書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

叩かない子育て、私の場合。

 今朝は良いお天気で、久しぶりに日差しがあたたかく感じます。少しづつ春に近づいているなあ。。

 さて、今日は前回の記事(コチラ↓)の続きを書きたいと思います。

 

oinor-i.hatenablog.com

 

 前回の記事のこの部分↓の続きになります。

 叩けば一瞬で、子供は言う事を聞きますから、叩くのは一番ラクな子育て方法です。叩かずに育てるのは、親はとても大変です。大変ですが、可能です。細かい具体的なやり方については、煩雑になるので、後で(もしくは別記事で)書きます。

 

 まずこの場合の「子供」と言って想定される年齢ですが、私は「幼児」を想定しています。というのも、小学生も高学年くらいになると子供の体格が母親を上回りだし、母親が叩いたら子供から逆襲され、逆にやられてしまうからです。場合によっては3年生4年生くらいから、母親タジタジに体格的に成長する子供もいますので、叩く事で母親が子供を支配下における年齢は、「幼児」だろうと思います。なので、ここでは子供=幼児、と想定して書きます。

 でもってですね。先にお断りしておかねばならないなと思うのは、今日書く事は、私の個人的経験則だということです。叩かない子育ての方法は、沢山あると思います。私は今日、その一つを、私の経験則から書きたいと思っています。

 また、これも先にお断りしなければならない事ですが、私が今日書く叩かない子育て方法は、「ちょっとしたコツ」とか「気の持ちよう」とか「魔法のような一言」とか、そういうものではありません。親にとって、めちゃくちゃ大変で面倒でしんどい地道な努力の積み重ねです。なので、そういうのは嫌だ、と思われる方は(それが悪いわけではありませんし)、ここで読むのは止められて下さい。特に今日は長いので。。最後までお読み下さって、「えー、こんなん無理~。読んで損した」となると申し訳ないので。

 

 では始めます。

 私は、自分が子供だった時のことを思い出して、子供が大人の言う事を聞かない理由は、以下の二つだと考えました。

①過度なストレスがかかっているから。

②ストレス以外の何らかの原因があるから。

 割合で言えば、①が8割、②が2割、という感じです。

 大人で考えても分かると思うのですが、過度にストレスがたまってくると、何もしたくなくなるものです。やらねばならないと分かっていても、どうしてもできなかったり、人にきつくあたったりします。

 ましてや脳が未発達の幼児なら、ストレスの影響は、もっと如実に出ると思われます。「親の言うことを聞かない」という形で。聞くべきだと本能的に分かっていても、聞けないわけです。

 

 ここで、「子供にストレスなんかたまるのか」と思われた方がおられるかもしれません。私は、たまると思います。また、「多少のストレスは成長には必要」と言われる方がおられるかもしれません。それはそうですが、例えば、子供にとって、毎日幼稚園や保育園で過ごすだけでも、十分なストレス量に達すると思います。

 広々した自然の中で、のびのび暮らせる環境であれば、ストレスはかからないでしょうが、日本の園は、狭い部屋や園庭に多くの子供達を押し込めるものです。土地が少ないので仕方ないのですが、動きたいように動くとすぐ友達にぶつかって叱られ、大声を出すと怒られ、それは家庭内でも同じ。全身でのびのびと過ごせる環境ではありません。日本はこれで仕方ないのですが、成長期の幼児には酷な環境です。

 つまり、園に毎日通うだけで許容範囲のストレス量に達するので、それ以上のストレスを子供にかけるのは、過重だといことです。場合によっては、園に通うだけで許容量のストレスを超えてしまう子もいると思います。そういう場合は、転園も必要だと思います。

 ストレスがたまってしまった子供は、親の言う事を聞かねばならないと分かっていても、素直に聞けなくなっていきます。聞かないと叱られ、それでも聞かないと叩かれ、更にストレスがたまっていき、更に聞けなくなっていくという悪循環にはまります。

 

 子供が言う事を聞いてくれない時、それは子供にストレスがたまり過ぎているからだと考えて、やみくもに叱ったり叩いたりする前に、遠回りでも、子供からストレス要因を極力省いてあげる事をやるといいと、私は思います。

 ストレスがなくなれば、本来、子供は大人の言う事を聞くものです。子供は、本能的に、大人の助けがなければ生きていけないと知っていますから。

 

 子供からストレスを取り除く、と言っても、具体的にどういうこと?と思われるかもしれませんので、ここからはそれについて書きます。

 やるべき事は以下の三つです。

①ストレスだと思われる事を減らす。

②できるだけ健やかにいられる環境を整える。

③時には、子供が本当に望む事をさせてやる

 一つひとつ見ていきます。

 まず①。子供が何にしんどい思いをしているのかを、よく観察する事から始めます。何をした時に暗い顔をするのか。嫌がるのか。しんどそうになるのか。たとえば、お兄ちゃんと同じ習い事をさせていて、お兄ちゃんは喜んで行っているが、弟くんは嫌がっているというような時。お兄ちゃんには向いている習い事でも、弟くんには不向きかもしれないわけで、止めさせて別の習い事をさせてやるか、もうさせないか、にしたらいいと思います。兄弟で同じ習い事をさせたら親は便利ですが、それで弟くんに過重なストレスがかかって親の言う事が聞けなくなっているのなら、止めさせてあげるべきです。子供は一人ひとり違いますから。

 大人に都合よく子供を動かすのも、子供にもストレスがかかる場合があります。心の許容範囲が広く、親切な子は、大人の都合に合わせて動かされてもさしてストレスをためませんが、逆の子にはたまります。例えば、園のお迎えの帰りに、いつもスーパーに寄ってお買い物をしている、とします。園で一日過ごして疲れた子供が、夕方の殺伐とした人達で一杯の、大きな煩い音楽が鳴っているスーパーを引きずり回されて、毎日しんどい思いをしているかもしれません。子供がしんどそうだったら、お買い物は先にすませておき、園のお迎えの時は、すぐに家に帰れるようにするべきです。

 親が、人の悪口を言ったり、愚痴を言ったりするのを聞かされる事が、子供にとってストレスになる場合もあります。また、親が、自分都合で、言う事がコロコロ変わる場合も、子供にはストレスになる場合があります(「早くしなさい」と言ったり、「何を急いでいるの。ちょっとぐらい待てるでしょう」と言ったり。急げばいいのか、ゆっくりすればいいのか、子供は混乱します)。

 また、他の子と遊ぶ事がストレスになる子もいます。逆に、他の子と遊べない事がストレスになる場合もいます。

 何がその子のストレスになっているのか子供をしっかり観察して探し、見つけたら一つひとつ、できる限り取り省いていく。見つけたら取り省く、見つけたら取り省く、地味なその繰り返しです。

 

 次に②できるだけ健やかにいられる環境を整える、について書きます。

 当たり前ですが、適切な時間に起こし、適切な時間に寝かせ、適切な時間に適切な内容の食事を食べさせる。一日に一度は屋外でのびのび遊ばせ、母親にかまってほしがる時は存分に相手をしてやり、色々ななじんだ物(人)を楽しませ、色々な新しい物(人)を経験させてやる。ものすごく当たり前のことですが、これを実行しようとしたら、実はとても大変です。でも、こういう環境にいられたら、子供は健やかでいられますから、多少のストレスがあっても、自力で解消できると思います。いくら①を心がけても、子供から全てのストレスを省くことなどできませんが、②を心がけることで、子供自身がストレスを解消していき、過重に抱える事がなくなります。

 

 最後に③時には子供が本当に望む事をさせてやる、について書きます。

 先にも書きましたが、子供には個性があります。子供が本当に望むことは、1人ひとりで違います。子供が喜ぶだろうと思って与えたものが、見当違いなものであれば、それが子供のストレスになることもあります。その子が本当に喜ぶものを、時には与えてやることで、子供は多少のストレスがあっても、喜びがそれを凌駕し、気にしなくなります。人生に楽しみがあることの大切さは、大人でも実感されるところではないでしょうか。子供も同じだと思います。

 偉そうで申し訳ないですが、一応、私が小さい頃の息子にしてやったことを、過去記事に書きましたので、宜しければご覧ください。  

oinor-i.hatenablog.com

 

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 以上のような方法で、子供から過重ストレスを取り除いやること。ストレスがなくなれば、子供は大人の言う事を、普通は聞くものです。

 しかしながら、ストレスはもう無いはずなのに、それでも子供が言う事を聞かない時、そこには別の何らかの原因があります。

 最初に書いた②ストレス以外の何らかの要因があるケース、です。 

 具体例を挙げて説明します。 

 例えば、朝起きても、グズグズしていて中々着替えない子供がいる時、親は「早く着替えなさい」と言います。

 何度も繰り返し、言葉で命じても、子供は言う事を聞かないとします。幼稚園に行く時間は迫っています。親が手伝って着替えさせようとしても、子供は泣いて嫌がり、頑として着替えません。親は、「このままだと園に間に合わないよ」と理屈で説得したり、子供が好きな先生の名前を出して「〇〇先生、待っててくれてるよ」とか、ありとあらゆる方法で、言葉で子供を動かそうとしますが、うまくいきません。

 最後は、子供を叩いて泣きやませ、無理やり力ずくで着替えさせるしかなくなります。

・・・・・・

 このような場合、私なら、まず、幼稚園を遅刻するか、場合によっては休ませる事を覚悟します。そう覚悟すれば、焦らずゆっくり対応できるからです。

 その上で、何故子供が着替えたがらないのか、その理由を考えます。一般的に考えれば、理由は沢山あります。

①まだ寝たりない。

②気分や体調が悪い。どこかが痛い。苦しい。

③幼稚園で嫌なことがあったから(或いは今日嫌な事があるはずだから)、行きたくない

④用意された服が着たくない(素材が嫌、形が嫌、色が嫌、キツい、ざらざらして痛い、フード等がうっとおしい、、)

⑤今着ているパジャマが好きで脱ぎたくない

⑥朝の慌ただしい雰囲気が嫌い。着替えたらその雰囲気の中に入らないといけないから、着替えない。

⑦お母さんに反発したい。

⑧上手に着替えられないから嫌だ。手伝って欲しい。

 

 考えたらまだまだありそうですが、キリがないので、このぐらいにしておきます。

 さて。

 どれが理由だろうと考えます。

 ①や②は、見れば分かるでしょうから、具体的に対応がすぐ出来ます。具体的対応というのはつまり、休ませて体調が戻るのを待つのです。(私は専業主婦なので問題なかったですが、お仕事をお持ちの方であれば、こういう場合、頼れるヘルパーさんを見つけておくのがいいかもしれません)。

 ③以降は、子供から話を聞かなければわかりません。私の場合は、「着替えなくていいから、牛乳飲もう」(息子は牛乳が好きでした)と誘い、子供をゆったりとした気持ちにさせてから、理由を探りました。

 幼児の頃、息子は言葉を話せませんでしたので、私が二者択一の形で聞いていきました。お腹が痛いなら左手を叩いて、痛くないなら右手を叩いて、という要領です。ここのところのやり方は、過去記事のコチラに書きましたので、同じように言葉の遅いお子様は、もし宜しければご参照ください。 oinor-i.hatenablog.com

  

 そして、おそらくコレだろう、というものの見当をつけたら(複数あるかもしれません)、それを解決するように心がけました。

 

 ウチの子の場合、基本的に素直で大人の言うことは何でも嫌がらず聞く子でした。それは、手前味噌で申し訳ないですが、息子の生活から極力ストレスを省くことを私が心がけていたからだと思っています。

 幼児の生活はルーティンでまわっているので、言葉が話せなくても、大きな困難はありませんでした。息子は自分がやるべき事は分かっていたので。

 ただ、障害特性である「こだわり」が強く、こだわりにひっかかると、パニックになって泣き叫び大変な状態になりました。なので私は、できるだけ息子のこだわりに合わせて生活させていましたが、一度パニックになってしまうと、もうどうしようもありません。何時間も泣き叫ぶ子供の横で、ただなだめ続け見守り続けるしかありませんでした。ここで、泣きやみなさいと叩いてところで、火に油を注ぐだけですから。この息子の「こだわり」への対応については、過去記事のこちらに書いたので、良かったらご参照ください。 

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 叩かない子育てについて、これでほとんど書いたかなあと思うのですが、最後に一つ付け加えておきます。

 普段は叩かないけれども、「子供が危険なことや、人に迷惑をかける事をした時は、叩いて止めさせるのはOK」と考えておられる方が多いのではないでしょうか。

 でも。もともと子供に過重なストレスがなければ、子供は、「危険だから止めなさい」「迷惑だからやめなさい」と言われたら、止めます。叩く必要はないのです。言葉で言っただけでは頑として止めないのだとしたら、それは子供にストレがたまっているか、子供なりの思いがあってやっているのだから、ストレスを省いたり、思いを聞いてやったりすることが必要だと思います。叩いて子供が止めたのだからそれでOK、とせずに。

 

 最後にまとめておきます。

 子供が言うことを聞かないのはそれは、①ストレスがたまっているから、②聞けない理由があるから、です。

 だから遠回りなようでも、まず、子供の日常生活からストレスを省き、それでも言う事を聞かないのなら、個々のケースで、その原因を一つひとつ解決していく事が必要dです。

 そういうことをせず、子供が言う事を聞かないのなら、叩く事で恐怖心から従わせる方法をとってしまうと、子供はその時は従うでしょうが、更にストレスがたまり、更に言う事を聞かなくなっていきます。そうなると、更に強く叩かないといけなくなり、また「個々の言う事を聞けない理由」は解決されないまま放置されるので、子供の心身の健康が蝕まれていきます。

 だから、安易に叩く事で従わせるのは、私はしたくなくて、ここに書いた方法で、叩かない子育てをしました。

 

 子供を叩かない子育ては、とても面倒くさいように見えるかもしれませんが、子供の生活を整えることなので、「言うことを聞かす」以外の沢山のメリットがありました。また、一度良い循環に乗ると、そのまま続けるだけなので、さして大変ではありません。面倒なのは、とりかかった最初だけだと思います。

 その他のメリットというのは、例えば、母親が子供から信頼される、という事です。反発されたり、恨まれたりしないので、思春期もわりとすんなり越えられました。子供から意地悪な目で見られたり、嫌な事を言われたりがなく、やりやすかったです。

 また、その他の メリットとして、母親として、いつも自信を持って堂々としていられる、というのがあります。私の子供は障害児ですが、私はいつも、精一杯の子育てをしているという自覚があるので、胸をはって生きていられます。いじけたり、悔やんだりした事はありません。胸をはって生きられるという事は、とても生きやすいです。

 またその他のメリットとして、叩かれずに育つと、子供自身の心が傷つかずにすむので、自己肯定感が高くいられ、子供自身の人生を歩む際に、子供自身が苦しまずにすみます。子供がらくに生きていければ、それを支える親も、らくな気持ちで生きられます。

 叩かない子育てには、沢山のメリットがあるので、もしやってみようかなと思われる方がおられたら、書いてよかったです。

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