書くしかできない

発達障害の息子、夫、私。過ぎていく日々を書き留めています

オープンカフェにて

 今日も今日とて、涼しい風に誘われて、近所のオープンカフェでソイラテを啜っておりました。一時期よりも太陽が低くなり日陰が結構長く(大きく?)なったので、真昼でも、屋根があるカフェだとしっかり日陰になります。時間を気にせず出かけられるので助かります。

 同じことを考える人が多いのか、ここ数日、なじみのオープンカフェはどこも人が多いです。屋内はすいているのに、テラス席は一杯。みんな、冷房に飽きて、外の風を浴びたいんだなあ、そうだよねーと思います。

 私がせっせと書き物(9月以降の予定表作り)をしていたら、隣席から大きな声が聞こえてきました。「風が強いから、中に入るか?」「水飲むか?」「寒いか?」。書き物に集中していたので最初は聞き逃していたのですが、途中で、カフェで大声って珍しいなーと思い、隣席を見てみると。

 60代くらいの男性と、80代くらいの女性が座っておられました。女性は認知症のようで、ずっと口を開けて虚空を眺めていて、車いすに座っています。男性は息子さんのようで、女性にアイスティーをストローで飲ませたり、むせてこぼれた分をティッシュを出して拭いてあげたり、かいがいしくお世話されていました。

 男性が、弱ったお母さんを、気持ちのいいカフェに連れてきてあげたのだなあ、と思いました。女性は意思表示もなく、ぼんやりした表情で、前を見ているだけですが、男性には彼女の意思が分かるようでした。優しい息子さんなんだなあ、偉いなあ、と私まであたたかい気持ちになりました。

 男性が飲み終わったカップを捨てに、店内に行かれて、席には女性だけが残った時がありました。私はなんとなく、女性と目が合った気がして、ニッコリ笑っていました。そしたら、女性も、ニッコリ笑ってくれたので、とても嬉しくなりました。笑顔といっても、うっすらしてものでしたが、それでも笑顔は笑顔。認知症だから感情がない、というわけではなく、ちゃんと、豊かな感情がおありなのだ、という事を感じました。

 男性が戻って来て、テーブルを片付け、女性の車いすを押して帰って行かれました。彼は、どんな思いでお母さんのお世話をされているんだろう?と思いました。寂しかったり、心細かったり、面倒くさかったり、しんどかったり、色々あるだろうなあ、それでも、こうやって、酷暑の後、やっと涼しくなった今日という日に、お母さんを素敵なカフェに連れていったあげようと思われる、その彼の気持ちを思い、心の大きな男性なんだろうなあと、思いました。彼に幸あれ。

 彼等が帰った後、すぐに隣りの席には、別のグループがやってきました。1歳から4歳ぐらいまでの子供達を連れた親子連れが3組。ママ友3人とそのお子ちゃま5人に、各パパが付いて来た、という感じのグループで、結構な大人数。屋根の陰になっている隣りのテーブルだけでは座りきれず、日向の(暑い)テーブルにパパ達が座りました。遊んだ帰りなのか色んなお土産の袋等をテーブルに置いたり、ベビーカーを置いたり、ママ達は早速飲み物を買いに店内に入ったり。それを見て後を追おうとベビーカーの女の子が立ち上がった拍子に、取っ手に荷物が満載のベビーカーが後ろに倒れたり(お約束)。赤ちゃんが泣き出したり、男の子が愚図ってママさんに叱られていたり。賑やかでした。

 引いてみれば、幸せそうな楽しそうなグループでしたが、よく見れば、愚図った男の子を叱るお母さんがとても疲れていて、男の子の愚図りもなかなか終わらず、途中でどこかへ消えてしまったり、パパ達3人のうち一人がちょっとなじめない感じで話しに入らず、子供達と遊んでいたり(その方は子供達と遊ぶのが上手でした)。パパ達もママ達も、子供達を連れ出してみんなで楽しい一日を過ごせるように、それぞれがとてもがんばっているのが、凄く分かりました。

 あんな風にみんなで子連れで遊びに行くのが、私の夢だったなあと思い出しました。私の子供には、お友達家族と外出など、絶対に無理だったのです。私の夫も、もし普通の子供のパパだったら、ああやってパパ役を上手にこなすタイプです。如才なく。それが、障害児の親になったが為に、一度も楽しい複数家族での子連れ外出を経験できずに終わってしまったなあ、と、夫が少し気の毒になりました。

 でも普通の子供の両親でも、頑張ってるなあ、上手に子育てされてるなあ、と感心して眺めていました。子供達はみんな幼く、年齢相応に面倒くさく、我儘で、危うく、それを束ねて「楽しい雰囲気」を作っておられる事に、本当に感心しました。私は経験できなかった子育ての一場面だなあと思いました。

 ふと左手がかゆくて、無意識に掻いていて、蚊にさされている事に気づきました。蚊???市内なので、蚊を見るのはとても珍しいのです。今年初めてかも。それも二か所もさされていました。痒くて気になって、ゆっくりお茶を啜る気分になれず、早々に席を立ちました。

 帰り際振り向くと、日向にいたパパ達が、私が座っていた日陰席に移動するのが見えました。もっと早くに帰ってあげれば良かったと、ちょっと思いました。蚊にさされたのは、「そろそろ彼等に席を譲ってあげなさい」という誰かからのサインだったのかも、、、と思いました。

 

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