書くしかできない

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発達障害児と勉強②(教材)

 前回の続きで、発達障害児の中学生の勉強方法について書いている。今回は、教材について書こうと思う。

 

市販教材について

ウチで使った教材は以下の3つ。

1「教科書ガイド」(色々な出版社から出ているが、どれでも大差ないように思う)。

2「やさしくまるごとシリーズ」(学研)

3「くわしいシリーズ」(文英堂)

全教科これで揃えた。

 

1「教科書ガイド」について

日々の予習復習や定期テスト対策に便利。あまりにもポピュラーな教材だが、侮れない。心の安心になる必須教材だった。

 

2「やさしくまるごとシリーズ」について  

 

やさしくまるごと中学英語

やさしくまるごと中学英語

 

   参考書だ。秀逸。五教科全て出ていて、3年分を1冊にまとめてある。本当に必要な事がしっかり書かれているし、何よりも分かりやすい。題名に偽りなし。私は文系畑で、理数系はすでに中学の頃から投げていたが、その私でさえ、これを読むだけで、子供に理数系をしっかり教える事ができた。自分が中学の頃にお手上げだった分野も、これを読んで「ああ、そういう事か」とすんなり理解ができた。本当に頭のいい人が、よく考えて丁寧に作ったシリーズだと思う。予習にも使えたし、復習という意味では、高校受験直前の2カ月程で、5教科全部もう一度最初から読み返し確認問題をやった。分量的にまったく可能で、どこかやり残しているのでは、という不安がなくなった。中学3年間の勉強を全部復習し終えたと確信できたので、安心して受験に臨めた。

 他の教材は私の学生の頃にも似たようなものがあったが、このシリーズのようなものは初めて見た。3年分を1冊にまとめてあり、しかも要点をおさえる形式ではなく、一から丁寧に言葉と図解で説明していく、というものは、以前には無かったと思う。コンパクトにまとまったものは、要点のみ結論のみ暗記要綱のみ、を箇条書きに掲載する体裁のものだけだったと思う。でもこの「まるごと」シリーズは、よくよく練られた導入があり、まずこれがとても分かりやすい。重要な箇所を簡潔に絞ってあり、覚える前にまず何故そうなるのかを考えさせる構成になっている。導入や思考を巡らせる部分をしっかり取るという回り道を省略していないのだ。なのに、このコンパクトさ。字や絵が大きく、余白も多く、かつ本自体の厚さも比較的薄い。素晴らしいの一言。

 数学や英語のような積み上げの教科はまだしも、理科や社会のように単元が独立しているものは、1年でやった事を受験まで覚えておく、というのが大変難しい。それでも理科はまだ、毎年繰り返し上乗せでやっていく単元もあるが(そうではないもののほうが多いが)、社会は完全に独立単元方式だ。地理は一年でやればもう二度とやらない。歴史は2年で、公民は3年で、それぞれその時1回しかやらない。それを受験日まで覚え続けておく為には、例えば2年で新しく歴史を覚えながら、地理も忘れないように復習していくという作業が必要になり、とても煩雑になる。

 でも、この「まるごと」シリーズのおかげで、復習作業がとてつもなく楽になった。何せ繰り返しになるが、3年分をこの1冊やればいいだけなのだ。1冊通してやるのにさして時間はかからない。

 私のように、親が子供に教えるスタイルで使う時にも便利だが、子供自身が自力で勉強する際にも、使える教材だと思う。苦手科目も諦めず、最初から丁寧にやっていけば、分からなかった所が分かり始めると思う。おかしな表現だが、このシリーズは「離乳食」のような教材だと思う。普通の参考書より、「理解しやすいように噛み砕いてある」ので、読み手は頭をぽっかり開けて受動的に読むだけで、自然に頭に入ってくるようになっていると思う。

 こう感じたのは私だけではないようで、このシリーズは毎年どんどん新しい教材が出ているようだ。ヒットしているのだと思う。本当にお勧めです。

 

3「くわしいシリーズ」について

 

くわしい英語 中学1年 新訂版 (中学くわしい)

くわしい英語 中学1年 新訂版 (中学くわしい)

 

  

くわしい問題集英語 中学1年 新装版 (中学くわしい問題集)

くわしい問題集英語 中学1年 新装版 (中学くわしい問題集)

 

  五教科全てに参考書と問題集、両方が出ている。「まるごと」と違い1学年1冊構成だから、全部そろえると相当なボリュームになった。内容的に「まるごと」よりも難しく詳しい。これは、全てやりきるものではない、と最初から割り切って購入した。参考書のほうは、「まるごと」では今一つ説明不足な部分があった時に辞書代わりに使い、問題集のほうは、もう少しこういう問題だけバリエーションを変えて何度もやっておきたいという時に類似問題を探すのに使った。わりとツボにはまる例題が多く、子供に教えるのに便利に使えた。かなり重宝した。

 

学校教材について

 ここからは、学校から配布される教材の扱い方について書きたいと思う。

 学校から配布される教材は、主に、①教科書、②問題集(参考書)、③プリント、④ノート、がある。これらを、ピシッと整理して扱う事が、テストで良い点を取る最大ポイントだと私は思う。

 発達障害者は、全てではないが、この「整理」が苦手な人が多い。だからこそ、学校教材を「ピシッと整理して扱う」事を、意識して行う事が必須だと思う。

 整理して扱う、とはこういう事だ。

①家での置き場所を決め、常に所定の位置に学校教材が揃っている事が普通の状態にする。家で使用しない学校教材は、むしろ学校に置きっぱなしにしたほうがいいぐらい(学校に個人ロッカー等があれば)。とにかく、必要な学校教材の所在を、常にきちんと把握している事が大事。

②最初の中間テストを受ければ、どの教科は、どの教材から、どの程度出題されるか大体把握できるので、教科ごとの「出題傾向対策」をまとめておく。例えば「地理」なら、教科書からの出題が40%、ノートからが20%、プリントからが40%、等。更に、教科書の本文からが80%、グラフや地図からが20%、等、細かくチェックして記録しておく。これが次回のテスト対策に役に立つ。毎日の勉強でも、ここが次回のテストに出る所だな、と意識して、その場で覚えてしまうようにする、逆に、ここからは出ないと分かるものは、流しておけばいいので無駄がない。

 

 こうやって学校教材をピシッと整理して扱っていれば、少なくとも定期テストはそこそこ点が取れるはず。また、これは、五教科だけに限らず、体育や家庭科、美術等の副教科でも心がけておくと良いと思う。常識と要領があれば点が取れる副教科は、逆に言えば、常識と要領に欠けやすい発達障害児には、点が取りにくい科目になる。高校入試に内申点は必要ない、という人は割り切って捨てればいいが、公立高校に行く等、内申が必要な人は、副教科も大事にしなければいけない。副教科の点の取り方は、とりもなおさず「どこからどれだけ出るのか」を把握する事。つまり「何を暗記すればよいか」を知っておき、できるだけ早い段階で暗記作業を終えてしまう事だ。その為にも、副教科の教材整理は必須になる。

 

教材の整理について

 教材というものは、煩雑なものだ。学校教材は、各教科ごとに様々だし、ノートの作り方も教科ごとに異なっている。せめてサイズをA4で揃えるとかしてくれたら、と思うが、サイズですらてんでバラバラで、保管するのにイライラがつきまとう。市販教材も、同じシリーズはさすがに同サイズだが、シリーズが異なるとサイズが異なり、小さいものから大きいものまで、薄いものから分厚いものまで、種々雑多。塾に行っている人は、ここに更に塾の教材が追加される。個別塾の場合、同じ塾なのに、教科ごとに教材の体制が異なり、参考書プラス問題集だったり、全てプリントだったり、参考書2冊だったり、様々、サイズも様々で、整理するのは大変困難。本当に大変。

 だからこそ、煩雑でイライラのつきまとうこれら教材を、きちんと整理して保管する事が大事になってくる。教材は、油断するとすぐに、カオスになってしまう。教材がカオスになってしまうと、時間を効率的に使って勉強する事は不可能だ。

 勉強コーナーは、オフィスのように整然としているべきだ。必要な教材がどこにあるのかハッキリ分かる、欲しい教材がサッと取れる、使い終わったら所定の位置にパッと仕舞える。学力を上げる為には、まず、そういう風に勉強コーナーを整える事から始めるしかない。環境が整っていなければ、勉強など覚束ないからだ。

 整理が苦手な発達障害児に対しては、親が環境を整えてやる事が必要だと思うが、親がやってくれない場合は、発達障害児本人がやるしかない。まず、学校教材と市販教材(と塾の教材)に分け、それぞれの定位置を決め、使ったら戻す、を徹底する事が大事だ。これができなければ、成績が上がる事は絶対にない。

 少なくとも中学レベルの勉強というのは、「頭の中で新しい知識を整理して覚えていく事」に尽きる。発達障害者は、この「整理する」と「覚える」のどちらかが苦手な人が多い。両方苦手な人もいる。苦手な事は誰かに助けてもらうか、助けてもらえなければ死にもの狂いで自力でやるしかない。

 勉強と関係ない事だけれど、「死にもの狂いで自力でやるしかない」という時期が、人生には必ずあって、それがまだ子供時代の延長である中学で来てしまう人は気の毒だけれど、それはそれで仕方ない。

 たかが教材整理、だけれども、その「たかが」が出来ないから、発達障害児は生きづらいのだ。「たかが整理」が苦手な人は、それを死にもの狂いでやれば、その先に、学力向上がついてくると信じて欲しい。沢山の能力を秘めているのに、「たかが整理」が出来なかった為に、能力を見いだせずに終わってしまうのは本当に残念だから。

 先にも書いたが、学校教材も市販教材も、整理がしにくいようになっている。サイズも大きさもバラバラ。教科によって教材もバラバラ。健常児なら、煩雑なそれらを整理把握する事は、さほど大変な事ではない。だから、健常者に合わせて作られているこの社会では、教材というものは煩雑なままで改善されないのだ。割り切るしかない。

 我が家の場合の教材保管方法をご参考までに書いておく。

 まずカラーボックスを購入した。こんなヤツ↓。

 

45090 [カラーボックス HP943 ホワイト]

 

 3つのカラーボックスを、それぞれ学校用、市販用(自宅学習用)、塾用、と分け、それぞれの上段、中断に使用中の教材を入れ、下段は使用後の教材やノート、返却されてきたテスト類を保管。ボックスの上には、学校用の鞄、サブバック、塾用の鞄を置いた。このカラーボックス整理法(というほどのものではないが)は、スペース的に余裕が出来るので、出し入れが楽だし、ぐちゃぐちゃになりにくい。

 学校の教材と塾の教材は、立てて収納するのが不可能なので、積み重ねて置いている。A3サイズの大きさで薄っぺらい教材があるかと思えば、ハガキサイズで分厚い教材もあったりするので、立てて収納すると、一つ抜くとすぐにグズグズになってしまうからだ。積み重ねて収納していても、どこに何を置くか決めている(学校教材なら、上段左が英語系と数学系、右が国語系、中段左が社会系、右が副教科、という風に)と、出し入れにさほど手間取らない。自宅学習用の市販教材は、立てて収納できるものしか買わない事にしているので、立てて収納している。やはり、背表紙が見えると出し入れは本当にラク。上記にご紹介した市販教材は、勿論全て立てて収納できるが、カラーボックスのサイズによっては無理な場合もあるので、ボックス購入時にはサイズに気を付けて下さい。

  ちなみにこのカラーボックスはもう1つ買って、過去教材保管用にしているので、全部で4つある。勉強机を挟んで、左右に2個づつ配置している。椅子はキャスター付きなので、いちいち立ち上がらなくても、座ったままで、必要な教材をスルスル~と取りに行ったり、元に戻したりできるのでラク。机やボックスは安価なものにしたが、椅子だけは姿勢良く座れてラクなものを少し奮発して買った。高校の今でも、同じものを使っているが、快適なようだ。カラーボックスはヨドバシあたりだと、1つ千円前後で買える。

 次回からは、教科ごとの勉強方法について書きます。

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