書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

大阪人の苦手なところ

 私は大阪に住んで長くなりましたが、もともとは大阪出身ではありません。基本的に、気さくな大阪人は好きなのですが、苦手な面もあります。その最たるものが「列に並ばない。横入り、横抜かしを平気でやる」という所です。

 東京の人が大阪に来て一番驚くのが、コレだそうで。駅で電車を待って一列に並んでいても、電車がホームに入ってくると、横から列の一番前にサッと入って来る人がいる。平気な顔をして。

 見るからにマナーを守りそうもない人ならまだわかるのですが、そうではなく、一見大人しそうな優しそうな綺麗な若い女性や、小学生くらいのお子さんを連れたちゃんとした奥様が、順番を無視して横抜かししたりするのです。

 その順番の抜かし方が、狡猾というか、どっちか分からないような微妙な感じで並んだり立ったりしていて(つまりちゃんと列に並ばない)、タイミングを見てサッと抜かすんですね。まるで正当な自分の順番のように澄ました顔をして。

 「列なんかちゃんと並ばなくていいのよ。ぼーっとしている人はさっさと抜かしたらいいのよ」と言っている人がいて、びっくりした事があります。大阪人の理屈で言えば、ぼーっとしていて抜かされてしまう方が悪い、らしい。詐欺にあったら、詐欺をした側ではなく、ぼーっとしていて詐欺にあった方が悪い、という理屈。騙されたら、騙した方は悪くなく、騙された方が愚か、という。商売人の論理、なのでしょうか。

 こういう考え方、私は苦手です。だから、根っから大阪になじむ、という事は私には難しいです。

 私は自衛の為、大阪では極力、列には並ばないように気を付けています。混んでいる時間の、混んでいる店には行かない。混んでいる街に行く時は、平日の午前中にする。イベントのある場所には寄り付かない。セールや割引の日には行かない。等々。

 でも、夫は、少しでも安く買う、という主義なので、割引の日を狙ってわざわざ行く人です。彼が一人で行くのは構わないので良いのですが、たまに私も巻き込まれる時があり、とても嫌です(が、仕方ないので行きますが)。

 先日も、夫のスーツのズボンだけを出しに、クリーニング店に行きました(行かされました)。普段の日なら混まないのですが、月に一度の割引の日は、朝一で行ってもお客が列を作って並んでいるのです。割引の日が週末なら、夫本人に行ってもらうのですが、平日なので、私が行かねばなりません。ズボンなんて割り引いてもらっても数十円の差なんです。私個人なら絶対に普通の日に行くのですが、夫は「絶対に割引の日に行って」と言うので。先日も、とても嫌な予感がしながら、割引の日にクリーニング店に行きました。

 そのクリーニング店の受付レジは二つあり(一番と二番)、客は二つの受付レジの中間の位置に、一列に並んで待つ事になっています。そして、一番だろうが二番だろうが、早く空いた方に、列の先頭から順繰りに行く、というシステム。

 朝一で行ったおかげで、私は列の3番目に並べました。すぐに、前二人が一番と二番のレジにそれぞれ行ったので、列の先頭は、私になりました。ですがこの私の前のお二人が、ものすごく沢山の服を持って来ていて、処理するのに時間がかかっていました。私の後ろに、小学校低学年の女の子とそのお母さんがやって来て並びました。

 時間がかかってはいましたが、どうも二番レジのお客さんのほうが早く終わりそうな気配がしてきました。

 その時、私の後ろに並んでいた親子連れの女の子が「早い方のレジに並ぼうよー」と言いながら、二番レジのお客さんの真後ろに行ったのです。

 え?なんで私を抜かすの?って言うか、ここの列の並び方は「一列方式」だから、勝手に「二列方式」に変えないで。

 と思ったものの、お母さんが注意するだろうと思っていたら、お母さんも女の子に呼ばれた体で、「そっちは引き取りのレジじゃないのー」とか言いながら、二番のレジに並びに行ってしまったのです。ええ、見事に私を抜かして。明らかに受付作業をしているのだから、受付レジだという事は見て分かります。そもそも引き取りレジに並んでも仕方ないのだから、二番レジが受付レジだという事は、そのお母さんもハッキリ分かっているのです。いるにも関わらず、適当な言い訳をゴニョゴニョ言いながら、結局私を抜かしてしまいました。

 その親子が二番レジの真後ろにピタッと並んだおかげで、一番と二番の中央に並んでいた私が、なんとなく一番のレジの後ろに並んでいるみたいな感じになってしまいました。つまり、その親子からしたら、私を抜かしたわけではなく、一番のレジの列から、二番のレジの列に並び変えただけなのよー、という体に見せてきたのです。

 これなんですよね。大阪人の横抜かしのテクニック。あからさまに抜かすのではなく、なんとなく抜かす。責められたら「え?抜かしてませんけど?」と言えるような曖昧さを作る。

 すごく巧妙で、それだけに姑息です。

 結局、一番のお客さんと、二番のお客さんは、ほぼ同時に終わったので、私とその親子はほぼ同時にレジに入れたのですが、それでもとても不愉快でした。

 横着というか、ずるいもの勝ちというか。そういう根性が、大阪人の根底にはあるように感じます。大阪人はそういう自分達のことを、人間らしい、とか、飾らない、と評します。

 大阪人はモラルが低い所が残念だと私は思います。創意工夫の気質に富み人情にも篤いのに、大阪が住みたくない街でいつも上位になってしまうは、そのせいだと思います。