌悪感を抱く人もいるだろう。（もしどうしてもプライバシーを赤の他人に話したいなら、匿名でブログを書けばいい。でもそういう方法では、彼女の承認欲求は充たされないのだろうと思う。直に語り、直に誉められたいのだろう）
②あなたは愚痴話を始める時に、まず「保険をかける癖」があるのが、聞いていてしんどい。「私はこういう悪い面がある。こういう欠点がある。自分でよく分かっている」とまず言ってから、愚痴を言う。その愚痴を聞いていると、明らかに、あなたの欠点が原因でそれが起こったのだという事が分かるのだけれど、あなたが最初に「私は自分の欠点は自分で分かっていますよ（だからわざわざ指摘してこないでね）」と保険をかけているので、何も言えない。あなたの愚痴を聞かされた人間は、その事件が起こった原因がハッキリ分かっているのに、それをあなたに指摘できないというジレンマに襲われる。これは、とてもストレスがたまることなので、人はだんだんあなたから離れていく。
③ ①や②と矛盾するのだけれど、あなたはいつも「私は健気で一生懸命な平凡な人間」を主張される。本当にあなたがそういう人なのであれば、わざわざ口に出して言うはずはない、という事が、あなたには分かっていない。本当に健気な人は、自分で「私は健気である」とは言わない。それが周囲にいる人を不快にし、人はあなたから離れていく。
彼女から聞かれても言わないかもしれないですが、本当に本当に教えてくれと頼まれたら、言葉を慎重に選んで、丁寧に説明すると思います。彼女が、上のことに気づいて改善されたら、もともと良い人であることは間違いないので、人から避けられる事もなくなると思うのです。
でも、そういう地道な自己改善をせずに、ただ有難うを一万回唱えても、現状は何も変わらないと思います。でも、それを彼女には言えません。
リアルでは、言えない事、本当に多いですね。私自身に関してもそうですが、人間の不幸というのは、自分自身で作っている面が大きいのだなあと改めて感じました。
