書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

「うっ」と思ったこと

 さっき、ある方のブログを拝読していて、「うっ」と胸を突かれました。その方は私と同じ年の女性で、3児の母。お仕事(保育士さん)もしっかりされ、かつ、自営業の家業も手伝い、若くに結婚されたので、お子様達はもう育ちあがって、みなさんとても優秀。今はその方、カウンセラーさんもしておられる、もうスーパー主婦と言っていいような方なのです。

 先日、その方の家の前に、若い夫婦が引っ越してこられた、とブログには書いてありました。若夫婦には、赤ちゃんがいて、問題はその赤ちゃんの泣き声が激しいこと、尋常でない泣き方をする事。その方は、「いまだかつて聞いた事のない泣き叫ぶような泣き声で小さな赤ちゃんが出している声とは思えなかった。心配で、ついついその家を見てしまう(近所の人達も何気なさを装ってみている)。いつか事故が起こるんじゃないかと心配していたら、ある日ピタッと泣き声がやんだ。どうも保育園に入れたらしい。良かった良かった」という内容だった。

 そこまでは、私もスムーズに読めていたんですね。ところが、その先が、、、。

「お母さんによっては、赤ちゃんが泣いても、上手にあやすどころか、抱き上げる事すらできない人がいる。つらい子供時代を過ごした人ほど、赤ちゃんが泣いていると、『あなただけずるい』という気持ちになって、抱き上げられない。うまく赤ちゃんを育てられない、そういうお母さんがいるものだ。そういう人は、無理に自分で育てようと思わず、すみやかに保育園に預けるのが正解」

 と書いてありました。

 そこで私は「うっ」と胸を詰まらせたのでした。

 その方の前半の文章を読んで、私は、その赤ちゃんは、発達障害児なんだろうなあと思って読みました。我が子の泣き方がまさに、そんな感じだったからです。でも、その方は、「赤ちゃんが尋常じゃない泣き方をするのは、お母さんがうまくあやせない人だから。お母さんが赤ちゃんを育てられない人だから。お母さんのせい」と、頭から決めつけておられたのです。勿論、その方の想像通り、そのお母さんが赤ちゃんのお世話ができない人だから、赤ちゃんが尋常ではない泣き方をしていたのかもしれません。でも、発達障害児である可能性もゼロではないと私は思ったのです。だからその方が、最初から何のためらいもなくごく自然に「母親のせい」と決めつけてしまわれた事に、とてもショックを受けたのでした。

 その方は、心の事を沢山勉強された専門家であるカウンセラーさんなのです。しかも保育士の資格もお持ちで、保育園や乳児院などでも保育の経験をお持ちなのです。しかも3人もお子さんを育ててこられたベテランママなのです。そんな彼女なら、発達障害児についても当然知っているはず。なのに、赤ちゃんが泣きやまない→母親が悪い、と疑いの余地なく決めつけておられた事に、私は激しい衝撃を受けました。

 やはり、そうか、、、。世間ではそうなるのか、、。

 子供の至らなさは母親のせい、という「常識」からは、もう、逃げる事ができない私達発達障害児の親が、絶対に陥ってはいけない行動があります。それは、「だからといって、我が子を『外から見ていい子に見えるような子供』に無理やりさせようとしてはいけない、という事です。

 私が聞いた事がある話では、子供が泣き叫ぶと虐待親と言われるのが心配で、ミルクにお酒を入れたり、風薬を常に飲ませて、いつも眠っているようにさせたとか、もう少し育つと、泣いた瞬間に叩いて、絶対に泣かせないようにする、とか。

 自分が虐待親に見られないように、子供を虐待してでも、「外から見ていい子」にするわけです。発達障害児が虐待されやすいのは、そのためです。発達障害児に対して普通の子育てをしていたら、ほぼ間違いなく「何あの子?虐待されてる?親、ちゃんと世話してないんじゃない?ちゃんと躾けてないんじゃない?愛情不足?ネグレクト?」と見られてしまいます。そう見られないように絶対に泣かせない、我儘言わせない、きちんとさせる、何でも人並みにできるように無理やりさせる、というように、親が子供を追い込む。暴力的に追い込めば、小さい子供より親の力のほうが圧倒的に強いので、子供は恐怖から懸命に必死に我慢します。結果、外から見たら「泣かないいい子。しっかりしたいい子。きちんとしたいい子」に見えます。でも、実際は虐待されているのです。

 また、学齢期になれば、発達障害児の親は、「クレーム親」「クレーマー」に見られがちです。子供の為に、さまざまな配慮を願い出なければならないために、そうなりがちなのです。クレーム親と思われたくが為に、親が学校に何も言っていかなければ、ただただ子供が我慢し耐えるしかない。それも一つの虐待の形だと思います。

 いろいろ考えて、くら~くなってしまいました。大事な事は、他人からどう見られるのか、という事ではなく、ただただ「我が子が心身健康で育っていくこと」それだけだと私は思います。ただそれだけを叶えるために、虐待親と思われたり、クレーム親と思われたりするけれども、それはもう仕方ない、と割り切る。子供の為に親が恥をかくその恥は、恥じゃない。子供の為にした事で、クレーマーだと言われても、本当にはクレーマーじゃない、と自分が分かっていたらいい。被害者面をしているわけではなく、一つの事実なので書いています。これからまた変わっていくかもしれないけれど、少なくとも今現在は、こういう事なんだろうなあと、思いました。