書くしかできない

過ぎていく日々を書き留めています

実家で母と。

 先日、郊外にある私の実家に、行って来ました。実家には私の母が一人で住んでいます。母は高齢ですが、有り難い事に体も頭も元気です。

 私がお昼に行くと伝えていたので、母は近所の料亭から「鰻重」を取ってくれていました。肝吸いや先付もあり、とても美味しかったです。母は、夫と子供と私の夕食用にと、鰻の蒲焼も3人前、お土産用に用意してくれていました。母は厳しい人ですが、こういう所、よく気が付くし、太っ腹であったりもします。

 私がたまに実家に帰る目的は、鰻重を頂く為では勿論なく(笑)、母一人ではこなせない家の用事を片づけてあげる事と、母の今後の予定の相談に乗る事、母の四方山話に付き合う事、などです。

 今回は、納戸の部屋の掃除を手伝いました。未使用の(頂きものの)ガスストーブや、アンティークの大きな家具が出て来ました。どうしたもんだか。。捨てるに偲びない。メリカリにでも出そうかしら。。

 掃除をしながら、母の知り合いの話など聞いていると、半数ほどの方々が着々とケアホームに移住しているようでした。少し前は、老人が入る施設=老人ホーム、という画一的なイメージしかなかったのですが、いわゆる老人ホームも、刻々と様変わりしているようです。

 医療付きの終身で過ごせる、環境のいい至れり尽くせりのケアホームは、少し前から建ちはじめていたのですが、それらは入居の際に、一定の額の入居金(3000万円超)がいって、更に月々40万円超死ぬまで払い続ける、というシステム。なかなか庶民には入れない所だったりしました。

 ところが最近は、そこそこ良い条件のケアホームでも、入居金無し、の所が建ちはじめたと、母は言います。月々の支払も、年金の範囲で払えるらしい。ケアホームの世界もダンピングが始まったようです。実家の周囲にも、そういうケアホームが次々と建設中で、母は、「どれにしよーかなー」と検討中なのだとか。

 まだ数年は一人で暮らせそうな母ですが、少しづつ、先を考えて手を打っておくのは良い事ですね。といっても本人任せにしていると、中々進まないので、時々は私が実家に帰って相談に乗っています。

 以前は、老後は私の家で一緒に暮らす、と言っていた母ですが、狭いマンションで私の夫に気兼ねして生活する事を考えると、一人でのんびりケアホームに入ったほうが楽だと思ったようです。私も、冷たいようですが、ケアホームに入ってくれたほうが、何かあった時に安心なので、有り難いです。

 話は変わりますが。

 母の知人で、お金持ちの奥様(仮にA夫人)がおられまして、先日はその方の話になりました。

 A夫人のご主人はすでに亡くなっていますが、生前は会社をされていて、その会社は、A夫人の娘さんが継ぎました。この娘さんがヤリ手で、会社を繁盛させているそう。A夫人はすでに90代で、広い一軒家に1人暮らし。娘さんは1億越えの高級マンションにこれまた1人暮らし。一緒に住めばいいのに、と思うのは他人の見方で、ご本人達は別々に暮らすほうが良いようです。

 A夫人と娘さんは、年に一回、百貨店だか旅行会社だかの主催の、「お買いもの旅行」に、二人連れだってお出かけになるそうです。旅費は全て先方持ちの大名旅行ですが、行った先で、しっかりお買いものをされるそうです。その額が、お一人1000万円。。しかも毎年ですから、凄い話です。

 私が母に、「一体何を買っているの?車とか?」と聞くと、母は「バックとか、お着物とか、絨毯とか、って言ってた」と言います。うーん。

 世の中不景気だと言いますが、持ってる方は、持っておられる。まあ、持ってる方が使う事で経済が回って良いのでしょうが、毎年親子で二千万円づつ、養護施設にでも寄付されていたら、どれだけの子供が救われてきたか、と思うと、複雑な気持ちになりました。

 そんなA夫人ですが、そろそろ一人暮らしがしんどくなってきて、ケアホーム入居を考えておられるそうで。A夫人が家を出たら、娘さんは家を潰してしまうのだとか。A夫人の長年お買い求めになってこられた様々な高級品は、家と共にゴミとして処分してしまうのだとか。

 「そんな、もったいない。お着物だけでも誰かにあげたら」と母が言うと、A夫人「着物は二階の部屋にしまってあるのだけれど、もう山のようにあって、あの部屋に入るのも嫌なの。最近は、二階に上がるのも嫌で上がってないの」と。

 A夫人の生活に無関心な娘さんが、代わりにそれらの整理をしてくれるわけは絶対になく。となれば、家と一緒にゴミとして処分されるしかないのでしょう。

 なんとも、空しいお話です。

 でも、まあ。毎年、1000万円のお買い物を、長年楽しんでこられた、その楽しさが、A夫人の健康を支えていたのかもしれず、全部が無駄、というわけでもない、と思ったりもします。

 A夫人は90代、娘さんは60代。そのお二人のお話をしている私達親子も、母が80代、私が50代。みーんな老人です(笑)。

 母いわく、A夫人というのはとても倹約家さんで、食事も全部ご自身で材料をしっかり使い切って作られるし、たまにお宅にお邪魔すると、デザートまで全部手作りのものを出してくださるとか。。「このイチゴ、小さくて悪くなりかけていて安かったから」と手作りジャムのお土産まで下さったりするそうです。

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昨日は暑かったですが、今日は小雨で、吹いてくる風がひんやり涼しいです。こういうお天気も悪くないです。