書くしかできない

子供、夫、私。過ぎていく日々を書き留めています

間違いだらけだった①

 先日、息子の発達障害関係でかかっているクリニックへ、私一人で行って来ました。息子がどうも最近、神経過敏でピリピリしている時が増えた事について、どう対処したらいいのか聞きたかったからです。

 担当ドクターは良い人なのですが、いつも3分診療。それでも明るくてさっぱりした方なので親子共好きで、通っていました。先日は、私の質問が深刻だと判断されたのだと思いますが、いつになく長く(と言っても20分位)時間をかけて答えてくれました。

 その答えが意外過ぎまして。今までの私の子供への対応の仕方の多くが、間違っていた事に気付かされたのです。いや、全く、聞いてみるものだと思いました。聞かなければ答えてもらえない、当たり前のことを、改めて再認識。行って良かった、聞いて良かった。

 私の質問に対するドクターの答えを簡潔に書き残しておきます。

私の質問①

「息子は高校になってから、今までになくストレスがたまっているように見えるが、学校には最大限配慮してもらっているし、休みたい行事は休ませている。勉強を無理にさせているわけでもないし、分からなくて困っているわけでもない。学校自体、無理やり行かせた事はない、普段の日でもしんどい時は休ませている。中学よりもむしろ高校のほうが、配慮も自由も増やしているのに、何故高校のほうがストレスがたまっているのか」

先生の答え

発達障害児は、普通に学校に行くだけで、多大なストレスを抱えている。それを仮に100とする。学校に配慮してもらって5減り、休ませてもらって5減り、という具合にストレスが減るのは間違いないが、そのストレスが0になるわけではない。むしろ様々な配慮があってもなお、ストレスは90残っている事に注目してあげねばならない。配慮してあげたからストレスはもうなくなった筈、と考えるのは間違い。

 また、高校になると、教師から将来について、進学について、どうするんだ?と聞かれれる機会が増える。高校では、「君は将来どうしたいんだ?何がやりたいんだ?どこを目指すつもりなんだ?ちゃんと考えなさい」と日々言われる。これが、発達障害児にはとてつもなくストレスになる。

 なぜならば、発達障害児は、見えないものが分からない。未来は見えないから、分からない。想像する事ができない。それでも、真面目な発達障害児は、「自分の未来について考えろ」と言われたら、必死になって考える。分からないのに、考えさせられる、これがとても苦しい。発達障害児に対して一番やってはいけない事は、「あなたのやりたいようにやりなさい。あなたの将来はあなた自身が自由に決めていいのよ。お母さん達はあなたの意思を尊重し、100%認めて支援するからね」と、将来の計画を子供自身に丸投げする事だ。丸投げされた子供は、本来出来ない事をやらされることになるので、とても苦しむ上に、やらねばならないという強迫観念から、とにかく何らかの返答を出そうとする。結果、例えば「北海道に行って酪農をしようと思う」とか言い出す。親が驚いて「それは無理だ」と言ってももう遅く、一旦そう決めてしまった発達障害児の考えを、覆すのは至難の業だ。酪農がその子の本当にやりたい事なのではない。たまたまどこかで聞いて頭にポンと入ってしまったその言葉に、執着してしまっただけの事なのだ。

 発達障害児の将来に対しては、親が予め調べて考え、ある程度の計画を決めて(どの大学のどの学部に進み、どの職業につくのか、といった事)パッケージにして、子供に提示してやるのが一番いい。子供が嫌がれば、別のパッケージをまた作って提示する、という事の繰り返しで、将来を決める。これは、親の押し付けではない。このやり方が発達障害児にとっては一番適している。彼等は、ある程度の枠をあらかじめ用意された中で動く事に向いていて、枠があって初めて力を発揮できる。枠が全くない完全な自由状態では、彼等は苦痛を感じるし動けない。

 高校の先生は、そういう事を知らないので、発達障害児に対しても、「将来を考えろ」とガンガン言って来るはずだから、まずはそれを止めてもらわねばならない。またクラス全員に言う時は、聞かなくていいのだと、子供によくよく言っておかねばならない。また、家でも、将来について子供に考えさせるような事はやめなくてはならない。

 お子さんが高校になって急にストレスを抱えるようになったのは、一つには、将来について常に考えねばならないと思い込み、苦しんでいるからだと思う」

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 私、子供にいつも聞いてしまっていました。将来について、あなたは何がしたい?どこの大学に行きたい?と。それが良い事だと思いこみ、、、。やはり、発達障害児には常識的な子育て方法は通用しないのだと、改めて痛感しました。もう聞きません。息子の将来設計については、私と夫とで考えてパッケージングし、子供に提示するやり方を採用します。

 この事を、家に帰って息子に言ったら、「その通り」と言っていましたし、親に将来計画をたててもらうのは、とても助かると言っていました。「押し付けられる感じはしないの?自分で考えたくないの?」と聞いたら、「押し付けられるとは感じない。自分で考えたくない」と答えました。ドクターの意見は正しいようです。

 ドクターとの会話、まだまだ続くので、次回に書きます。今回はここまでとさせていただきます。