書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

沖縄・ゆいレールで見た人達

 電車好きな息子が、ゆいレールに乗りたいと言うので、わざわざ行ってみました。ちなみに息子は高校生ですが、こういう面はまるで小学生のような幼さです。

 ゆいレール、息子も楽しみましたが、私も結構楽しめました。というのも、ホテルや観光地にいると、観光客しか見れないのですが、ゆいレールでは地元の方も乗っておられたからです。あと、観光客でもわりと若い方々が多く乗っている印象でした。マンウォッチングが大好きな私には、嬉しい限り。

 特に印象に残った方々を書いてみます。

 韓国人の観光客と思われる若い男女のカップル。男性が、ものすごく個性的で目を奪われました。韓国人の男性って、ガタイが良く、どこかおかたい印象があったのですが、その韓国人男性は、洒落っ気が半端なかったのです。細すぎるほど細身で背が高く、面長の顔は薄味で千原ジュニアさん風。特筆すべきは髪型で、両サイドを刈り上げ長く残したトップ部分に絶妙なパーマをかけて立たせつつ左側に流している、という。いまだかつて見た事のないヘアスタイルでしたが、面長なジュニア顔にはとてもよく映えていました。そして、フレームの上半分が黒いメガネが、洒落てる感の上乗せ。髪の毛も真っ黒にされていて、部分的に黒縁のメガネが、どことなく学者風で、アバンギャルドな全体とうまく調和していました。服装は、左太ももに漢字(字は忘れました)が書かれた不思議なデニムに、黒Tに薄い黒ジャケット。後で見たらデニムの後ろポケットにも不思議な刺繍があり、凝りに凝っている感じ。これが筋肉隆々の太短い脚なら興ざめですが、細くどこまでも長い脚にピタッとしたデニムなので、洒落感の駄目押しです。

 お隣りに寄り添う女性も、モデル体型で、驚くほど細く長い脚をピタッとしたデニムに包み、派手なエルメス調の白と黄と黒の柄ジャケットを着ておられました。ああいう柄は大阪では年配女性が好んで着られる感じですが、お洒落な彼女が着ていると妙にはまる。髪型は普通のショートボブですが、ロングが多い韓国女性の中ではきっと目立つだろうと思われます。大きな目、大きな口の派手なお顔立ちに、バッチリメイク。

 男性はとてもクールな佇まい。女性は男性に首ったけという感じで終始しなだれかかっていました。お二人は鞄類は一切持っておらず、手ぶらでゆいレールに乗っておられ、また、乗っている間、一度もスマホを出しませんでした。たいていみんな、乗車中はスマホを出して見入っている中で、その光景はいでたち以上に個性的。何かを超越した自由な空気が素敵でした。

 私は今まで、「お洒落にこだわると、自由でなくなる」という風になんとなく感じていました。シンプルな服装に徹するほうが、より自由になれる、みたいな。でも、このカップルが醸し出していた自由な空気感は、彼等の洒落っ気の純度の高さから、生じているように感じました。洒落る事で自由になれる、そんな世界観もあるのだなー、と感じました。大阪でも沢山の韓国人観光客の方々を見かけますが、こんなに粋なカップルは見た事がありませんでした。

 1カップルの描写だけでこんなに長くなってしまったので、後、もう1カップルだけでやめておきます。

 もう1カップルも、上に書いたカップルと同じくらいの年恰好で、地元の人のようでした。見た目は日本人と、ラテンか東南アジア系のどこかとのハーフで、話す言葉は英語でした。地元の方だと感じた理由は、話しておられた内容から察しました。

 このカップルでは、女性のほうがより印象的でした。背は低めで、スタイルもそれほどよくなく中肉中背で、服装も(失礼ながら)チープな感じでした。安っぽいタイトデニムに黒いTシャツ、黒い厚めのカーディガン。長いワンレングスの黒髪。黒縁メガネ。後ろから見ている分には、ごく普通の若い女の子、だったのですが、前から見て「え?」と驚くほど印象が変わりました。顔立ちが個性的だったからです。とても小さい白い丸いお顔で、小さい目、小さい鼻、小さい口。なのですが、地味ではなく、誰が見ても「綺麗」と言いたくなる整い方。「綺麗」というよりも「知性的」と言うほうが近いかもしれません。安っぽい服装が逆に知性を感じさせる、という不思議な女性でした。

 男性のほうは、これまた背が低めで、というか、かなり低く中肉中背。服装も、女性よりも更にチープな感じで、センスも悪い(すみません)。中途半端なデニムに黒い革ジャン(合皮)、腰に赤系タータンシャツを巻いていました。腰にシャツ、それも安っぽいシャツ。後ろから見ていた時は、無意識に「この人、ダサいな」と思っていたのですが、これまた、前から見た瞬間、印象がコロッと変わりました。瞳が薄い茶色なのです。もしかしたら、カラコンかもしれません。カラコンだとしたら、とても似合っていました。瞳の威力で、表情がとても思慮深く映るのです。それは、服装のダサさを凌駕するほどでした。

 背が低くチープな服装だけれども、意外なほど知性的で思慮深く見えるそのカップルは、しっかり手を繋いで歩き、座席に座る時もピタッとくっついて寄り添っていました。この二人にはもう一人お連れがいました。年齢的には彼等の親ぐらいの白人男性です。半袖短パンにサングラスにキャップ、という夏のような恰好をしたその白人男性は、明らかに彼等の連れで、一緒に行動しているのですが、どこか雰囲気が違うのです。彼だけ浮いている。知性がないというか、軽薄というか。女性ほうはあからさまにこの白人男性を無視していて、男性のほうだけ、話しかけられたら感じよく相手をしていました。

 白人男性は、座席に座る時も、わざわざ女性の隣りに座ったのですが、女性にしっかり無視され続けるので諦めたのか、反対側に座っていた幼児に話しかけ、その子が降りる時には手を振ったりしていました。白人が、オリエンタルに無視される、という光景が珍しく、でも、まったく醸し出す空気感が違うから仕方ないわな、と思えました。大阪にいると、白人様々というか、白人って格好よく見えるのですが、ここ沖縄では必ずしもそうではない、のでした。

 まだまだ沢山の人を見て、いろんな事を感じました。乗客の方々の写真を撮るわけにはいかないので、写真がなくてすみません。。