書くしかできない

発達障害の息子、夫、私。過ぎていく日々を書き留めています

心と頭を一旦切り離す。

 今日書く事は、多分、共感されない(もしくはひどく違和感を感じられる)ことだと思います。が、私の生活環境の中では、この道しかないなかったので、思考整理の為に書きます。常日頃、私の書く事に違和感を感じられる、という方は、今日はそれが甚だしいと思うので、予めご了承下さるか、違和感で気分が悪くなってしまうかもしれないのでお読み頂かないほうがいいかもしれません。

 では、始めます。

 私の息子は、私と夫とが少しでも仲違いする雰囲気になると、ものすごく反応し、とてつもない不安感を感じ、その不安感を私にぶつけてきます。最近は、「それは止めて」と私が言えば、すぐに止めてくれるようになりましたが、そもそもの「ものすごく反応してしまう」部分は変わらずにあります。それは息子をとても苦しめています。

 それが分かっているので、私はできる限り夫とは言い争う感じにならないように、注意して生活しているのですが、なかなか完璧になくすという事ができません。夫は自分の機嫌が悪い時は、ちょっとした私の言葉や態度にもつっかかってきたり不機嫌な態度を隠しませんので、私だけの力で仲違いしていない雰囲気を作るのは、本当に困難なのです(夫は、気に入らない事があると大声で相手を威嚇したり、あからさまに不機嫌な態度をとります)。夫は自分を変える事ができない人なので、私にはそれを止めさせる事はできないのです。

 なので現実問題、頻度は低いながら、私と夫との仲違いがあると、息子はどうしても反応するのが止められず、不安で一杯になって、その不安を私にぶつけます。それはとても悲惨な光景です。

 どうしたら、これを無くせるのか、と私はずっと考えていました。それで、先日、こんな事を試してみました。

 状況としては、こういう感じです。

 平日の朝、朝食を取り終えた時、夫が私に、区役所からの「任意のガン検診のお知らせ」のハガキを渡して「これ、受けたほうがいいよ」と言ってきました。夫の両親は、両方ともガン家系なので、彼はガン検診を毎年受けています。が、私のほうは、身内にガンで亡くなった人がいない事と、そもそもガン検診自体が好きではない事(検査で逆に体調を壊す)、日頃から健康に気を付けている(食事・運動・精神面など)事などから、ガン検診は受けない方針です。それで「私は受けないよ」と淡々と返しながらそのハガキを受け取りました。ら。夫が急激に不機嫌になり、大声で「そういうの、困るんだなあ!」と怒りだしました。ああ、やばい、、、と思うよりも早く、息子の顔色が変わり、半泣きになって視線も怪しくなり、私に向かって「お母さん、止めて。お母さんが悪い」と突っかかってきました。息子は夫が怖いので、夫には何も言えないのです。でも、私と夫が仲たがいしている状況に耐えられず、必然的に私を責めたてる、という事になります。

 「止めて」と言えば、息子に私を責めるのを止めさせる事ができますが、それでは、息子はあわあわした視点も定まらない状態で学校に行く事になります。それで、いったん息子の不安感を受け止め、冷静に説得してみる事にしてみたのです。「お母さんとお父さんは別に喧嘩しているわけじゃない。ちょっとした意見の食い違いがあっただけ。これはお母さんとお父さんが話し合う事で、あなたには関係ない」と、極めて落ち着いて説明してみました。が、息子は納得せず、まだまだ不安を私にぶつけてきました。時間が長引くにつれ、息子の頭はぶっ飛んでいき、もはや「やめて」と言えばやめる、という約束すら守れない状況になっていきました。そして、息子から不安をぶつけられる時間が長くなると、さすがに私も持ちこたえる事ができなくなります。鷹揚に構えられず、不快な表情になってしまいました。

 そもそも私と夫は言い争いなどしておらず、夫の言葉に私がノーと言った事で夫が不機嫌な声を上げた、という一瞬があっただけなのです。息子の様子が豹変した瞬間、夫も「まずい、、」と思ったようで、その後は貝のように口をつぐんでいます。私も同じで。だから、夫と私が沈黙を守っている中、息子一人が私に対し「お母さんが悪い!お母さん、止めて!」と泣きわめきながら責め続けており、それが延々続き、責められ続けどうしようもない私はだんだん疲れてきたという状況でした。

 すると、息子の不安感は倍増します。今持っている不安にプラス、私が不愉快に思っているという不安が乗っかりますから、不安感は加速し、衰えるどころか倍々ゲームで増え続ける、という事になります。

 どうしたらいいのか、と考えて、私が先日出した結論は。

 心と頭を切り離そう、という事でした。

 不快な表情になってしまうのは、私の心が起こしている現象です。私の行動を決めるのは、心と頭なわけですが、そこから、心を切り離そうと思いました。

  細かい話をして恐縮ですが、これは、相手の言動を気にしないで無表情でスルーする、とか、作り笑いでしのぐ、という事とは違います。息子は、私に、極めて自然な笑顔で自分の言う事を認めて欲しがるのです。「私ではなく、あなたこそが正しい」と、嫌みな言い方ではなく、極めて自然な言い方で彼の言い分を認める事を要求するのです。これは、自分の心を殺してぐっとこらえて、というような対処方法では、絶対に無理なのです。

 なので、私は、現実への対処は頭だけにさせる。そこに心は絡めない、という事を徹底してトライしてみました。具体的には、心を頭の右上あたりに隔離して置いておき、体にくっついているほうの私は仮の私で、本当の私ではない、という事を意識的にやってみました。

 ら。さっきまで「とてもこんな状況で笑えない」と思っていたのが、普通に笑えるようになりました。しんどい、とか、腹立つ、とか、それは嫌だ、それは正しくない、それはできない、といった私自身の感情は、心を遠く離しておく限り、感じる事はありません。なので、息子のめちゃくちゃな要求(「お母さん、朝はもう部屋から出て来ないで。僕のお弁当と朝ごはん作ったら、部屋に戻って出て来ないで。お父さんとお母さんが話すと喧嘩になるから、もう二度と話しはしないで。お母さん、ガン検診受けて」)にも全て自然な笑顔で「分かった、そうする」と応えられるようになり、場は収まり、息子はなんとか平常心に戻って登校していきました。

 その日、帰って来た息子は、開口一番、

「お母さんは、悪くなかった。お母さん、朝、部屋に閉じこもらなくていい。リビングでみんなと朝ごはん食べて。ガン検診受けなくていい。でも、お父さんは何でもすぐ怒るから、お父さんに何か言われたら、絶対にノーは言わないで。ガン検診受けろって言われたら、分かった受ける、って言って。後で、僕のいない所で、やっぱり受けないって言い直せばいいから。そこで喧嘩になっても、そこに僕はいないから大丈夫だから。僕がいるところでは、お母さんは、お父さんに何を言われても、全部イエスって答えて。そしたら僕は、お父さんとお母さんの喧嘩を見なくてすむから」

と言って来ました。この文面全てを息子が自分自身で考えた、という事に、私は息子の成長を感じました。私は、なんの抵抗もなく「分かった、そうする」と答える事ができました。心の底から、息子の言う事が正解だと感じたからです。

 これは違うかもしれませんが、私がいったん心と頭を切り離し、笑えない場面で自然な笑みを作り、受け入れられない事を自然に受け入れる事ができたせいで、息子は平常心を取り戻せたのではないかと思いました。つまり、私が先にとことん折れたから、息子の心に余裕が生まれ、冷静にモノを考える事ができるようになったたのではないか、と。私がいつまでも息子に対して、感情で接する事を止めなければ(心と頭を切り離さずにいたら)、息子もまたいつまでも感情に溺れて流されていたと思うのです。

 息子を変える事も、夫を変える事も、この社会の在り方を変える事も、私にはできません。私が変わるしかないのだと改めて思いました。私は、どうやったら私が変われるのか、それをいつも考えていたいと思います。それが私自身を幸せにする方法だと思うからです。

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