書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

公共の場での子供の愚図り、日米比較。

 夏休みで、外に出ると、色んな場所で、親御さんに連れられた小さいお子様を見ます。大人しいお子さんもいれば、愚図ってしまっているお子さんもいます。

 私は、自分の子供が発達障害なので、我が子の幼い頃の癇癪の酷さを散々経験しているので、外で見る健常児さんの愚図りについては、何とも感じないし、煩いとも思いません。

 が、普通の方からしたら、健常児さんの愚図りでさえ、騒音に聞こえるという事は想像に難くないし、お子さんの親御さんも、肩身の狭いしんどい思いをされているだろうと感じます。

 私は以前、米国に住んでいたのですが、意外なことにアチラでは、公共の場で愚図っている子供をほとんど見ないのです。たとえば、ディズニー等のテーマパークで愚図って騒いでいるのは、決まってアジア圏の子供達で、米国の子供達は黙々と大人しく順番を待っています。レストランでも映画館でも、美術館でも博物館でも、公共の場所で煩くしている米国人の子供を、ほとんど見ません。

 なぜかというと、公共の場で子供が愚図り煩くし始めると、米国の親は子供を連れて、その建物から外に出るからです。

 食事をしていたら、レストランから出る。映画を観ていたら、映画館から出る。公共の乗り物に乗っていたら、次で降りる。テーマパークのアトラクションに並んでいたら、並んでいる列から出る。そして、外に出ても子供の愚図りが収まらない時は、そのまま家に帰ります。

 これが、米国の子育てマナーとして定着しているので、子供は家の外では、愚図ったら損だという事を、早い段階で理解します。親にとっても子供にとっても、周囲の人にとっても、良い結果になるわけです。

 ただ、この方法は、最初の頃は、親が多くを我慢せねばなりません。食事を途中で切り上げたり、映画の途中で帰ったり、目的地に着けなかったり。それでも、それだけの犠牲を払っても、効果が絶大なので、このマナーは米国では当たり前として定着しています。

 また、あちらでは、娯楽は、家族単位ではなく、夫婦単位で行動する事が多く、子供は家でベビーシッターと留守番、というパターンも一般的です。親と一緒に出掛けたければ、それなりのマナーを身に着けてから、という理屈で、外で煩くしたら、次回からはベビーシッターと留守番生活になる為、それも子供が大人しくする為のモチベーションになっていると思われます。

 このベビーシッターさんは、親子で出かける場合にも雇う事があり、なんの為かというと、公共の場で万一子供が煩くした場合、子供を家に連れて帰ってもらう為です。子供をベビーシッターに任せてしまえば、親は食事や映画を途中で切り上げる必要がないからです。こういう付添タイプのベビーシッターさんは、特に、観劇やコンサート等で多く利用されます。いつでも見れる映画や、いつでもまた食べられるレストランと違い、せっかく貴重なチケットを取った観劇は、親が途中で帰りたくないからです。多少お金はかかっても、リスクヘッジ、というわけです。

 日本では、ベビーシッター制度があまり浸透していないので、子供に対する躾が、親都合でなあなあになってしまい、徹底しづらいという欠点を感じます。

 ただ、では、ベビーシッター利用が万能か?と言えば、そんな事はなく、ベビーシッター利用にも、これはこれで欠点があります。他人に子育てを任せるというのは、それなりにリスクを伴うのです。

 ベビーシッターは学生(大学生、高校生)のアルバイトが多いです。彼等には、子育て経験がなく、社会人としての責任感やモラルも確立していません。また、社会人になってからベビーシッターをされている人達も、「子供が好きだから」という理由以外に、簡単にお金が稼げるから、という理由でされている人も多いです。ベビーシッターをするのに、免許も、これといった資格も必要ないからです。

 ということは、当然のように、不慮の事故は起こるし、放置を含めた虐待まがいの事も起こります。それを防ぐ為に、自宅に監視カメラを隠して設置する親も多いです。また、地元で「評判のいい」シッターさんを、「口コミ」で探して雇う、という自衛手段をとっている親も多いです。ですが、他人に子供を預ける以上、100%の安全は、見込めません。

 そもそも、実の親が、世話するのが辛い子供を、他人が「喜んで」世話してくれるはずはないわけです。いくらお金を払おうとも。

 しんどい事は、誰がやっても、しんどいのです。親だろうと、他人だろうと。

 そういう事を、日本の親は、漠然と分かっているので、日本では、ベビーシッターが流行らないのだと思います。赤の他人に子育てを任せることが不安である、という、哺乳類として真っ当な感覚から、できるだけ自分が子育てをしよう、という姿勢を維持しているのだと思われます。

 というわけで、米国式の子育て方法が、全て正しいわけでもなく、かといって、日本の子育て方法が万全、というわけでもなく。ただ、少なくとも、米国のほうが親にとってはラクかもしれない、でも、子供に対するリスクは米国の方が大きいかもしれません。まあ、いずれにしても、全て健常児さんの世界のお話なので、我が家の子育てには関係ないのです。

 なのですが、夏休みなので、こんな事をつらつら考えてしまいました。誰がやってもしんどい子育てですが、楽しい事も少しだけあり、それを支えに頑張るしかないなあと、思います。無事に育ち上がってみれば、子供の存在自体が、心の支えになったりもしますし。でも、完璧なリスクヘッジは、子供を産まない事、かもしれませんが。

 先日あたりから、少し涼しくなってきました。31度とか32度とかで、「あ、涼しい!」と感じる不思議(笑)。だって先週まで40度近くありましたから。。。体力の限界を感じる私としては、このまま一気に秋になってくれるのを願っています。

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